April √A
ーーここは爽太と仲を深めるチャンスだ。
「ねぇ、爽太は何部入ってるの?」
「あー、美術部。」
「へぇ、絵が得意なんだ。」
「少しかじってるだけだよ。美術というよりも、イラスト系。ほぼ、部活にはいってないけどね。」
「幽霊部員じゃんかー。」
ーーなんか嬉しいぞ。爽太がさっきよりも積極的に話しかけてくれてる!
と、黒板をぼーっと見ていた爽太の顔が僕の方へ。
「透は何部。」
「えっ、あ、テニス部!」
「んじゃー、さっきの子は。」
「あー幸助?あいつも同じテニス部。」
「君たちいつも一緒で仲いいよね。」
「ほんともう、こりごりだわー。」
「なにがこりごりだって?と、お、る!」
トイレから帰ってきた幸助がつかみかかってくる。からの、軽いつかみ合いになる。
「…ふふ。」
僕と幸助が振り返る。
初めて見せた笑顔。控えめな笑顔。
「…イケメンの笑い方だな、ありゃ。」
「…だな。」
「明日も弁当一緒に食べよーぜ!なっ!いいだろ!」
「い…」
「よっしゃ決定ー!爽太彼女いんの?」
「おまえ、それは唐突すぎんだろ。」
「それよりも、おれの返事を聞く前に決定したことに突っ込んでくれるー?」
「で、どうなんだよー!」
「いないよ。」
「仲間じゃねぇか。ーー」
こうして爽太を加えた僕たちは、一年間楽しく過ごした。
ーーー友情END「少し変わった日常」ーーー