きみへ
きみは私が生まれて初めて
この手で抱いた子どもでした
従兄の第一子として
きみは堂々として
愛らしかった
ふんわりとした長い睫毛
ほっぺはふっくらして
柔らかなぬくもり
きみを抱きながら緊張していた私に
そのぬくもりで和らげてくれました
しあわせいっぱいに成長する
私はきみを見ると可能性が無限にあることの
凄さに、つい、羨んでしまった
今年で高校二年生なんですね
時が経つのは本当に早い
きみの後に三人の妹が生まれました
残念なのは三人の妹にはきみの記憶がないこと
きみがたった五年で世を去るなんてあの時、
誰も思わなかった
今でも信じられないです
まだこの手にきみのぬくもりがあるから
きみを羨んだ記憶が胸の奥にあるから