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真っ白なページに綴る、僕の青春  作者: Minateru


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第三十四頁 ー 未だ知らぬ一面(二)

ざあざあ…

窓の外で、電灯がぱっと消えた

周囲の空間、どの窓ももう輝いていない

街灯の光だけが、虚しく空間に浮かんでいる

雨の下、道全体を覆い尽くして

部屋の中、黄色いランプの光がまだ残っている場所

本で溢れたテーブルの上

あの人、両耳にヘッドホンを付けて座っている

そして私、別の隅で

視線が本棚から離れられない

……

ぱたぱた…ぱたぱた…

埃がどこにでも漂っている

下の本、名前なんて一つもない

ただシンプルに、茶色の表紙の本

そして輪っか状に巻かれたテープ

「何これ?」唇が少し動いて、手で本をいろんな方向に回す

「どうして、こんなことを…?」

「ねえ、十神さん…」私はあの人に向き直って、本を少し下げた

「十神さん…

私、ちょっと…

…聞きたいことがあるの。」

「…」あの人、身体が少しも動かない

「結局…これって…」目を見開いて、手がテープの層をなぞる

「何をそんなに…

……………………………………………………………….

びりっ.

テープの層を、一枚ずつ手で剥がしていく

まだ糊の跡が表紙に残っている

付箋の角もいくつかあるけど、名前はない

「きっとあの人、気にしないよね?」古いテープをそっと置いて、身体をベッドの方へ進める

「どうせ棚の上にあるんだし。」

「それに…」唇が少し吊り上がって、目を細める

「誰も、あいつが何を隠してるかなんて知らないでしょ?」

……………

ぺらっ.

目の前、最初のページで

一枚の写真、白いビーチの真ん中

笑顔の男の子

手に大きな魚をしっかり握って

青い髪の女の子、少し顔をしかめて

視線は手に持った箱から離れない

箱の中に、じっとしているカブトムシ

「これって…」首を傾けて、手で写真をなぞる

「結局…何なのこれ…」

…………

ぺらっ.

次のページたち、まだあの男の子

広い公園、小さな庭の周り

家の角を曲がって、小さな自転車で

いつもそこに、青い髪の女の子

男の子の手をしっかり握って

いつも男の子の後ろを歩いて

「楽しそうに見えるな。」頭にそんな考えが浮かぶ

「こんな写真、なんで隠すんだろう?」

…………

ぺらっ.

最後の写真、緑の付箋の近く

妙に奇妙なシーン

男の子の顔、泥だらけ

体中に擦り傷がいっぱい

でも、口元には輝く笑顔

青い髪の女の子、男の子をぎゅっと抱きしめて

涙が二筋、男の子の服に染み込んで

顔をぴったり寄せて、離れたくないみたい

ページの下の方に小さな一行

「大きくなったら本当に強くなって、君を守りたい。」 – 十神 春

「大きくなったらずっと君のそばにいたい。」 – 田中 しのみ

……

「へ?」固まって、唇が少し笑って、あの人に視線をやる

「小さい頃からもうそんな感じだったのか…」

「あのチャラ男…」

……………………………………………………………………….

ぺらっ

緑の付箋の裏

今度は写真が教室の周りだけ

登校のシーン、男の子が男の人と並んで

小さな女の子の手を引いて教室へ

学校からの帰り、笑い合うシーン

三人で集まるパーティー

でも、妙に変だ

青い髪の女の子、もういない

写真は三人だけを回ってる

......

「この男の人と、あの小さな女の子…」天井を見上げて、二人の影が頭をよぎる

「間違ってないよね?」

「でも…」写真たちをぐるっと見回す

「なんか…足りない気がする…」

…………

ぺらっ.

そして、一枚の写真が出てくる

笑顔がぱっと消えて、男の子が目をこする

満点じゃないテスト

そして男の人、二人の子供をしっかり抱きしめて

「どうしてあの人にいるって気持ちが分かるんだろう…」下に小さなメモ

「もし僕が一度も…」

……

ぎゅっ…

「十神さん…」頭を回してあの人を見る、手で写真を強く握る

…………

ぺらっ.

黄色の付箋のところ、今度は中学校の門の前で立つ男の子

唇に笑み、鞄をしっかり握って

目がキラキラ、レンズから離れない

そして小さな女の子、手にしっかりくっついて

「え?」写真をぐるっと見て、顔を近づける

「なんで…学校の名前が見えないんだろう?」

…………

ぺらっ.

次のページたち、急に写真がおかしくなる

あの人だけ、顔はまだ笑ってる

でも写真がだんだん小さくなって

斜めになったり、角が欠けたり

半分欠けたり、下の隅に小さな欠片が

「何これ…変なの…」手が止まらずページをめくり、目を見開く

…………

すっ.

「あの…君…」あの人、椅子を少し引く

「さっきのこと…ごめん。」

「僕がちょっと…」

「君…」あの人、部屋中を探すように顔を回す

こつ…こつ…

「さっきは本当に失礼だった…」あの人、私に近づいてくる

「でも、本当にそんなつもりじゃなくて…」

「君…何してるの…」あの人、唇が少し動く

…………………………………………………..

