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真っ白なページに綴る、僕の青春  作者: Minateru


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第ニ十四頁 ― 誰も悪くない

さあ…さあ…

光が部屋全体を照らし出す

窓のカーテンが風に揺れて舞い上がり

机の上に開かれたままのノートたちと一緒に

ぎし…ぎし…

机たちがゆっくりとずれ動く

背筋を伸ばした背中たち、手の動きが止まる

大きく見開かれた目が教壇の方へ向く

「すみません…」白川が手を高く挙げ、視線を八潮へ

「きっと何か誤解があるはずです。」

「十神さんがそんなことするわけないじゃないですか。」

「みんなをあんなに助けようとしてくれたのに。」

バン!

「そうですよ!」蓮が両手を机に叩きつけ、立ち上がる

「はるはそんな人間じゃないです!」

「俺たち、よく一緒に帰ったりしてるのに。」

「はるが試験問題盗むなんてありえない!」

パチ…パチ…

「じゃあお姉さんがみんなに一つ質問していい?」八潮が手を叩き、口元に笑みを浮かべ、目を細めて覗き込む

「みんな…本当にそれが確かだって言い切れるの?」

ぎしっ…

「もちろん確かです!」つめ子が立ち上がり、目を張りつめて

「はるくんはいつも俺たちのそばにいてくれた。」

「誰も強制してないのに、いつも全力で助けてくれた。」

「そんなこと言われただけで信じられるわけないだろ!」

こくこく…こくこく…

「…」みやきが何度も頷く

すっ…

「そう?」八潮が葉山先生に視線を移し、箱の方を指差す

「でもこの山はどう説明するの?」

…………

ピッ!

葉山先生がプロジェクターのケーブルをノートパソコンに繋ぐ

画面に画像が徐々に映し出される

教室中の視線が張りつめ、唇がわずかに開く

見慣れた背中が歩いていく

「学校の監視カメラによると…」葉山先生が画面に目を向ける

「昨日、全員が学校から帰った後…」

「何らかの理由で、十神はるは学校に残ることを決めた。」

……

カチカチ

写真が次々と映し出される

黒い服を着た集団の足音

学校の奥深くへ真っ直ぐ向かう

その真ん中に、はるが歩いている

……

カチッ!

「同じ日の続き…」葉山先生がマウスをクリック

「廊下のカメラにも、十神さんが黒い服で覆われた集団と一緒に帰っていく姿が映っていた。」

「ただし、注目すべきは、この集団が出口に向かってないこと…」

一枚の写真が目の前に現れる

「…」生徒たちの目が見開かれ、体が凍りつく

「この集団は、真っ直ぐ職員室に向かっていた。」葉山先生が目を細める

…………

こと…

「まだ終わりじゃないよ!」八潮が箱に手を置き、口元に笑みを浮かべて

「私たちも、はる本人と照合してみたの…」

「そしたら見つかった…」

……

ゴソゴソ…

段ボールの蓋が突然大きく開く

白い床に残る靴跡の写真

口の部分が横に引き裂かれた書類の束

奇妙なチョークの跡、異なる指紋

そして、一枚の白い紙に、手形が印刷されている

…..

ヒラッ…ヒラッ…

「ジャーン!」八潮が破れた封筒と紙を高く掲げる

「この封印された封筒に、十神さんの指紋がついてる。」

「しかも、ちょうど破られた位置に。」

「それに…」八潮が数枚の写真を取り出す

「比較してみたら…」

「十神さんの靴跡が、職員室の周りにもあったの。」

「天才じゃなくても分かるよね。」八潮が目を細めて笑い、手を頬に当てる

「ね?」

……………………………………………

「こんなに明らかなら、なんで俺たちを呼んだんだ?」褐色の肌の少女が八潮を指差す

「もう証拠は十分だろ?」

「犯人を処理すればいいだけじゃん。」

「No No No。」八潮が首を振り、目を徐々に閉じ、指を顔に沿わせる

「これだけじゃ、まだ有罪にするには足りないよ。」

「私たち、まだいくつか知りたいことがあるの。」

「例えば、はるがここにいるときの妙な行動…」

「遅く帰る、電話をかけ続ける、人を避ける…」

「それか…」八潮が目を少し開けて周りを見回す

「十神さんが知りすぎてる知識のこと。」

………………

ざわざわ…ざわざわ…

視線が周囲を向く

唇が軽く動き、頭が寄せ合う

復習プリントに視線がちらつく

部屋中に響く言葉

「そんなにできる人間なんているわけないじゃん。」

「ただ運が良かっただけだろ。」

「最初からなんか怪しいと思ってた。」

「やっぱり見た目じゃ分からないよね?」

……

ドン!ドン!

