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真っ白なページに綴る、僕の青春  作者: Minateru


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第二十三頁 ― 本当の試験

そよそよ…そよそよ…

朝の陽射しが窓の隙間から差し込み

カーテンが軽く揺れる

……

カチ…カチ…

廊下は今、人影一つない

席は青い背中で埋まり……

……

カリカリ…カリカリ…

手が止まらず動き

視線が白い紙のページを泳ぐ

………

コト…コト…

「この問題たち……」レンが机を指で叩き続ける

「ハル、何考えてんだよ?」

「簡単なのは簡単だけど、難しいやつはちょっと……」

……

ガリガリ…ガリガリ…

「ハルくん……」ツメコさんがペンを口に当てる

「この問題たち……なんでこんなの出されたんだろ……?」

「後半になるほど……全然わかんない……」

……

パラパラ…パラパラ…

「…………」ミヤキがノートを高く掲げ、首を傾げて周りを見回し、手が本をめくり続ける

……

かりかり…かりかり…

「この問題たち……」白川さんが頭をかく

「なんで後ろの方に例題書いてないんだ?」

「全然ハルらしくないよ。」

……

「忘れたんじゃね?」朝霧がノートを巻き上げる

「みんなのために時間割いて作ったんだろ。」

「途中で力尽きたとか?」

「ナツメもよくやるじゃん。」

……

「それはこれとは別だよ……」白川さんが顔を逸らす

「俺のミスと……ハルのミスは……」

……

パラッ…パラッ…

「それに……」白川さんがページを逆さにめくる

「見てみろよ、クロミ……」

「……ハルの前半部分……」

「必要ないところまで例題まで書いてくれてる。」

「後半で忘れたってのは……ちょっと……」

………

バン!

「もう無理!」レンが両手を机に叩きつけ、立ち上がって周りを見る

「こんな難しいの、自分だけで解けって無理だろ?」

「ハル、ちょっと助けてくれよ!」

……

ガタン!

「並べよ、小林さん!」ツメコさんがノートを強く机に置く

「私のこの問題こそ難しいんだから!」

「数学のやつなんて後回しでいいじゃん!」

……

「じゃあお前こそ自分の英語の問題自分でやれよ、山崎さん?」レンが目を細める

「ハルが出した問題、そんなに簡単じゃねえだろ?」

……

ガタッ…

「みんな。」白川さんが立ち上がり、二人の方を向いて手を前に出す

「今の問題が難しいのはわかる……」

「でも十神さんは俺たちのためを思って出してくれたんだ……」

「せめて一度くらい、自分たちだけで頑張ってみようぜ。」

……

「それに……」白川さんが紙の山を見る

「十神さんは公式も例題も丁寧に準備してくれた。」

「いつまでも彼に頼ってばかりじゃダメだろ?」

…….

「わかってるよ……」レンが顔を逸らす

「…………」ツメコさんが問題の山を見る

……

トン…トン…

「でもよ!」ツメコさんが本を高く掲げる

「ハルくんもひどいよ!」

「まだ序盤なのに、解き方わからない問題ばっか出してくるんだから。」

……

コンコン…コンコン…

「お前も投げてるじゃん、委員長!」レンが指を叩き続ける

「後半の問題、難しい上にヒントも例題もない。」

「どうやって解けってんだよ?」

……

「それは……」白川さんが後退し、顔を歪め、唇を動かす

「きっと忘れたか……自分で学ばせようとしたか……」

……

くいっ…

「ナツメ……」朝霧が白川さんの袖を引く

「みんなの言うこともわかるよ……」

「どうせ本番の試験じゃないんだし、そんなに心配しなくても。」

……

「それに……お前も聞きたいところあるだろ?」朝霧が目を細めて微笑む

「私もだけど。」

……

「副委員長まで言うなら!」レンが目を大きく見開く

「簡単な問題じゃないんだぞ!」

……

「そうだよ!」ツメコさんが拳を高く上げる

「委員長、ハルくんを独り占めする気?」

……

はぁ…

「わかったよ……」白川さんが肩を落とす

「好きにしろ。」

「ただ騒がなければいい。」

……

「でも……」白川さんがハルの席を見る

「いない人にどうやって聞くんだ?」

……

「変だな?」レンが首を傾げてハルの席を見る

「普段なら昼休み終わったらすぐ戻ってくるのに?」

……

「今日、武道場にも来てなかったよ。」ツメコさんが腕を組んで唇を動かす

「私、ずっとサンドバッグ殴ってたのに?」

……

コツ…コツ…

「アマミヤさん……」白川さんがミヤキのところへ進む

「普段ハルくんと一緒に昼食取ってるだろ……」

「その後、どこ行ったか知らない?」

……

「…………」ミヤキが頭を下げ、視線が固まり、唇が小さく動く

「今日……ハルくん……来なかった……」

……

「待てよ。」白川さんが顎に手を当てる

「そんなはずないだろ?」

「十神さんが誰かと約束破るなんてありえない。」

「いくら他の用事があっても……」

「いつも時間通りに来るはずだ。」

……

ピン!

