ドS女勇者の日常 〜ドMの仲間たちとのハードプレイ日記〜
重々しい門が開く 今日私達は魔王軍四天王 セイヘキ・コジレールを撃退してきたばかりだった。
普通に話していただけなのに何故か突然降伏してきたので容赦なく斬りつけたが何故か喜んで帰っていった・・・。
「ゆ、勇者様がお帰りになったぞ!!」
「勇者様!!こちらを向いてください!!」
「魔王軍四天王をまた倒したんだろ?流石だぜ!!」
「五月蝿いわよ 勇者に縋るしか無い愚民ども?貴方たち随分暇なのね?」
「「「ウォオオオ!!!勇者様万歳!!」」」
「今日も容赦ない罵倒だ・・・!」
「わ、わたし勇者様の犬になります!!」
「首輪付けてほしい・・・」
「グズ達!なにをグダグダしているのかしら?宿に向かうわよ!」
「は、はい!♡犬がご主人様についていかないのはおかいしいですもんね・・・(ハァハァ)」
「勇者様!!一生ついて行きます!なので貴女様の罵倒を私めに!」
「ああ!テメェ!さり気なくご褒美貰おうとしてんじゃねぇぞ?このデカブツが!!」
「ああん!この性悪女が!なにが“自称”犬だ!勇者様はお前の事なんて認識すらしてないんだよ!いい加減気付いたらどうなんだ!」
「え〜いやだ〜このデカブツさんはなに言ってるんでしょうか?勇者様は貴方なんかに付いて来て欲しくないのが分からないんですか〜?」
「勇者様ぁ〜このデカイだけのお荷物が私を苛めてくるんです〜追い出した方がいいのではありませんか〜?」
「勇者様!この性悪はいずれ貴女様の名誉を貶めるでしょう!この女こそ追い出すべきです!」
「なんです?犬が吠えてると思ったらあなた達でしたか・・・あなた達と間違えるなんて全世界の犬には失礼な事をしてしまいましたね」
「はぅんっ♡流石勇者様・・・私達のお話など耳にも入っていないとは♪(ハァハァ)」
「ウッ!勇者様は相変わらず容赦がない・・・そこが堪らない!(ハァハァ)」
「あなた達なんで空気の無駄遣いしてるんですか?空気が汚れるでしょう!明日・・・覚えていなさい また魔獣の群に放り込みますからね!」
「「は、はい!!喜んで!!」」
「おや!!勇者様達!!私の店の串焼きは美味しいですよ!お一つ如何ですか?」
「そうね・・・本当に美味しいなら買ってみましょうか」
「あ、ありがとうございます!ではどうぞ!お代は結構です!」
「(モグモグ)」
「勇者様・・・私の分は・・・」
「(モグモグ)」
「無視♡!!なんてご褒美ッ!!」
「貴様ズルいぞワザと話しかけてそんなご褒美をッ!!!勇者様 私めにもご褒美を!!」
「(モグモグ)」
「フゥッ!!ありがとうございます!!これで一年は暮せます!」
「テメェ!私の真似してんじゃねぇぞ!?私だけのご褒美だったはずだったのにテメェのせいで台無しじゃねぇか!」
「ハーッハッハッ!!お前だけに美味しい思いはさせるものか!」
「ゆ、勇者様!お味は如何ですか?」
「(ゴクッ)貴方・・・よくこんな物を売りつけられたわね?この味 ゴブリンの心臓を食べてるのかと思ったわよ?」
「グアッ!!ゆ、勇者様!!流石でございます!私がこだわって仕入れている肉に丹精を込めて味付けをした串焼きに対しての容赦の無い酷評!!」
「こんな物でよくお金が取れるものですね?もういいです」
「日も暮れてきてますし早く宿に向かいましょう」
・・・・・・・・・・・・・・・・
“カランカラン”
「勇者様!お帰りなさいませ!今日もお疲れでしょう!」
「相変わらず閑古鳥が鳴いているわね?このボロ宿は・・・」
「勇者様相変わらずなんておキツイ方なのでしょう!この宿は私を育ててくれた祖父が残していった唯一の宿ですのにそれを知っていて尚 そのようなお厳しいお言葉・・・こ、興奮してしまいます・・・(ハァハァ)」
