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事故

書いてみました。

感想など、誤字がありましたら教えていただきたいです。


26世紀初頭。


一度、世界は数世紀単位で文化が後退することとなる。


その要因となったのが、赤い目を持つ、新たな生命として現れた、クリムゾン。


それは、新たなエネルギー資源として採掘された石によって引き起こされた。


そのエネルギーは地球を取り巻き、そのエネルギーを取りこむ力を得た生命体は、例外なく特殊な力を得、前の肉体とは比べ物にならないくらい強靭になることととなった。


それは、人間にも同じことが言えた。 空気中のエネルギー… 魔素を取り入れ、自分の体内で変換し武器として使用できるようになる人間が現れ始めた。

中には人間という本質そのものが変化した存在もおり、そんな存在は迫害の対象となった。 だが、一部の存在は人間と友好関係を結ぶことが出来たが、他の種族は、対クリムゾンの最終戦力として、手厚く保護された。


やがて、その魔素を利用した発電所が完成した。


そして、そこを中心とした街が荒廃した街を潰すように幾つも出来上がる、建設ラッシュの数年後、それが現代となる。



その裏で、ある組織が暗躍していた。


とある血を、人間に打ち込む。 それにより、身体と能力が結合し、さらに強くなるということらしい。


そんな効果を得た人間はおらず、その計画は途中で頓挫することとなった。






ーーーーーーーーー


勿論、神はいない。 いたとしても、人類などに見向きするものか。 供物など捧げても、人間を殺して得た方が多いに決まっている。


…まさに自分が殺されようとしているんだが。


「…冗談きついぜ」


兵士5人をも1匹で無傷の状態で瞬殺できる狼型。 それが今、目の前に5匹。 廃屋と化したビルに巣くっていたところを、丁度通ってしまって今に至る。 なんと運の悪いことだろうか… 冬夜は自分の不運を呪いながら、銃を強く握る。


パンッ。


魔力の弾を打つ。 それと同時に、クリムゾンが一斉に冬夜へと襲いかかる。

続けざまに発砲するも、後ろに飛び退いてその弾を回避する。

クリムゾンは特殊な能力を持っている。 この狼型の異常な能力は危機察知能力。 発砲音を聞いた瞬間に回避へと身体が反応している。


「チィっ!」


更に弾の速度を上げなければ、絶対に当たらない。 それを痛感するが、そんな弾を作るには時間が足りない。 今は牽制に魔力弾を打つだけしかできない。

勝てない。 それを強く痛感した冬夜は周りを見ながら頭をフル回転させていく。 それができるからこそ、冬夜の能力、並行意識。


逃げ道は… ビルを走れば、逃げられない。 人間の速度など、決して狼型には敵わない。


唯一考えられるのが、窓からの脱出だった。


腰に御守り代わりにつけている一つの閃光手榴弾の栓を外し、背後の窓へと一気に走る。


後ろで光が炸裂する。


ギャォォォオオオオオオ!


目の痛みからの叫び。 それを聞きながら、窓を銃弾で割る。


「男は… 度胸だ!」


そして、思いっきり飛び込んだ。


パリンと音を立てて、すぐに浮遊感と落下する感じが襲いかかる。 なんとか空中で体制を整え、かなり勢いのついた冬夜は地面に落ちる。


バキッという、嫌な音。 足が砕けたような痛みが襲いかかってくる。


「ぐぅっ!?」


だが、そのすぐ後にそれは気にならなくなる、いや、気にすることができなくなると言った方が正しい。


地面に着地すると同時に、バキッという音が響く、と同時に地面が落ちた。 足の砕けた冬夜は勿論なすすべもなく 、また数秒の浮遊体験を味わった。


「くそがぁ!」


頭から落ちて死ぬ。 死にたくない死にたくない死にたくない!


そして、頭が砕けることはなく、水飛沫がその空間に響いた。


………ここは?


目を開けると、赤と闇の世界。 この景色が記憶の知識と合致した瞬間、ヤバイ、すぐにでなければ… だが、足の砕けた人間になにができるというのだ。


ーーー赤の泉は、魔力の湧き出し溜まっている場所。 周りの草木は避けるように、ある一定の距離を置いて生えている。

それは、生命に対しての毒性ゆえ。 生命の魔力回路を破壊し、再生させてまた壊す。

その恐怖に向かう人間など、まずいない。 過去に落ちた人間は目から血を垂れ流して死んだという噂は聞いたことがあった。


そして、赤から黒へと沈み。地獄が始まった。


周りの魔力が自分の身体に反応し、身体が一瞬で治る。 だが、耐えられる量を一瞬で超えた。


「ぐぁぁぁぁぁっ!」


肉が裂け、目が抉られるような痛み。 それらを全身に受けるような痛みが襲いかかる。 だが、俺を決して殺してくれない。


魔力回路が無理矢理に拡げられ、身体が毒性で死ぬ前にそれを使用して再生させて行くからだ。




永遠とも感じる時間が経過する。


自分の痛みが引いたような気がした瞬間、

そのまま意識が赤色に染まって黒に沈んだ。

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