【第25話 黒龍を仲間に】
それから数日、アカリューたちも全員で黒龍と交流しながら、彼が変わりたいと思っているのではないかという気持ちを抱くようになった。
友紀からその事を聞いたハクリューは、大いに喜んだ。
「でも、まずは家族と和解する必要があるよ」
ハクリューは真剣な表情で言った。
さて、問題は人間の友紀がどのようにして龍神の里に行けるのかということだ。
ある日、友紀は仕事帰りに素戔嗚神社の木に穴が空いているのを見つけた。すると、そこからアカリューの顔がひょこっと出てきた。
「龍神の里に行くための手続きをしてきたんだ!」
アカリューは笑顔で答えた。その結果、友紀は翌日からの2日間、龍神の里への訪問許可を得ることができたのだ。
「これは大チャンス!」
友紀は合唱団「このは」の練習を終えてアパートに戻り、新しい服に着替えた。家族と朱雀寮に「2日間は生麦市にいます」と連絡を入れた。
翌日、オパを肩に乗せ、友紀はアカリューに乗って宝尼の素戔嗚神社へ向かった。そして、木の穴に飛び込んだ。
「人間が入ってきた!」
騒ぎになったが、アカリューが大龍神の許可書を守衛に見せた。守衛は友紀の様子を確認し、危害を加えない人間と判断した。
「自由行動を許可します」
守衛の言葉に、友紀はほっと胸を撫で下ろした。
旅館出雲に向かう途中、黒龍の家族関係について話題になった。
「兄や兄嫁と比べなくていいじゃん」
アカリューが黒龍に向かって言った。
「口は悪いけど、根はいいやつなんだ。仲間を間違えただけなんだよ」
スイリュウも続けた。
友紀は昔、成美先生に言われたことを思い出し、黒龍に語りかけた。
「ほんとの失敗って、自分に素直になれないことだよね」
キリュウが反応した。
「ほんとに数カ月前の友紀そっくりだ。友紀が変われたんだから、黒龍も変われるって!」
黒龍は頷いた。
オパが言った。
「仲間ができればいいなら、私たちの仲間になってください」
「ありがとう、皆」
黒龍の言葉には決意が込められていた。
「家族と和解して、必ず変わってみせる」
オパも力強く言った。
「私たちがついているから、がんばろう!」
友紀は心の中でその言葉を反芻しつつ、黒龍が少しでも良い方向へ進むことを願った。これからの友情が、黒龍を包み込む温かさとなり、さらに素晴らしい未来を共に築いていけるように。




