BIBLE OF THE 13 五日目
―8日前―
「おや、ディシプル。出かけるのですか?」
私はそう口にすると荷物を用意するディシプルに問いかけた。
「はい!ちょっと行きたいところがあるので」
「なるほど、夜までには戻って来て下さいね」
ディシプルは「いってきまーす!」と元気よく返事をして何処かへ足を向け始めた。
「およよ、俺は悲しいよ…ディシプルちゃんが居ないなんて」
ビリーはいつもこの調子だ。
「さて、作戦会議を始めますよ」
場に残ったのは、私とビリー、アグネスに薔薇子だ。
「薔薇子、あなたの視力はけた外れでしたね。」
「えぇ、そうですわん」
「最近の接敵は?」
「法皇側の修道者が一人…ですわねん」
「倒したのですか?」
「オイシク頂きました」
どうやらトラウマを植え付けたらしい。
「では、アグネス。
あなたの知っている情報を教えて欲しいのですが」
「はい…私は80回目法皇の命でシスターを監視していました。
どんな状況でも伝えるように、と」
「なるほど」
「なあ、それよりこれからどうするんだ?
迎撃するのか?攻めるのか?」
そう言ったのはビリーだった。
「タイミングを見て打って出ます。アグネスというカードをこちらが持っている以上、あちらは黙ってないでしょう。
そのため、薔薇子にはしばらく泊まって頂きます。」
「索敵って意味で?」
「はい」
「シスター、あなたは利用できるものは全て利用しますのね。」
「はい」
シスターは残酷になれる事を肯定した。
そこに大義も正義も無い事を知りながら。
どこか気まずいまま、作戦会議は続いていった…。