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遅番の1日 最終出発便を添えて

いろんなエンターテイメントが起きる空港の遅番


今日はどんな1日になるのだろうか

空港はいつもエンターテイメントに溢れている。




日常、生活をしているとあり得ない事ばかり起こるわけだ




そんな1日の一幕




空港の1日は遅い


9時から17時の日勤(このように表現するのもあまりないことかもしれないが)

の皆様も多くはないと思う。


それは私たち空港係員がそうであるからだ



朝、とは言っても8時を過ぎたころ、起床する。


昨日、疲れ切ってベットまで到達せずリビングで死んだように眠った。


その結果、体の節々が痛みを発しているようだ



風呂すらも入らず眠りに誘い込まれたために、

熱いシャワーを浴びて目を覚ます。


40度のシャワーでは目が覚めない

48度に設定して目を覚まそうと試みる。


熱さに鳥肌も立つが、それにもすぐに慣れる。


食パンを口に突っ込み、いつも通りあまり美味しくもない

何某かのアニメで、食パンはコストぱほーマンス最高などと言っていたような気もするが、

どうだっただろうか



準備を整え、家を出る。




今日の勤務の初めは会議から、

ランチを含めて、とのことだったので、パンを買っていこう。



それでは会議開始

会議の内容は面白みもないので、割愛


会議の中で、実地チェックを行うことになったので、搭乗口側へ


新設された施設において設置された物品の確認と旅客動線の確認だ



旅客動線は指示に従って動けばよいと思うが、

それにしてもイレギュラー時の対応方法が非常に難しい



もし、イレギュラーになったら対応できるよう、

イメージトレーニングをしておかなければ…




会議が終わり、休憩か、と思っていたが、違ったようだ



出発便の応援に向かってほしいとのリクエスト


搭乗口と時刻を確認するが、オフィスから遠くない

焦らず準備を整え、搭乗口へ




車椅子を利用されるお客様や対応が必要なお客様がいるのかと思ったが、

何一つない。



あれ、と思いつつ搭乗口の係員に声を掛けてみると、

同期が搭乗口責任者をやるらしく、搭乗口にスタンバイする時間がぎりぎりになりそうだったので、

応援のリクエストが入ったようだ。



そうなればやることは少ない


搭乗口の係員をまとめて指示を出す。


搭乗口責任者に負担がかからないように指示と動きをするか


搭乗案内を始めて数分もすれば、搭乗口付近のお客様はすべて機内へ


最終案内になると、大捜索になる。



対象旅客がラウンジを利用されているお客様と

そうではないお客様がいらっしゃるようだ。



ここで問題はラウンジ利用の場合にはいつラウンジから退室なさるのか


そうではないお客様はどこにいらっしゃるのか、見当もつけられない場合が多い


搭乗口側で声を掛け始めるが、まだまだいらっしゃらない


やっとのことでいらっしゃった。


定時性も大切にしている航空業界

5分前にお客様が乗り降りするドアを閉めれば定刻に出られるとしているのだが、

今回は難しそうだ




続いて、人員調整担当から指示が回ってきた。



次の指示は乗り継ぎ案内と車椅子を利用されるお客様の対応だ



乗り継ぎ案内となるとなぜ遅れたのかが問題だ

今回の理由はいくつかあり、今回は判断をつけにくい



今回は前便の車椅子を利用されるお客様対応と今回の車椅子を利用されるお客様、

それと管制指示による遅れ

それに加えて清掃や搭載も時間がかかり、飛行時間も予定飛行時間を超えていた


結果として、遅れたわけだが、

遅れた原因として最も大きかった原因は管制指示による遅れであった。



乗り継ぎ案内については徒歩で案内するということであった。


しかしながら、それでも距離があり、時間もさほどあるわけでもない

乗り継ぎ責任者に徒歩での案内で乗り継げるのか…


電話で確認をしてみたものの、出発が遅れる可能性が高いので、

徒歩で搭乗口を案内するだけで問題ないとのこと



この便で対応に入るべき乗り継ぎ時間が不足している便は3便


その内、2便は国内線、1便は国際線


1便は私が対応するにしても、他の対応にまだ人数が必要だ


そして、もう一便の国内線は乗り継ぎできず、

次便へ案内すると判断が乗り継ぎ責任者より来た。


こうなると到着までに手続きを済ませておかないと厄介なことになる。


今回は次便がそこそこ時間が開いてしまう。


そうなってくるとよりトラブルになりそうだ


4名で乗り継ぎだったが、予約データを参照して座席を指定する


その上で、手荷物のあった旅客の振り替えに情報を入力し、

手荷物責任者に電話で情報の確認依頼を行う。


これで手続き終了




お客様が降機が始まるまで役割の確認と案内方法について打ち合わせ


機体が入ってきたら、チーフパーサーに引継ぎを行い乗り継ぎ旅客を呼び出してもらう


次々旅客が降りてくる


私の対応するのは3名


1人目は多頻度旅客のお客様

慣れていらっしゃるのか、待っていただき、あとの2名を待つ


次便出発の係員が気づいてくださり、多頻度旅客のお客様を先に案内していただく


続いて、残りの2名もまもなくいらっしゃり、搭乗口を案内して向かっていただく


これで私の乗り継ぎ対応旅客は対応終了




続いて、車椅子を利用されるお客様の対応だ


車椅子を利用されるお客様以外のお客様が降機され、

後は車椅子を利用されるお客様のみ


酸素を使ってらっしゃるお客様という情報はあったのがだ、

それ以上の情報は車椅子を利用なさるということのみ


歩くのもやっとという感じで、座席の背もたれを掴みながらいらっしゃる


車椅子に移っていただき、坂を背に降りていく


出発地からバスに乗ると伺っていたので、どちらまで帰られるのかを伺ってみると、