「ブヒブヒ鳴いていないで早く不味い夕食の準備をしなさい?」
「は、はいぃ!今すぐ準備いたします!」
「宿屋の亭主め・・・勇者様からの罵倒を独り占めしおって羨ましい!!」
「全くです!少し勇者様が罵倒しただけであのはしゃぎよう全く羨ましい!」
「あなた達?何をしているの?椅子と机がないのだけれど 早く四つん這いになりなさい?そんな事も分からないなんてホントグズね!」
「「!申し訳ございません!!今すぐに!」」
「私は椅子になりますね♡ら、乱暴に扱って下さい!」
「き、貴様またもや!けしからんぞ勇者様の体温と体重を直に感じられる上に負担の大きい椅子役になるなんて!!」
「バーカ!!早いもの勝ちだろうが!テメェは寂しく皿の土台にでもなってろよ!筋肉ダルマが!!」
「クッ!!致し方ない・・・勇者様のためになれるならテーブルでも何にでもなってやろう!!」
「さぁ!!勇者様ぁ私の背中にお座りください!貴女様のためな・・・グハァ!!!」
「この椅子は出来が悪いわねぇ 安定感に欠けるわ」
「クハァ!い、いきなりお座りに・・・しかも鎧を着たまま・・・な、なんて容赦のない・・・」
「あら、この椅子は何を勝手に喋っているのかしら?静かにしなさい!(パシン!!)」
「ひゃうん!!!(ハァハァ 勇者様が私の尻を・・・今日はラッキーだぜ!!こんなご褒美を貰えるなんて!!)」
「(貴様!なんて羨ましい事を!私だって尻を叩かれたことは無いというのに!!(アイコンタクト))」
「(テメェ如きが勇者様に触れてもらえる訳がないだろうが!!残念だったな筋肉ダルマ!(アイコンタクト))」
「料理お持ちしました♪お待たせして申し訳ないです!」
「気にしなくていいわよグズ 貴女のトロさは知っているから お皿はそこのテーブルに置いて頂戴」
「わ、分かりました!!」
「(あ、熱い!!食べ物の熱さが皿から伝わって・・・た、堪らん!!)」
「(テ、テメェ!ズルいぞ!(アイコンタクト))」
「(黙れ!貴様は今日十分にいい思いをしているだろうが!貴様に比べたら私など全然・・・(アイコンタクト))」
「こちらはサービスの白湯になりますね♪今日は寒いですから」
「て、亭主!!?さ、白湯だと!!そんな物を不安定な背中に置いてはとんでもない事になるではないか!!?」
「(チラッ)」
「(!?亭主と目が合った?)」
「(サービスです♪(アイコンタクト))」
「(亭主・・・!!!ありがとう!!私のために・・・亭主くれたチャンスは無駄にしないぞ!)(グラッ)」
“バシャ!!”
「あ、熱い!こ、このグズ!貴方はまともにテーブルにもなれないの!?まあいいわ!いつか貴方だけをダンジョンに放り込みますから、簡単に戻って来れるとは思わない事ね?」
「(やりましたね!(アイコンタクト))」
「(ああ!ありがとう亭主よ!!おかげで勇者様からお仕置きしてもらえる!(アイコンタクト))」
「(モグモグ)(ゴクッ)亭主さん?ちょっと来てちょうだい?」
「はい?なんでしょうか?」
「これ食べてみなさい?」
「は、はい・・・(モグモグ)」
「どう?自分の無能さがよく分かったでしょう?」
「はうっ!!必死で作った料理が一言で片付けられた上に罵倒なんて!!流石です!勇者様には敵いません!!(ハァハァ)」
「さて、残飯も食べ終わった事だし 部屋に戻るわよ・・・ああ、言い忘れてたけど貴方達の部屋は今日も私の部屋のベランダだからよろしくね?」
そうして次の日に風邪を引いた戦士達は容赦なく高レベルモンスターの群れに放り込まれ喜ぶ事になるのだが それはまた別のお話し・・・