【第16話 友との再会。朱雀寮へ】
友紀は静かな道を歩いていた。すると、背後から自分を呼ぶ声が響いた。
「友紀!」
振り向くと、そこには朱雀ファイターズの仲間、幹也が立っていた。買い出しの帰りで、宝尼駅近くのスーパーの袋を手にしていた。
「半年も会わなかったのに、どうして後ろ姿で分かったの?」
友紀が尋ねると、幹也は笑いながら近づいてきた。
「そりゃあ、君の髪型忘れるわけないだろ?」
冗談を交えながら、幹也は優しく友紀の頭に手を伸ばした。突然のことに、友紀のすぐ側にいたアカリューが身を守ろうと反応したが、間に合わなかった。だが幹也に攻撃の意図はなく、ただ友紀が突然姿を消したことを心配していただけだった。
「心配してたよ」
そう言って、幹也はそのまま友紀を抱き寄せた。
「今から事情聴取を行うから、朱雀寮に大人しくついてきて」
友紀は素直に従った。
朱雀寮に到着すると、幹也は大きな声で宣言した。
「ただいま帰ったぞ! 朝長友紀を連れ帰ってきた!」
元仲間の千晶、凛、麻美、彼方、啓一は、友紀の突然の帰還に驚きを隠せなかった。ちょうど夕食の時間で、友紀も一緒に食卓に着いたが、彼女は黙ったままだった。時間が遅くなったため、友紀は家族に連絡を入れた。
「明日は朱雀寮から出勤します」
食事が終わると、幹也が切り出した。
「事情聴取を始めるぞ」
友紀はゆっくりと話し始めた。
「母が重病になって、治療に専念するために一人暮らしを始めたの」
「そうか…」と凛が頷く。
「今は母が根治寸前まで回復したわ。それと、二田店の閉店で鶏串屋宝尼店への転勤が決まった。そして合唱団『このは』にも入団したの」
「そうか、よかったね」
麻美が笑顔で応じ、続けた。
「いろんなことがあって大変だったね…」
彼方が尋ねる。
「今、生麦市のアパートはいつまで契約してるの?」
啓一もその契約について詳しく聞き、提案した。
「宝尼店に通うなら、朱雀寮に住んだ方がいいんじゃないか?」
その時、突然声が響いた。
「まだアパートの契約期間がいっぱいあるぞ」
幹也たちは声の主を探して周りを見回した。友紀が口を開く。
「調子を戻せたのは、龍神たちのおかげです」
友紀が合図を送ると、龍神たちは人間の姿に変わり、四人が目の前に現れた。
みんなは驚きを隠せなかった。彼方と啓一が同時につぶやく。
「先代オパにそっくりだ…」
「先代オパって?」
オパがおどおどと尋ねると、写真を見せられた。その瞬間、彼は写真の人物が実の兄であることを確信した。
その時、玄関の戸が開いた。




