◆第7話◆疑い
「あれは間違いなくRED HOPEの部隊だぜ…」
襲撃され廃車寸前のトラックから顔を出し、双眼鏡を眺めていた久志が言った。
トラックでそこへ近づくとはっきりと見えた。彼らは確かにRED HOPEの者だ。よく見ると見覚えのあるドレッドヘアの青年がいる。ほっとした時だった…。
「動かずこっちの指示に従え!!」
4〜5人の訓練生に銃を突きつけられた。健太郎が指示を出していることから健太郎の小隊なのだろう。
「トラックのエンジンを止めて全員おとなしくしてろ!!」
言われた通りに智揮はトラックを止めた。
「こちらは負傷した兵が何名かいます!!そちらで治療できますか!?」
「随分偉そうな態度をとるようになったな見習い風情が…!!何故お前がその小隊を仕切ってる?」
「加藤中将から連絡があったはずです。自分は将軍から准尉の階級を貰い、この小隊を仕切れと命令を受けました」
俺はトラックから降りながらそう言った。
「なあ久志…。あのドレッドヘアの兄ちゃん創真の知り合いなのか?」
すると久志は首を傾げる。
「さあな。まあいい状況ではないことは確かだぜ」
「階級章を見せろ」
「階級章はまだ貰ってません」
「ふざけるな!!」
そう言い健太郎は上空へ銃を発砲する。俺らの小隊はそれを見て全員銃を構える。
「平生創真…。テメェは何者だ!!」
何者って…。どういう意味で言っているのか理解できない。
「加藤中将から聞いた。貴様はあの病院で半年近く気を失っていたそうだな…。そのお前が何故生きている!!PPGOLの真っ只中にいたお前が何故生き残った!?」
どうやら俺が病院で意識がないあの時からすでにPPGOLと何らかの関わりがあったと思われているのか。
要するに健太郎は俺を裏切り者だと言いたいのだろう。
「そのことについては自分も第三支部に来た当初からずっと考えていました。しかしどんなに考えても何故生きていたのか自分でも分かりません。ただ…自分は味方です!!」
「どうやって味方と信じろと?」
侮蔑とも受けとめられる笑みを浮かべ健太郎は言った。
すると斉藤班長もトラックを降りてきた。
「この破損しているトラックと我々の怪我が何よりの証拠です」
「そんなものいくらでも偽装できる!!」
健太郎は再び声を荒げる。
「おい健太郎!!その辺にしとけ!!」
いきなり声がした後ろを振り返る。
「「亮二!?」」
背後に現れたのは亮二率いる小隊だった。