「みんな落ち着け。」葉山先生が机を連続で叩く

「結論を出す前に、これを聞いてくれ。」

コホン!

「今回の件で…」葉山が口元に手を当て、周りを見回す

「学校側は、試験問題がどの程度漏洩したか把握できていない。」

「だから予定通りに試験を続けるのは…」

「自分たちの力で努力した生徒たちに対して不公平だ。」

トン…

「だから。」葉山先生が机に手を置く

「学校は今回の考査を一時停止することを決めた。」

「そして事件に関与した者を徹底的に捕まえることに集中する。」

「そして積極的に協力してくれたクラスに対しては…」葉山が一回転して目を細める

「学校から表彰や称賛の形を用意する。」

「さらに、次の2回の能力評価テストを免除する特典も。」

……

がやがや…がやがや…

目が丸くなって互いを見合う

唇に笑みが浮かぶ

囁きが徐々に響き出す

「聞いたか?」

「マジで?」

「連続でやらなくていいんだ!」

「もらわない手はないだろ!」

……

すっ…

遠くから一本の手が上がる

黒く艶やかな髪、数本の赤い毛が目の前に

「先生!」赤い髪の少女が教壇に視線を向ける

「じゃあ他の人たちは…」

「どんな罰になるんですか?」

……

「Nice question!」八潮が少女の方を指差し、笑みを浮かべて

「ご褒美があるなら罰もなきゃつまらないよね!」

コツン!

「ちゃんとしなさい!」葉山先生が八潮の頭を叩く

「さっきの言葉、会長に知られたらどうする?」

「ごめんなさい先生!」八潮が首を激しく振り、手をばたつかせる

「なんでもいいからそれだけは!」

「分かったならちゃんと話しなさい!」葉山先生が少女に視線を戻す

……

「よし、よく聞いてね!」八潮が笑って頬に手を当てる

「今回の罪を犯した人たちは…」

「永久退学処分。やり直しの機会なし。」

「しかも学籍簿に記録が残る。」

「でも関係した人だけだよ!」八潮が深く屈んで部屋を見回す

「他の子たちは何もされないからね。」

…………………………

「それならもう考える必要ないじゃん!」褐色の肌の少女が目を伏せる

「明らかに十神とかいうのが犯人だろ。」

「最初の日からなんか怪しいと思ってた。」

「世の中に一年生で…」褐色の肌の少女が両手を横に広げ、首を振る

「全教科できるほど勉強できて…」

「しかもF組と同じ部屋にいるなんて?」

「考えるだけでおかしいよ!」

バン!!

「ふざけないでよ!」つめ子が両手を机に叩きつけ、顔を伏せる

「はるくんがそんなことするわけない!」

「彼は…彼は…」

「絶対にそんなことしない!」つめ子が顔を上げ、部屋を見回す

ギリッ…

「もし彼が…そんな人間だったら…」つめ子が手を強く握る

「だったら彼は…彼は…」

「私のみたいな奴に時間を無駄にする必要なんてない!」

「確かにそうだ。」ピンク髪の少女がつめ子を振り返る

「もし彼がただの試験問題泥棒だったら…」

「講義なんかできるわけない…」

「ましてや俺たちを助けるのを拒まないなんてありえない。」

……

ドン!!

