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とある女子大生の戦記  作者: 深森鏡花
VS名前を言ってはいけないアレ
3/10

終戦

 ヤツらは確かにしぶとかった。氷河期から生き残ってきたと言われるだけはある。褒めてつかわそう。

 潰しては現れ、潰しては現れの攻防戦に嫌気がさしてきたキョーカはある日、

「一匹残らず…」

駆逐するだの殲滅するだのという物騒なセリフを吐いて近所のドラッグストアへ向かった。

 キョーカはヤツを見てただ悲鳴をあげる可愛い系女子ではなかった。気に入らないものは自分の前から消し去らねば気が済まない、粘り強い(執念深いとも言う)ちょっとヤバい系女子なのだ。田舎娘、舐めるな。しぶとさで言ったら負けていないぞ!

 そう、彼女はついに第二の兵器ホウ酸団子の購入を決意したのである。

 しかし、彼女は頭を悩ませた。ホウ酸団子とはただ適当に設置すればそれでいいという簡単な代物ではない。

 ホウ酸団子とはいわゆる毒エサである。ヤツの好きな匂いで誘き寄せ、食べさせて殺す。

 ヤツの拠点が自分の部屋の中に見つからない以上、ヤツらは部屋の外からやって来ていると考える他ない。

 キョーカは部屋の中にいるヤツの殲滅を願っているのだが、ホウ酸団子の匂いに釣られて部屋の外にいたヤツまで入ってきてしまったらたまったものではない。

 そこでキョーカは防衛線を張ることにした。

 まだヤツが出ていないワンルーム(キョーカの主な生活空間)には設置せず、玄関から続くキッチンのある廊下にいくつかのホウ酸団子を設置することにしたのだ。

 逆にワンルームにはヤツが嫌うとされる柑橘系の香り(レモン水)を吹き付けておいた。防衛線の完成である。


 しばらくして、キョーカはひとりでに死んで転がっているヤツを発見し、ニヤリと笑った。どうやら第二の兵器の威力は十分らしい。

 本当は毒エサを食べたヤツが巣に戻ってから死んでくれたら拠点ごと潰せるのだが。(ヤツら、なんと共食いするんだってよ)

 まあ、あれからヤツらとの遭遇率も減り、キョーカは穏やかな生活を取り戻しつつあった。

 この分ならヤツらが滅ぶ日も近い。

 キョーカは今度こその完全勝利を確信して、ほくそ笑んだのだった。(まるで悪役の顔のようだ?そんなこと言わないであげてほしい。彼女は頑張ったのである。)


 ヤツとキョーカの戦いは、続く(?)

 

  終


次回予告

新章『チャーリーのお話』始動!

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