BIBLE OF THE 13 七日目
―6日前―
…体の様子がおかしい。
……寒気がする。
………額が熱い。
いわゆるこれは、風邪だ。
薔薇子に相談に行こう。
「はぁ~い、開いてるわよん」
「薔薇子、どうやら私は風邪をひいたようなのですが」
「あなた、不老不死じゃなかったかしらん?
ま、今日は横になってなさい。
お粥、作ってあげるから安静にね」
「はい。
それと、私の見解なのですが…
不老不死とは細胞が蘇って活性化することなので、雑菌も―――」
「今はそういうのは良いから、部屋に戻っててん?」
薔薇子は気立てが良い。
バイセクシャルで変態なところを除けば絵に描いたような美人なのだが…。
…。
私は部屋に戻ることにした。
ふと、思い返す……。
イェクルスナウトと出会って過ごした日々。
79回目法皇の四天王として働いた日々。
笑い合える日々を80回目法皇にぶち壊された怨念。
復讐を誓いながらも歩き彷徨った砂漠。
白馬…ではなくラグダに乗ったビリーに救われた日。
「駄目じゃないん、寝てなきゃ」
「すみません、少し思いふけっていて」
「たまに私もあるから分かるわん。
でもん、今は体がダイジ」
「そうですね……」
「索敵をしながら様子を見に来るわん。
今日は休んでなさい」
私は、薔薇子を信じて休むことにした。