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恋文_2017  作者: サモエド
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断章Ⅰ


 耳鳴りのような音が聞こえる。

 弘仁十一年。平安の世。虫も鳴かないような夜。降りしきる雨の中、一人の男が一条の堀川にかかる橋の上でうずくまっている。

 その腕の内で、彼の妹が死んでいた。

 冷たい雨は、少しも苦悶の無い少女の表情の上をすべり落ちる。対して、彼女の首から流れる夥しい量の血は、黒く凝りながら男の狩衣を濡らし、雨に流れ、橋に染み込んでいった。

 男は動かない。彼の震えるその手には、長大な刀が握られている。

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