【第57話 座敷の結果発表】
友紀は、「心を込めて清掃します」と口上を述べた。翌日、ついにリーダーが療養を終えて戻ってくる。
友紀は1ヶ月の間、泣きながら練習を重ねていたので、だいぶ上手になってきた。朱雀寮での練習もだんだん熱を帯びてきた。座敷ほうきの使い方も上達してきた。ただし、掃除機に関しては、サブリーダーの担当になった。
最終試験前日、「これが最後の座敷になるかもしれない」と弱音を吐いたが、スイリュウは「何でも立ち向かう友紀らしくもない」と友紀の背中に向かい、尻尾を振り下ろした。アカリューも「今までの努力は無駄じゃない」と尻尾を振り下ろした。幹也は、「合格を諦めたらそこで終わる。悔しくないのか?」と鼓舞した。龍たちには、気合いを入れる時に背中に向かって尻尾を振り下ろし、互いに鼓舞しあう風習がある。友紀はアカリューたちのエールを受け取って、最後の最後まで練習した。
翌日、リーダーの復帰に合わせ、友紀の最終試験が行われた。友紀は1ヶ月の間に皆から教わったことを忠実に守った。トレーナーは、「友紀、上手くなっている」と言った。危うく友にゃんになりそうだったが、正幸とやった稽古場拭きを思い出してやり遂げた。1ヶ月の座敷研修が終わった。
終礼で、友紀の座敷最終試験の結果が発表された。合格していた。「今座敷を辞めたらもったいない」という理由だった。「友紀の努力と技術向上はどこまで上がるか、楽しみになってきた」とリーダーが言った。もしかしたら友紀は本当に宝尼のエースになれるかもしれないとオパは思った。このあとリーダー、サブリーダーの指導で、友紀は座敷担当者として大成することになる。そんなことになるとはつゆ知らず、友紀は喜びを噛み締めていた。




