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5/7

May

「二条くん。自分のチームのメンバー書いてくれる?」

「あぁ、分かったよ。」

ーー今年はバレーやるんだっけか。

ここ中曽根高校では、毎年5月に球技大会が行われる。そして、毎年競技の種類が変わる。去年はサッカーだった。


「はい、いいんちょ。」

「どうもー、というかその『いいんちょ』呼び、どうにかしてよ〜。もう委員長じゃないんだから。」

「そうだったな。」

いいんちょこと若宮美里は、1年のときからの付き合いだ。去年クラス委員をやっていたが、今年はもうやらないらしい。

「でもなぁ。もう僕の中では定着してしまったのですよ。接着剤で付けられて簡単には取れないのですよ。」

「なーにそれ。まぁ、いつかはちゃんと呼んでね!」

『いいんちょ』は笑いながら、上の方で1つに束ねた髪を揺らしながら他のとこへ行ってしまった。



「…これより平成28年度中曽根高校、球技大会を始めます。…」

開会の言葉を終え、学年別のトーナメント戦が始まる。



「今日は手加減しねえぞ!こってんぱんに倒してやるからな!」

「おーおー、堂々と負け宣言か?幸助。死亡フラグだぞ。」

「甘いな透くんっ!こっちとら野球部の幹部、葉ノ本鉄也様がいらっしゃるんだぞ!」

「ほとんど人任せじゃねーか!まあ、こっちにも爽太様がいるからな。」

「君も僕任せだよね。」

「いわれてやんのー。ぷぷぷー。」

うちの高校ではクラス対抗ではなく、完璧チーム対抗である。クラス人数も30人ほどと少ないため、クラスで男女それぞれAとBチームに分かれる。もっともクラス数は1から8組まであるので、1日かけてやることになる。

そして3回戦、僕たち2年6組Aチーム対Bチームの試合が始まった。



「あーあ、暇すぎ。」

「ほんとだよねー。」

「せっかく俺たちが王の座を譲ってあげたのに、お前ら次の試合で速攻負けちまうんだもんな。」

木の陰で涼む僕たち。まだ5月上旬だというのに蒸し暑い。この暑さは心理的な面もあるだろうが…。

「よし、女子のかんさっ…おっ応援にでもしに行くか!」

「そうだね。『応援』に行こうね。」

「ちょっと爽太さん、笑顔が怖いですよ?」

「女子勝ってるみたいだし、丁度いいんじゃないか?」

ーー鉄也ナイス!

「そうと決まれば、れっつれっつー!」



「あれ、どうしたの?透くん。」

「もしかして、もう負けちゃった?」

神城さんといいんちょだ。

「あぁ。4回戦完敗です…。」

「あっ!勘違いすんなよ!俺たちは3回戦で負けたからな。」

「そこドヤるとこ?勘違いもなにも、なんも思われてないと思うよ〜」

幸助が木村優花に打ちのめされてる。優花は根っからのスポーツマンだ。背は低いが、あの幸助を言い負かすような気の強い元気な少女で、ショートカットが似合っている。

「透くんたち、もしかして応援しに来てくれたの?」

「まーね。暇だし。」

「この後試合だから見ててね!」

「その為に来たんだからな。頑張れ!」


試合が始まった。

「透、いつの間に神城さんと仲良くなったんだ。」

「んー、ちょっと前かな。少し喋るようになっただけだよ。」

「へー。」

僕たちはまた、影の中でたわむれていた。だが、応援に行く前とは違って蒸し暑さは感じられなかった。それも、女子のゆれる…じゃなくて散る汗と笑顔のおかげであろう。

「いつもよりうなじがおおい。」

「何言い出すんだ幸助。」

「だってさ、いつもと違う髪型って萌えるじゃん?」

その言葉にモテない男共は一斉に頷く。もちろん、モテない男の中に爽太はいないのだが。

ーーそういえば、神城さんも1つに束ねてたな。いいんちょは…いつも通りか。



「ちょっと!大丈夫⁈」

1人の女子に相手チームの子までも集まってくる。

ーーなんだなんだ?


「結衣菜ちゃん!」

ざわめく。

「やべーんじゃね、あれ。」

ざわめく。


僕はとっさに駆け寄った。後から他の男子も駆け寄ってくる。


「ね、どうしよ…。」

「いいんちょ……僕に任せて。」



▽どうする?

【背負って保健室へ】→May √A へ

【横に抱いて保健室へ】→May √B へ

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