表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
掃除戦隊セイソウジャー  作者: yukichi
祖母の死、それでも前に編
33/121

【第33話 悔い無き別れを】

このはの練習に参加していた友紀は、市民合唱祭への出演が決まり、ドキドキしながらピアノ合わせの日を迎えていた。アルト下のパートに少しずつ慣れ、団長の成美先生やリーダーの里美からの温かいサポートを受けながら、日々成長していた。

その日、練習が始まると楽しい曲が続き、皆が笑顔で歌っていた。

ところが、「夕焼け」という曲に差し掛かると、どこからか嗚咽の声が聞こえてきた。高橋先生がちらりと友紀を見て、顔を曇らせる。友紀の様子がおかしい——誰もがそう思った瞬間だった。

「今から休憩を取りましょう」高橋先生が指示を出すと、友紀はこらえていた涙を流し始めた。

近寄ってきたピアノの先生の顔には心配の色が浮かんでいた。成美先生が友紀を励まし、優しく背中を撫でた。「よく耐えていたね」

友紀はついに打ち明けた。「実は、おばあちゃんが亡くなったんです……」

声は震え、涙が止まらなかった。キリュウも寄り添い、心強く彼女を支えた。

成美先生は静かに語り始めた。「私も夫を亡くしたことがあるの。その時、友紀のように泣いた」

友紀は顔を上げた。

「でもね、こんな話を聞いたことがあるよ。肉体は亡くなっても、魂は生き続けるの。そして、悔いのない別れができれば、その魂が護り神となって見守ってくれるんだって」

「悔いのない別れ……」友紀は真剣な表情で耳を傾けた。

「明日が通夜で、明後日が告別式だね。友紀からお礼を伝えようね」

周りからも「お祖母ちゃんは見ているよ」と温かい声が飛んできた。

友紀は涙を拭い、みんなの励ましに感謝した。高橋先生の号令で、全員が一分間の黙祷を捧げた。龍神ズも頭を垂れた。

このはは大きなコンサートを控えており、練習は続いた。友紀が少しずつ泣き止むと、皆は安堵した。

「夕焼け」の曲では、友紀は涙をこらえながら一生懸命に歌った。その心には、おばあちゃんへの思いが詰まっていた。

明日、友紀はしっかりとお別れができるだろうか。祖母に、ちゃんと感謝の気持ちを伝えられるだろうか——。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