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エピローグ
あれから………
イェクルスナウトは私の前から姿をくらまし、ジンは傭兵となった。
薔薇子もどこかへとふらりと旅に出て、私とアグネス、ディシプルと孤児院をせわしなく楽しく運営している。
法皇襲名制度は撤廃され、教皇制度…つまり、人格者からの子孫に教皇が引き継がれることになった。民主的に選ばれた、汚れの無い、教皇たる資質を持つ女性。
「これで何か変わるんですかねぇ…」
新聞を開きながら、そうぼやく。
しかし…
「まあ、あの娘なら大丈夫でしょう。頑丈でしたし」
過去に戦い、殺めたセリアの後輩の顔が目に浮かんだ。
初代"教皇"、シェリン・クラリッサ。
彼女の組織改革は斬新かつ画期的なものであり、人々の為の教会計画が着々と行われているそうだ。
「さて。と…大変なことはお上に任せて、私は孤児たちのおしめを替えに行きますか」
日常はこれからも晴れやかなものになりそうだ。
私はこれからも不老不死として時代という河の流れを見ていくのだろう。
ゆっくりと、綺麗な水が流れる事を祈っている。