プロローグ 四千年前の悲劇
四千年前―――
「はああああ!!!」
勇者が振りかぶった聖剣が何重にも及ぶ魔法障壁を砕き、俺の腹部を貫く。
聖剣宿った精霊の力によって俺の体が光に浸食されていくのがわかる。
「心の友エブリティスよ、なぜ我を殺す!」
「ふん! そんなの金にきまってんじゃねーか!」
聖剣をさらに深く突き刺さる。
「金のため? ふざけるなよ貴様! 俺との友情は何だったんだ⁉」
俺は起き上がり、エブリティスの顔に近づき言い放つ!
だが、エブリティスは何度も俺の腹部に聖剣を突き刺す。
「そんなのエリク。お前を騙すためだよ! まおうさま!! ひゃあああひゃああひゃあああひゃあああ」
俺が死ぬ間際、最愛の人が俺を呼ぶ声が聞こえた。
「魔王さま!」
「プリシラ」
「魔王さまぁ!」
「こっちに来るなぁ!」
俺は最愛の人を守るため、その声と共にプリシラに永劫封印をかけた。
だが、勇者パーティーの一人 賢者のユリスによって永劫封印を解かれてしまう。
「魔王さま...。」
その瞬間、勇者パーティーの一人、戦士のリアによってプリシラの首が跳ね飛ぶ。
プリシラの首がこっち転がる。
「ああああああああああああぁぁぁ」
プリシラとの思い出が頭の中で砕け散る。
「さぁ! そろそろ死ねや! くそ魔王!!」
「エブリティス!!」
この日俺、エリク・フォン・アルべンスは、聖剣によって首をはねられ討ち取られたのだった。