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女神様の子ども達  作者: 彼方しょーは
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第三話 戦闘訓練と兄

「おはよう2人とも、良く寝れたかしら?」

「……はい」

「そう、それは良かった。」


お母さんはこっちを見ながらそう言った。まるで、全て分かっていると言うように。

やっぱり見透かされてる。そう、昨日は隣でルセが寝ていたせいで緊張して中々寝れなかった。ついルセの方を見てしまってその度に眠気が吹っ飛ぶのだ。はあ……慣れるまで時間がかかりそうだ。


「今日から戦闘訓練ですが……私が指導するわけではありません。ですから、この子に来てもらいました。……入っていいですよ」


そう言うと、お母さんの後ろから短い赤髪が特徴の筋骨隆々の男性が入ってくる。

……でっか、俺が160~170だとすると、この人は190~200はありそうだ。


「よう、お前らが新しい兄妹か。俺はフィーニスって言うんだ。よろしくな!」


フィーニスさんがそう言う。この言動から恐らくだが、この人もお母さんの子供だろう。つまり俺達の兄妹だ。


「よろしくお願いします。フィーニス……さん」

「おっと、敬語いらないぞタメ口で頼む!」

「……よろしく、フィーニス」


ルセも挨拶をする。フィーニスが話しやすそうな人で良かった。


「では、後は頼みます。フィーニス」

「ああ!任せといてくれ、母さん!」


お母さんは先に帰るようだ。

そして俺達も外に出る。


「さあまずは、これから毎日やることになる模擬戦だ!タナトとルセの2人でやれ。ルールは武技、魔法の禁止だ!拳で語り合え!」


……この人はちょっと脳筋なのかもしれない。


「体の使い方を学び、痛みにも慣れろ!大丈夫だ、危なくなったら俺が止める!では6歩下がって向き合え!」


なるほど、痛みに慣れるというのは大事な事だ。痛みで怯んでる間に攻撃されるということが無くなるからな。そして互いに6歩下がると俺とルセの間の距離は10メートル程になった。


「では、始め!」


俺達は同時に地面を蹴った。10メートル程離れていたはずなのに、すぐ目の前にルセがいる。

ルセは驚いた顔をしている。俺も同じように驚いた顔をしているだろう。なぜなら……互いにまだ一回しか地面を蹴っていないのだ。走ろうとしていたのにたった一回蹴っただけで5メートルの距離を一瞬で進んだことに驚きしかない。

そのまま互いの頭をぶつける。これがアニメや漫画だったら頭の上にお星様でも出ているだろう。


「うっ……」

「……痛い」


互いに頭を抑える。それにしても痛すぎる。

やっと立ち直った頃にフィーニスが口を開く。


「む……まだ走らせるには早かったか。よし!その場で殴り合え!自分の力をしっかりコントロールしろ!」


言われるがままに、俺とルセは殴り合う。

ただ体を殴るのは躊躇ってしまったので、ルセの拳に自分の拳を合わせることにした。

この体は動体視力も優れているようで、慣れればルセの拳も目で追えるようになった。だがルセの拳に自分の拳を完璧に合わせられるかと言ったら、そんなはずも無く、合わせられずに殴られることもあれば、逆に体を殴ってしまうこともあった。それから段々ルセを殴ることに躊躇が無くなっていき、まるで小学生がする喧嘩のような防御など考えずただひたすら殴り合うだけになった。それからしばらく殴りあって、同時に仰向けに倒れた。


「よし!今日はここまでにするか。俺の相棒も待っているのでな。明日は蹴りも出せるように頑張るんだ!」

「「はい」」

「では、解散!」


そして、フィーニスはどこかへ行ったが俺達は

倒れたまましばらく動けなかった。興奮していたために無視できた痛みが興奮が消えた今、俺たちに襲いかかっているからだ。


「……痛い」


ルセが恨み言のようなことを呟く。


「それはお互い様だ」


数十分後、やっと動けるようになってきたので家に戻ると、凄い眠気が襲ってきた為、すぐにベッドに移り泥のように眠った。





現世にある家に戻ってくると、ルーアが既に王城から帰ってきていた。


「ただいま」

「おかえり、フィー。弟達はどうだった?」


ソファでだらけていたルーアが応えてくれる。


「戦い慣れてない奴の動きだったな。あれは一人前になるまで大分掛かりそうだ。そっちは大丈夫だったか?」

「特にいつもと変わらないよ。東の荒野で異変が起こるのは1、2年後ぐらいじゃないかな。

弟達の育成も急がないといけないんじゃない?」


そうか…まあ、なんとかなるか。

タナトの方は片手剣の方も教えたかったが、無理そうだな。


「そういえば、リーベが新しい弟達は共和国の学園に通わせたいって言ってたよ。」

「なら初級魔法を覚えさせた方がいいか。最上級の条件もそれでクリアさせればいいな。」

「いいなーフィーは、早く弟達に会えて。

……リーベ以上の変人では無いよね?」


あんな変人が2人以上いてたまるか。あいつは頭のネジ3本はどっかいってるからな。


「ちょうど、リーベとニライの間ぐらいだな。堅苦しくも無くちょうどいい感じだ。」

「それは楽しみだなー」


まあ、心配なのは戦闘面だけだな。母さんに任されたのだから完璧に仕上げ無ければ。


「じゃあしばらくは団長代理として頼んだぞ」

「うん、任せてフィー」


フィーニス、ルーア、その正体は神の使徒だが、現世での立場は帝国最強の証である、帝国騎士団団長とその次に強いとされる副団長である





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