そのバスの出発まで18分しかない。


安全に留意しつつ、今回のお客様は幸いなことに受託していた手荷物はなかった


お連れ様がいらっしゃったので、お連れ様に先に進んでいただき、

バスのチケットを購入いただくよう、依頼


車椅子を利用されるお客様と共にお話をしつつ、お連れする


お話の中で、肺機能に問題を抱えているということで酸素を使用しているとのこと


それに伴って、運動機能に制限がかかっているということなのだろうと想像する


お連れ様にたどり着いて、何とか間に合った


バスも少し早めにリクエストすれば優先席を作れるのだが、

今回は時間がなかった


バス停に向かって、バス停の係員に優先案内をリクエストし、承諾いただく。




さて、終わりかな、と思っていたが、オフィスに戻ると報告書を書かねばならないそうで


乗り継ぎが出来なかった場合には報告書を起票するのだ

本来はその対応を行った係員が起票するが、今回はその対応を行った係員に時間がないとのこと


そんなに難しいことではないので、必要な情報を集めて、処理終了




やっと、休みだ

少し先輩な方々とお話ししつつ、楽しいひと時を過ごした




休みを終えたらすぐにまたしても乗り継ぎ旅客対応が入ってきた


今回はバスで案内する必要があるほど遅れているらしい


準備を整え、搭乗口に向かってストレッチしていると、もう一人係員が来た


特別旅客対応らしい


機内へアナウンスを依頼して、バスへの案内ルートを確保しつつ

呼び出しを続ける


今回の対象は2名なのだが、もう1名いらっしゃった


はて、この1名はどなただろうと思ったが、その次の便名が記載されている。


お客様には通常通り、お客様自身で向かってもらう様案内し、

対象をバスへ案内する。


必要情報を集めつつ、乗り継ぎ責任者へ情報を伝えようとするも、

情報交信が混雑しており、情報を伝えられないと判断


お客様と雑談をしつつ、搭乗口まで向かってもらい、

搭乗口に到着してみると、まだまだ搭乗が始まったばかり


お客様にはもう少し待ってもらうこととして、

搭乗口の係員に伝えて、対応終了




さて、帰ろうかと思っていると、搭乗中の便が2便


片方が先輩が、もう一方は同期が搭乗口責任者を行っていた。


同期の応援に入ることにして、スムーズに案内できるように声を掛けつつ、

搭乗者が全員入られたので、クローズする


その搭乗口を使用するのが最終だったこともあり、

片付けを行い、搭乗口を離れる。



次の対応に向かっていると搭乗を待っている便があり、

まだ時間があるので、手伝うことに



人数は十分にあったので、お客様がスムーズ搭乗できるように声掛けを行う


搭乗者が全員、改札を通過された


ドアを閉めようかと思うも、案内が遅れた結果、搭乗橋が混雑し、

まだまだお客様が滞留してしまっていた


その状況を搭乗口係員から全体に情報を共有する指示を出し、

準備を行う


やっと締められるというところで、チーフパーサーから待ったがかかってしまう


内容を聞いてみると、機内販売の商品管理用の機器に不具合があり、

交換の依頼をしているとのこと


出発時刻になったものの、まだまだ機器の交換に来ない…


無線で出発責任者からも状況確認の指示が来たが、

機器の交換の為、クローズできないと伝える。


機内販売の個数を客室乗務員が手作業で数えればいいということで、

扉をクローズすると判断し、対応終了




続いて、最後の対応


今日、この空港で最後に出発する便だ

この便は到着便が遅れた為、機内への案内が遅れる予定

ただし、今のところ遅延する情報はないらしい。


この便は必ずバスで飛行機まで案内し、出発する便

バスの手配を行わなければならない。


とりあえずすべての準備や手配は終わった。

今日のこの便での私の役割は正しいバスに、安全かつ迅速に誘導する事


しかし、その前に対応が必要なお客様がいらっしゃる。

お客様は翌日国際線に乗り継ぎがあるお客様


最終目的地は中国

お客様も中国籍

パスポート情報も問題ない


しかし、オンラインチェックインは出来ているものの、

入国書類に不備があるとして、情報がある。


搭乗口で確認をするしかない

搭乗案内も行わなければならないので、人員を要請


今回の搭乗口責任者も知識がある係員だったため、

応援に来た係員と協力して確認を実施する


しかし、いくら機内への案内が遅れているとはいえ

案内を始めないわけにもいかない


バスで飛行機を向かう搭乗口であったので、

事前に準備しておいたバスへ案内を始める。


飛行機もさほど大きくないので、バスも2台で済む

1台目にお客様を案内終えたところで、

飛行機の側にいる担当者よりバス出発の許可が下りた。


それでも、搭乗口責任者と国際線乗り継ぎ旅客の確認を行っている係員2名は

まだまだ対応が長引いている。


こうなるとさすがに搭乗が滞ってきた


幸い、搭乗口にいる係員全員は搭乗口責任者の資格がある

応援があればどのポジションであれ交代することが出来る


応援を要請して、来てくれた係員と共に、

案内を継続


すべてのお客様をバスにご案内を終了する事には

対応が必要なお客様の対応は終了

全ての渡航書類に不備があるわけでもなく、

翌日の乗り継ぎである為、乗り継ぎ時間などに不足があるわけでもない

当便には乗っていただくとして、対応終了


この便も遅れそうになりながらも、何とか対応を終了



今日も何とか1日が終わった。


1日として同じことがないのがこの仕事

最後までご覧いただきありがとうございます。


拙い文章だったと思いますが、

お楽しみいただけましたでしょうか?


1人称視点で淡々と描いてます。


ご感想等頂けると幸いです。

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