「わかった!」レンが手を高く上げる

「もしかして朝の先輩と一緒にいるんじゃね?」

……

「ありえるな。」白川さんが頷く

「どうせあれが最後だったし。」

…………

「先輩?」ツメコさんが首を傾げ、目を丸くする

「…………」ミヤキがレンと白川さんをちらりと見る

……

「どの先輩? 誰?」ツメコさんの体が固まり、顔が徐々に歪む

「男? 女?」

……

「まあ、そうか。お前らあの時いなかったもんな。」レンが微笑んで目を細める

「昼休み始まってすぐ、ある姉ちゃんがハルを探しに来て……」

「何があったかわかんねえけど、すぐに連れてった。」

……

「んでなんか話してたよな……何だっけ……」レンが頭に手を当て、天井を見る

「今日、約束があるとか……」

「彼女とかデートとか、そんな話も出てた気が……」

「……」

……

「えええ……」ツメコさんのまつ毛が震え、肩が落ち、背中が曲がる

「彼女……デート……」

……

「じゃあ……ちょっと聞くけど……」ツメコさんが微笑んで目を閉じる

「その先輩って……誰?」

「お前ら……知らないの?」

……

「思い出してみるか……」レンが頭に手を当て、地面を見る

……

「もしかして3-Aのクラスかも。」白川さんがツメコさんに手を差し出す

「先輩の名札にそう書いてあった。」

…...............

タッタッタッ…

「そうか!」ツメコさんが出口に向かって駆け出す

「ちょっと行ってすぐ戻る!」

ガラガラッ…

教室のドアが開き、ツメコさんの足が止まる

生徒たちの影がゆっくり入ってくる

……

「みんな……」白川さんが生徒たちを見る

「今日も一緒に勉強する気になったのか?」

「早く席について! あとで何かあったら俺たちが……」

……

「誰がそんなもの欲しがるかよ!」肌の浅黒い女子が周りを見回す

「毎日毎日勉強勉強って……」

「お前ら、そんなの役に立つと思ってんの?」

……

「考えてみろよ!」女子が本を指す

「お前ら必死に勉強して……」

「でもその知識、どれだけ実生活で使える?」

……

「最初から勉強しなきゃよかったのに……」女子が黒板を見上げる

「無駄に頭突っ込んでるだけだよ。」

……

「見てみろよ、こいつら!」女子が生徒たちを指す

「大して勉強してないくせに……」

「同じクラスにいるんだぜ?」

……

「勉強なんて時間の無駄、金の無駄。」女子が高く首を上げる

「勉強してテストしてまた勉強……」

「そんなに頑張っても、結局バカって言われるだけだよ。」

……

「一番バカなのは……」女子が目を細めて紙の山を見る

「余計な世話焼きする奴ら。」

……

ぎゅっ…

「じゃあなんでここに来たの?」ツメコさんが拳を強く握る

「嫌なら家にいればいいじゃん?」

「葉山先生も言ってたでしょ?」

……

「はっ!」女子が顔を逸らし、ちらりと見る

「俺たちが来たくて来たみたいに言うなよ!」

「学校から呼び出し食らったから仕方なく来ただけだ。」

……………

ぽん…ぽん…

「ちょっと、姉ちゃんに聞くけど……」眼帯の女子が肌の浅黒い女子の肩を軽く触る

……

「何だよ?」女子が睨む

「通りたいなら通れよ!」

「誰も邪魔してねえよ!」

「また俺たちを勉強に引きずり込もうってか?」

……

「違うよ……」眼帯の女子が微笑んで体を後退させ、ドアを見る

「ただ……」

「誰かがすごくイライラしてるだけ……」

……

「お前ら、まだそこで突っ立ってんのか!」声が部屋中に響く

「来たなら席に座れよ……」

「ドアの前で邪魔して……」

「この山持つの疲れるんだよ?」

………………………………………………………………………………………………………………

コツ…コツ…

生徒たちが素早く席に戻る

見慣れた人影がゆっくり教壇に向かう

大きな紙の箱と高い紙の束を抱えて……

……

ドサッ!

「今日はみんな揃ってくれてありがとう!」葉山先生が箱を机に置く

「前もって言ったルールに反するけど、これは緊急事態で……」

……

「先生……」眼帯の女子が葉山先生に手を差し出す

「ここからは私が話します。」

……….

「みんな、こんにちは!」眼帯の女子が微笑んで頭を下げる

「自己紹介すると、私は生徒会の……」

「八潮凪。」

……

「今日は担任の先生と一緒に大事な話があるの。」八潮が箱に手を置き、微笑む

「聞いて、意見出してね!」

….

すぅ…

「二日前のチェックの結果……」八潮が周りを見回し、目を大きく見開く

「学校で封筒やコピーされたファイルがたくさん見つかって……」

「現場に変な痕跡がいっぱい残ってた……」

……

「それから生徒会で結論出したんだけど……」八潮が箱を見る

「誰か、もしくはグループが……」

「不正行為をした。」

「現場に残ったものから……」

……

「関係者全員を特定したよ……」八潮が教室全体を見る

「その中で、一人の容疑者が絞られて、今調査中……」

「だからみんなに、その生徒について知ってることを教えてほしいの。」

……

「どれどれ……」八潮が小さなノートをめくる

「この子じゃない……あの子でもない……」

「これだ。」

……

「十神ハル。」

……

「へ?」ツメコさんの目が大きく見開かれる


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