表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/17

成績の上げ方

 塾は生徒に勉強しろと言ってはいけない、読んでいただけたでしょうか。

 たとえ奇跡の合格を出しても、喜んでくれるのは本人と母親だけ、周りの人は違うのです。特に女の子は。 

 ある女子校では、推薦入学は極秘事項なんだそうです。合格者に対する周囲の態度が変わってしまうからです。イジメや嫌がらせを受ける場合もあります。大学に合格しても、受験生のふりを続けなければいけません。

 ある新任の先生が、ホームルームの時間に、

 「合格おめでとう」

 と、やってしまい、大顰蹙をかったそうです。

 ただし、この場合は、秘密をばらされた生徒は、友達から同情してもらえたそうです。

 学校の教師や塾の講師は、本心から、生徒の成績を上げたいのです。第一話を読んでいただいた方なら、もうおわかりかと思いますが、実は、ある方法を使えば、成績を上げるのは、超簡単なのです。不合格者を合格させられるのですから。

 職員室にもどる度に、テストの点数が変わっていた

 これです。

 私が初めてこの業界に入った時、その塾では、成績操作が行われていました。

 やり方はこうです。

 まずテストをします。

 答案にマルだけつけます。この時に、絶対にバツはつけてはいけません。

 それから配点を考えます。そう、つまり生徒の出来具合を見て、配点を決めるのです。もちろん成績を上げるためです。

でも、これだけだと、零点には対処できないですよね。その時のためにバツをつけないのです。不正解をマルにしてしまうわけです。

 算数の答案に、正解が80のところを、たまたま8と書いてあったことが、ありました。経営者の奥さんに報告すると、マルにせよ、と、指示が出たので、従いました。採点者が見間違えたことにしたのです。マルにするにも、なるべく自然なかたちにしたいのです。

 ちなみに、この塾は40年以上続いています。

 成績操作をしているのは、塾だけだと、お思いかもしれませんが、学校の先生も、やっています。

 何故わかるかというと、生徒が学校の定期テストの答案を、塾に持って来るからです。

 それを、私は、

 「ほう、これでマルなのか!」

 とか、

 「学校の先生も、苦労してんな」

 とか、思いながら見ています。

 全然違うことが書かれているのに、マルになっている答案を見て、生徒に真実を伝えるべきか迷ってしまいます。

 もし、できましたら、その辺について、御意見を伺えたら、うれしいです。

 本当のことを教えなければならない職業なのに、立場上、言えないことが多過ぎて、嘘ばかりついているのです。広告の修業として書き始めた文章なのですが、本当のことを伝えたいという気持ちが、強くなってしまいます。仕事じゃあ、できないですからね。

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