「ふざけるなよ!」褐色の肌の少女が睨みつける

「お前ら何も分かってないくせに!」

「お前らは本当にあいつを理解してるのか?」

「いつも後ろについて回ってるのか?」

「お前らがあいつを良く思ってるみたいに…」褐色の肌の少女が周りを見回す

「あいつはお前らのこと本当に大事に思ってるのか?」

「お前らがあいつを大事にするように、あいつはお前らを大事にしてるのか?」

ビシッ…

「それに、あの証拠の山…」褐色の肌の少女が教壇を指差す

「お前らどうやって反論するつもりだ?」

……

すっ…

「それなら俺が答えるよ。」ピアスをした少年が手を上げる

「俺は別に頭良くないし…」少年が周りを見回す

「この十神ってのがどんな奴かも知らないけど…」

「でもあの写真たち、全部一方向からしか映ってないだろ?」

「床とか廊下なんて、学校中どこも似たようなもんだろ?」

……

がやがや…がやがや…

廊下中に響く音

教卓まで届く言葉

「それも一理あるな。」

「でも十神も無実っぽくはないぞ。」

「もう適当に決めちまえよ。」

「どうせ俺は試験なんかしたくないし。」

……………………………………………………………

ぱち…ぱち…

「ストップ!ストップ!」八潮が手を叩き、笑みを浮かべて

「そんな感じじゃ結論出せないよ!」

「じゃあこうしよう!」八潮が高く指を立てる

「十神さんが無実だと思う人は立って…」

「そう思わない人は座ったままで…」

「多数決で決めよう!」

……

「質問です!」赤い髪の少女が手を向ける

「少数派はどうなるんですか?」

…….

「ん…」八潮が目を閉じ、額に手を当てる

「たぶん…犯人と同じ運命になるんじゃない?」

「だからよく考えてね!」八潮が笑って両手を部屋に広げる

「さあ、決断して!」

……………………………….

静まり返った部屋の中で

視線が机に落ちる

誰も動かない体

ギッ…

椅子が一つ引かれる音

蓮の背中がゆっくり立ち上がる

ギギッ…ギギッ…

部屋中に音が響き始める

次々と立ち上がる影

つめ子、みやき、白川、朝霧…

そして他のいくつかの顔

ギギッ…

そして…

休学中の二人分の椅子が二つ

…….

「変だね?」八潮が二人を振り返る

「君たち、十神さんのこと知らないよね…」

「なんでまだ彼を支持するの?」

「自分が苦しむ代わりに他人に押し付けるの嫌いだから。」赤い髪の少女が腕を組む

「なんかこの件、気持ち悪いんだよね。」ピアスの少年が箱に視線を向ける

………

「ふむ…」八潮が周りを見回す

「じゃあ多数派は同じ結論ってことね?」

「まだ立ってる子たち…」八潮が残りの人たちに頭を向ける

「もう一度考え直さないの?」

「後がすごく重いよ!」

「…」視線が教壇に張りつめる

………………………………..

ぷっ!

「…」八潮が体を低くし、腹に手を当て、顔を机に伏せる

くいっ…くいっ…

「…」八潮の手が葉山先生の服を掴む

……

はぁ…

「…」葉山先生が首を振り、周りを見回す

「クラスがそう決めたなら…」葉山先生が体を起こす

「その通りに進めよう!」

「座ってる子たちは職員室へ…」葉山先生が前へ体を傾ける

「先生があと少し手続きを手伝ってほしい。」

「立ってる子たちは…」葉山先生が目を細める

「もう帰っていいよ。」

「君たちの友達は今頃終わってるはずだから。」

………………………………………………………………………………………………………………

カーテンで覆われた部屋の中

一筋の光も入らない

円になって座る影たち

んん…んん…

「今…一体…何時だ…」俺の目がぼんやり開き、頭を無理やり起こす

「俺…どこにいるんだ…」

もぞもぞ…もぞもぞ…

「何だこれ…?」俺が体を張り、目を凝らす

「なんで…動けない…」

「誰かいる?」俺が周りを見回す

「誰かいないか?」

「助けてくれ!」

………

パッ!

光が闇を吹き飛ばす

俺の顔が慌ててそむく

目の前に立つ一つの影

「ごめんね、後輩くん!」聞き覚えのある声が響く

「でも私たち、もう行き詰まっちゃったの。」

「どうするのが正しいかも分からない。」

「だから後輩…」少女が俺の顔に近づく

「教えてよ!」

「クラスの中で怪しい奴、誰か見た?」

「誰か…こそこそしてるような…もっと言うと…」

「泥棒みたいな奴。」

「え?」俺の目が見開かれ、頭がゆっくり戻る


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