また金縛りだ。
いつもと同じ。目は動くが体は動かない。
ザーというホワイトノイズが聞こえる。
中学生のころから金縛りに合いやすく、最近はさらに頻繁になっていたので焦りはない。
こたつで寝たのがまずかったかな。
それで今の時間……は?
唯一動く目を使って時計を探したとき、部屋の異常に気づいた。
コタツのノートパソコンが光っている。
顔の横にあるスマホも画面が光っている。部屋の奥のテレビもだ。
そしてその全てが同じ画面だ。
妖精か?
羽根をはやして薄緑の服を着た女の子がメッセージボードを持っている。
右手でボードを持ち、左手はボードを指さしている。
ボードには数字が並んでいてその下には『電話してね』の文字とハートマーク。
パソコンも、スマホも、テレビも同じ画面。書かれている数字も同じ。
0120から始まるフリーダイヤルだ。
それぞれの画面を見回しているうちに視界が暗くなってきた。
金縛りが終わって、再び眠りに落ちる前触れだ。
俺は気を失う直前までパソコンの画面、電話番号を見ていた。
視界が真っ暗になるその瞬間、妖精がニコッと笑った気がした。
1月27日 文字を削ったりしました。内容に変更はありません。