【第72話 アカネ誕生。そして新たな試練】
無事にキリュウは、アカリューとの赤ちゃんを出産した。満場一致で友紀が名付け親になった。友紀は産声を聞いた時、茜雲が綺麗だったことを思い出した。そして生まれたときの顔を見て、「アカネ」という名が浮かんできた。「アカネ……」響きがとても美しい。黄色のたてがみに朱色の体を持つアカネは、こうして名付けられた。帝王切開だったためしばらく入院するキリュウ。アカリューのみを残し、友紀たちは人間界へ引き上げた。アカリューとキリュウは「毒親には絶対にならない」と誓った。
人間界に帰宅すると、大変なことになっていた。結局、サブリーダーが行った店舗は閉店となったのだが、友紀たちが鶏串屋宝尼店にいられなくなる可能性も出てきた。「レベルを上げ続けなければ、違うタイプの店に異動させられることになる」とサブリーダーが言った。
友紀の評価は「C」から「B」へやっと上がったところだ。「何度もクビになりかけたため、まず首を切られるのは私だろうな」と友紀は言った。しかし、友紀は龍神ズの生活を守るため、今はクビになるわけにはいかないと必死だった。体調と心の両方が崩れていることに気づかずに。
数日後、麻美はなかなか起きない友紀の部屋のドアを叩いた。マスターキーで開けると、友紀が倒れていた。息はあったが、かなりの高熱だった。




