表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
39/197

33 お邪魔します

今話もよろしくお願いします。

わんわんデーですから。実は2話目なんですよ、この投稿。わんわんデーですからね。

 冬から春へと季節が巡る。




 新年を迎えてからもそれまで通りに少し多めに科目を選択した。試験が近くなればレジー達の勉強を見るために、僕は学年1位を狙うために、皆で仲良く机に向かってガリガリ筆を走らせた。


 試験を一発で合格しなければならない科目と不合格でも追試やレポート等の救済措置のある科目の選別、過去問の研究、カンニングの打ち合わせ、有志による試験問題入手のための隠密活動……。それだけできるのに意地でも最低限度の勉強しかしないレジーとそれに倣うテッドとアルを見ていると、呆れを通り越して感心してしまう。


 さすがと言うべきか、それらの努力が功を奏してレジーは全て合格していた。テッドはいくつか追試や補習を受けてレポートも出していた。アルは……。悲惨、だったようだけど、進級はできるらしい。土下座の1つぐらいはしたのかもしれない。エドとポールは心配するまでもなく全て合格しているし、とにかく今年も全員一緒に3年生に進級できる。



 春休みに入る少し前に、ようやく研究所の修繕が終わった。


 新しい年度の開始に合わせて研究所も本格的に始動するらしく、ベレフ師匠達は一足早く研究所へと通っていた。僕も春休みに入ってすぐに研究室へと向かい、少し緊張して研究室の扉を開いてみれば、去年の夏と何一つ変わらない室内の様子に拍子抜けした。


 考えてみれば、研究所の外観の修繕はわりと早くに終えていたし、内観や蔵書、研究資料の修復に時間がかかったのかもしれない。ここの研究室は爆破の直撃は免れていたし、少し掃除をしたぐらいで元通り、というのもあり得る。


 それから寮に帰省願を出して、かなり久しぶりに研究室暮らしをした。去年度までずっと引きこもっていたベレフ師匠は、今年度はずっと各調査地を転々とすることになるらしい。年間スケジュールを恨めしそうに見る師匠から何度も愚痴を聞く破目になった。



 べレフ師匠達もブラン達も王都にいない、寂しい1年間になりそうだ。ただ、師匠達とは手紙のやりとりをする約束をしたし、ブラン達からも出発前にプレゼントをもらった。


 シルバーネックレスにターコイズのペンダントトップ。エドがこのターコイズの大きさや雫型にカットされているのを見て、絶対に高いぞ、と言った時は大事に仕舞っておこうかと思ったけど、結局肌身離さず身につけている。寂しい時や皆の無事を祈る時にはこのターコイズをぎゅっと握るのが癖になってしまった。




 図書館の研修室にいる。


 僕が勉強に力を入れるようになると、自然とエドとポールと行動を共にするようになった。3年になれば必修科目はほとんど無く、1,2年で不合格だった科目や卒業後の進路によって必要になる科目を選択することになる。レジー達はほとんど選択せずに毎日ギルドに通い、エド達はより専門的な科目だけでなく他の科目も選択することにしたようで、その際幅広く勉強している僕はいろいろと相談に乗った。


 いろいろと話をしていると、互いにどんな勉強をしてきたのか、どんな勉強をしたいのか、なんて話になる。さらには卒業後どうしたいのか、将来の夢は、なんて話にまでなる。そうして熱く語る互いを見れば、互いが勉強している内容に興味が湧いてしまう。


 その結果、互いがかつて選択していた科目を選択してみたり、分からない内容をより詳しい者に質問してみたり、一緒に勉強してみたり……。そして今日は、エドが商学に関する科目で課せられたマーケティングの実習に向けて打ち合わせをするというので、ポールと一緒にお邪魔させてもらうことにした。



 実習は5人グループで行うらしい。研修室で待っていると少しずつ他のメンバーが集まってきた。さすがエドと同じグループというべきか、真面目そうな男子ばかりだった。そのほとんどが僕に気づくと目を丸くして、本物のクリスさんだ、みたいな反応をした。どういうことだ。


 何故か僕に緊張するメンバー達にさん付けや敬語をやめてもらえるように丁寧に緊張を和らげているうちに全員が集まり、打ち合わせが始まる。僕とポールは端の席で邪魔しないように静かにその内容に耳を傾けていた。


 どうやらマーケティングというのはなかなか難しいようだ。ただ単に商品を売る、というだけではなく、今何が売れているのか、それをふまえて何を売るのか、原材料をどこから、どうやって仕入れ、商品を作り、保管し、宣伝し、売るのか、とかを考えるらしい。各自調べたり計算したものを順番に次から次へとプレゼンしてるけど……。


 エドは加工学も勉強しているからか、それとも僕のネックレスを見て何か思ったのか、オーダーメイドもしくはセルフハンドメイドのアクセサリーを扱いたいらしい。他のメンバーが飲食物なので少し浮いている。


 全員真面目だからか、各々自分のプレゼンに自信があるのだろう。自分の案を通そうと議論、というか揚げ足取りみたいになってる。エドは開始早々飲食物じゃないというだけで他メンバーから弾かれ、今は呆れたようにメンバー達の言い争いを眺めている。


 グダグダすぎる……。さすがにイラついてきた。確実に聞こえるように魔力を纏わせて、あの、と声を発する。全員がこちらを見る。ようやく研修室が静かになった。


「質問、いいかな」


 全員の動きが止まっていて、あれ、魔力の調整ミスったかな、と一瞬焦ってしまう。エドが頷いてくれなかったら全員に回復魔法をかけて回らないといけないところだった。


「皆、何がしたいの」


 全員の動きが止まった。あれ、質問ミスったかな。

ありがとうございました。次話もよろしくお願いします。

クロの魔法(3話)の真似です。あの、じゃなくてワン、って言えば威力ハンパないと思います。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