【第7話 心を込めて清掃。これが私】
友紀は翌日、また別作業に取りかかることになった。今までの努力の成果を感じながら、彼女は少しずつ自分の成長を実感していた。キリュウから言われた「周りへの感謝を忘れずに」という言葉が、心の中で響き渡っていた。彼女は、その言葉を胸に刻み込み、日々の仕事に取り組んでいた。
仕事を始めると、チームメイトたちの反応も変わってきた。「友紀、頑張ってるね!」と声をかけてくれるようになったのだ。まだまだ目標の時間を切ることはできなかったが、確実に良くなる方向に向かっていた。意地っ張りな彼女も、だんだんと心が柔らかくなってきたのだ。
午後になると、クロス洗いの作業にも参加することができ、ついに別作業を最後まで終えることができた。その瞬間、友紀の中で小さな達成感が膨らんでいった。
別作業を終えた後、キリュウが現れた。彼は友紀の働きぶりを見て、「このまま行こう。」と言った。その言葉を聞いた瞬間、友紀の心は嬉しさでいっぱいになった。アカリューからは、「もう一体声をかけたけど、まだ仲間になることを了承してない。でも、このまま行けば、もしかしたら仲間になってくれるかもね。」と、笑顔で告げられた。
友紀はその後、みんなとワイワイ言いながらアパートに帰宅した。そして、キリュウはアカリューと同じ契約を結ぶことになった。
新たな希望
翌日、友紀は目を覚ますと、母から新薬治療を始めることになったとの連絡を受けた。彼女は心を込めて「この治療がうまくいくように力を貸してください。」と祈った。すると、アカリューとオパが「いいとも!」と賛同してくれた。キリュウは、「友紀の良い気を借りて魔法を使うから、口上を決めておこう。」と言い、友紀は少し迷った末に、朝礼後に「心を込めて清掃します。」と口上を述べることにした。
その後、アカリューは副作用がきつくならないように、キリュウは治療が上手くいくように、オパは友紀の別作業を成功させるために、それぞれ魔法を使うことになった。友紀は口上を述べた後、集中力を高め、全力で清掃を行った。
成果と喜び
トレーナーや社員たちは、変わった友紀の仕事を評価した。彼女はもともと掃除が得意で、その丁寧さは定評があったのだ。2ヶ月間の努力の結果、友紀はついに全ての別作業で合格を勝ち取った。その成果は、友紀の心に強い自信をもたらし、宝尼に訪れた際にも役立った。
アカリューたちも、その成長を喜んでくれた。友紀は、仲間の支えがあってこそ、自分自身が成長できたことを改めて実感していた。