ぺらっ…ぺらっ….

次のページたち、身体が止まったみたい

全部が、真っ白になる

写真、一枚も出てこない

ページの間に、紙の欠片がいっぱい

本の表紙にまだ挟まってる小さな破片

「…」唇が動かない、手がページをめくり続ける

……………………….

ぺらっ.

そして、最後の写真のところ

二列に並んだ笑顔の人たち

みんなカメラの方を見てる

あの人、そこから離れて

手を隠して、視線を逸らして

唇をぎゅっと噛んで

...

…......

ばんっ!

一枚の手が、真ん中に割り込んで

本を弾き飛ばして、遠くの壁へ

紙が舞って、本が止まる

「何…これ…」手が固まって、ゆっくり横を見る

……

はぁ…はぁ…

あの人、顔、あの目

全部歪んで、本に向かって

手が固まって、爪みたいに

身体、完全に構えて

「また…お前か…」あの人、唇が少し動く

「なんで…お前はそこにじっとしてないんだ…」

……

「十神さん…」唇が少し動く

「何だよ!」あの人、顔をしかめて、私の方を向く

ひっ…

「…」手で急に顔を覆って、視線を逸らす

がんっ!

「ごめん。」あの人、手を目に当てて、背を向ける

「ちょっと…興奮しすぎた…」

「僕が…片付けるよ…」

すっ…

「うん。」身体を縮めて、ベッドの隅に下がる

いつの間にか、目が閉じてる

………………………………………………………………………………………………………………

ジリリリリ…ジリリリリ…

部屋に音がなくなった中

私の携帯、急に画面が光る

5時ちょうど、画面にくっきり

ぼーっ…

身体がゆっくり起き上がって、手で目をこする

顔をぐるっと回して、もう片方の手で携帯を取る

髪、もう絡まりまくってる

「もう…こんなに明るい…のか…」周りを見回して、目を大きく開こうとする

「街灯…今日…色変わった?」

……

黄色い光がまだ残るテーブルのところ

あの人、顔をテーブルに伏せて

白い紙があちこちに散らばってる

「え?」身体が固まる

さわさわ…さわさわ…

「やばっ?!!!」周りを見て、手をあちこちの隙間に伸ばす

「私、寝ちゃったの?」

「あの人、したの? 私が寝てる間に…」

ふわっ…

「…」手が毛布に触れて、目が少し和らぐ

「もしかして…」目を見開いて、ゆっくり毛布をめくる

「何も…本当は…」

…………

すっ…すっ…

「あの人…結局何してるの?」一歩ずつ、そっと近づく

「ねえ…

十神さん!」

……

にやっ…

「じゃあ…」唇が吊り上がって、携帯を高く上げる

「起きないなら…

私が何かしても…文句言わないでよね…

世の中にそんな人なんていないんだから…」

手がぴたっと止まる

唇の笑みがぱっと消える

テーブルの紙の山の中に、一つの名前

小林 蓮

……

さらっ…さらっ…

携帯がゆっくり下がる

身体が近づく

手が白い紙にそっと触れる

「これって…」手が交互に紙をめくる

「まさか…あの人…」

………

紙の間に、無題のページが出てくる

生物のノートがいっぱい

下に、手書きの質問

私が口にした質問そのもの

「あの人、私の分まで準備してた…」眉が寄る

「頼んでもないのに…」

…………………………………

「やめて…」あの人、唇が少し動いて、手をぎゅっと握る

「僕…何したの…

なんで…

なんで…こうなっちゃうんだ…」

「…」視線があの人から離れない

ぎゅっ…

「聞いてくれ…」あの人、顔を歪めて、手を強く握る

「お前ら…まだ何が欲しいんだ…

なんで…なんで…」

ぽとっ…

「おねがい…もう繰り返さないから…」涙が頰に落ちる

「おねがい…僕、役に立つから…

お願い…置いていかないで…」

………

すっ…

指が、あの人の頰にそっと触れる

涙を拭って、髪を撫でる

「大丈夫だよ。」唇が少し動いて、顔を近づける

「もう緊張しなくていいよ。」

「誰も置いていかないよ。」

「みんなが置いていっても…」視線が白い紙へ

「いつも一人は…置いていかない人がいるよ…」

……………………….

あの人、顔が今、和らいで

強く握ってた手が、ゆっくり開く

かりかり…

手が、ゆっくり引く

白い紙の、名前を書く行に

ペンが動き続ける

身体を曲げて、テーブルに寄りかかる

……

パシャッ

私の携帯、今、一枚撮った

あの人じゃなくて…

寝てる春の写真

紙の山に散らばった名前たち

そして、隣に寄りかかって微笑む影

唇が笑って、視線が離れない

手に握った白い紙、大きく書かれた名前

水野 小春

「これから、私が手伝うね。」唇が春の耳元で囁く


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