ピアノ教室は詐欺
ピアノ教室のエッセイを読ませて頂いたので、書かせていただきたいと思います。
ピアノ教室は敵
なんですよ、私にとっては。
生徒の成績を上げたくなってしまう
という、塾経営者としては、致命的な欠点を持つ私にとっては。
ピアノ教室が才能のない生徒を騙して、生徒の
時間
と
軍資金
を持っていってしまうのは、邪魔でしかないんですよ。
ピアノ教室の仕事は、才能のない生徒を騙すこと
塾の経営者だから、もちろん、これは理解できます。
でもね、
長年、ピアノを一生懸命やって来たのは、詐欺を働くためですか?
とは、言いたくなります。
まあ、こんな感覚だから、塾経営者としては失格なんでしょうけど。
ピアノの専門家じゃあないのに、何故、
才能がない
と、断言できるか?って。
一発でわかりますよ。
別にピアノじゃなくても、バレエでも、テニスでも。
その生徒が、どんな風に教室に通っているか、聞くだけで。
ピアノでも、バレエでも、テニスでも、先生をやっている人は、長年、それをやり続けた人なんですよ。
はっきり言って、学習塾よりも、専門性が高いです。授業形式の塾なら、予習さえしてあれば、学力など全く要りません。塾の講師なんて、高校生に教えられない時点で、学力的には、問題外です。
私の記憶に残っている例では、
昔、新宿にあった、とある予備校でのこと
二十代のOLみたいな人が、浪人生の女の子に学習指導をしているところを聞いていたのですが、
そのOL、何て、指導したと思います?
同じ本は、二度読むな!
問題集も、一度解いたら、別のをやれ!
あれから、三十年以上経っているのですが、忘れられません。
実は、塾業界では、高学歴者は嫌われているんですよ。特に東大は。
低学力者をブラックに使う、これが成功する秘訣です。
勉強なんて、前もって準備すれば、誰でも出来るんですよ。
それに対して、ピアノは無理ですよ。私に、
ピアノを教えろ!
と言われても、
勘弁して下さい
と、謝るしかないです。
ピアノの先生になる人は、特にピアノに対して、偏った価値観を持っているんですよ。
私と同じように。
その価値観が偏っていればいるほど、優れたピアニストになります。
ピアノなんて何の価値もない
と、思っていれば、ピアノは上手になれないんです。
もちろん、私は、
ピアノなんて何の価値もない
と、思っていますよ。そんな考えだから、ピアノが弾けないんです。
私も小学校に上がる前から、ピアノの先生の元へ通わされました。五年以上通って、小学四年の時に、やっと、バイエルンだか、何か、一番基礎が一冊終わって、二冊目に入らずに、やっと、辞めさせてもらいました。
その当時は、軍国日本の名残が残っている時代でしたから、
男がピアノなんて、恥ずかしい
としか、思っていませんでした。
話はズレましたが、
生徒の成績を上げたくなる
という私の感覚と似たようなものを、ピアノの先生は、持っているハズです。
そう、生徒に才能があるか、どうか、態度に出てしまうのです。
そういう意味でも、東大出は、塾に向かないですね。
ある時、
絶対に合格しない生徒
が、塾に来たことがあります。
その人は、中学レベルなら、平均よりちょい上の、公立の普通高校の三年生です。
高校レベルなら、学力は、限りなくゼロに近いです。
何故、
絶対に合格しない
のか、というと、学力が足りないからではなく、
もう、おわかりですよね、
ピアノ
だからです。正確に言うと、地元の国立大学の教育学部の音楽を、ピアノで受けるのです。
高三の6月に部活が終わって、大学受験のためピアノ教室に入り、塾に来たのです。
どちらも週一回です。
この話を母親から聞いて、
こりゃ受からんわ
と、思いました。
高三の6月過ぎから始めて、
週一回
ピアノをナメ過ぎです。そんなのど素人でもわかります。
それで入れるなら、みんな受けますよ。国立大学なんですから。
ピアノ教室も週一回分の月謝が欲しいだけ。
合格は頭にないようです。
合格を考えたら、言うべきことは言わざるを得ません。
その後、母親からいろいろ聞いたのですが、合格要因がひとつも見つかりませんでした。
高校入試は、内申書と面接だけで、
フルートで合格した
と、言っていました。
だから、大学入試はピアノで行こうと。
他にも、剣道をやっていて、商業高校なら、剣道で入れたそうです。
普通高校に入っても、剣道部でした。市大会レベルで、県でさえ、通用しないようです。
高校生としては、問題外ですね。
最低でも、部活は音楽系で、毎日一生懸命練習していて欲しかったです。
全国大会に出て、何か賞を頂く、そのくらいは欲しいですね。
週一回しかピアノ教室に行かないのなら、
子供の頃から、志望大学の音楽の先生に習っていて
欲しいです。
絶対に受からない
のは、確定ですが、さて、塾として
どういう作戦でいくか
まあ、簡単なんですけどね。
センターで七割五分もとれば、地方の国立大学の教育学部なら、当時入れましたからね。
センターで七割五分って、ワンチャンスですよ。
センターで八割取れない時点で、高校では、落ちこぼれです。高校の授業についてこれない人です。
でも、
本番に弱い
って人もいますからね。
その逆で、
本番だけ調子が良い
人もいます。
運と要領だけで取れる点数ですよ、七割五分は。
その生徒も、フルートも剣道もこなすのだから、器用なんでしょうね。
見た目も雰囲気もホストそのものなので、要領さえ掴んでくれれば。
音楽の素人が、ピアノについて語っても、誰も相手にしてくれないでしょう。
でも、
センターでそこそこの点数さえ取ってくれれば、
「音楽を受けると、センターの点数が台なしになっちゃいますよ」
と言えば良いだけですから。




