表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/17

親と成績操作

 塾のテストの答案を見て、バツがなく、マルだけついていたら、その塾は、成績操作をしており、速攻でやめたほうが良い、読んでいただけたでしょうか。

 そういう塾は居心地が良く、人気もあるため、(そのために成績操作をしているのですから、当然なんですが)続けたければ、それでも良いのかもしれません。

 実害は、塾を信じた親が大恥をかくくらいです。

 ○○式というのが大規模展開しておりますが、その人気の秘密は、成績操作をしやすいシステムを考え出したことにあります。子供が伸びた、と、親に勘違いを起こさせるのに向いたシステムなのです。

 小学生の時に、○○式で良い成績を取っていた人が、中学生になるので、私の塾に入ってきました。

 塾の生徒のお母さんが、同僚を紹介してくれたのです。

 紹介者のお子さんは、地元のトップ校で十番くらいの優秀な人で、もちろん中学の時は学年で一番です。

 そうなると、親の見栄の張り合いになるのか、志望校は県外にある某有名私立大学附属高校だと、自信満々に何度も母親が言っていたのです。

 でも、定期テストの結果が返って来て。

 塾に答案を持って来た時、母親は下を向いてブルブル震えていました。よほど子供の点数が恥ずかしかったんでしょうね。よく、「なろう」で見る「生まれたての小鹿」を、オバさんが演じていました。

 しかも、持って来た答案も、比較的点数が良いものだけ。

 悪いのは、悲惨過ぎて、塾にも見せられないのです。

 ここで私は塾の禁句を言ってしまいました。

 「他の教科も、成績を上げないと」

 第二話で、

 「勉強しろ」

 と、塾は言ってはいけない。

 読んでいただけたでしょうか。これと同じ内容のことを、私は言ってしまったのです。

 効果は覿面で、次の日から子供は塾に来なくなりました。

 子供の方は、○○式が騙してくれたおかげで、勉強が嫌いでなく、塾も一回も休んだことがなく、宿題も進んでやる子でした。時間さえあれば、徐々に成績が上がって行くと思われます。非常に残念です。

 何故、塾が騙すのかというと、親というものを理解しているからです。「親馬鹿」というものを解っていないと、塾が潰れるからです。

 私は大失敗をやらかしました。

 「あなたのお子さんは天才ではない、という証拠は、一つもない」

 と、母親に向かって言ってしまったのです。高校二年生の母親です。

 あなたのお子さんは天才ではない

 という部分が大問題だったのです。子供が高二ですから、理性では、理解できる話だと思われますが、感情は別なのです。見る見る顔が青ざめていき、次の日から子供は塾に来なくなりました。

 こんな母親を相手にしているのですから、本当のことなど、絶対に言えません。成績操作をしてまでも、ご機嫌を取りたいのは、よくわかります。

 学校の先生が、合ってもいない答えにマルをつけるのも、同じ事情だと思われます。

 普通の市立ではない、教育熱心な父兄のお子さんが集まる中学で、よく見かけるからです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