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真っ白なページに綴る、僕の青春  作者: Minateru


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18/18

第十八頁 ― すれ違うリズム

チュンチュン…

朝の陽射しが窓の隙間から差し込み……

枝に止まる鳥のさえずりが響き……

道を行き交う足音が賑やか……

……

夜の闇が徐々に後退し……

霧もすっかり晴れていく……

……

でも俺の両まぶたは、まだ開きたくない……

体もベッドから起き上がる気にならない……

……

ピピッ…ピピッ…

スマホの画面が突然光る……

部屋中に響く音……

……

ジリ…ジリ…

「何だよ……これ……」俺はベッドの上でゴロゴロ転がる

「俺……アラームなんて……セットしてないのに……」

……

ぼんやり目を開けて見上げる……

画面の真ん中に「レン」の名前が表示されている……

……

「もしもし……」俺は必死に目を開けようとする

「何だよ……こんな朝っぱらから……」

……

「アロッ?!」レンの声が飛び出す

「ハルか?」

「今どこにいるんだよ?」

「こんな時間になっても教室に来てないってどういうこと?」

……

ふぁぁ…

「当然……家にいるよ……」俺は大きくあくびをして目を閉じる

「今日は……学校行かなくていいって……」

……

「何言ってんだお前!!」スマホから怒鳴り声が響く

「みんなもう来てるって知ってるか?」

「アマミヤさんもヤマザキさんもお前を探してるぞ!」

……

むくり…

「でも……別に学校に来なくても……」俺は体を起こしてベッドから這い出る

「葉山先生が……そう言ってたじゃん……」

……

「お前どうかしちゃったか?!」スマホが震える

「学校に来ないでどうやってあの山ほどのプリント終わらせるんだよ!」

「他の場所でやるより学校に来た方が絶対効率いいだろ!」

……

「でも……」俺は立ち上がる

「俺もう全部終わらせたし……行く必要ないだろ……」

……

「じゃあ俺はどうなるんだよ!!!」スマホの音が部屋中に響く

「とにかく早く来い!」

「みんなお前待ってるんだから!」

……

「あ……うん……」俺の目が徐々に開き、制服の方を見る

………………………………………………………………………………………………………………

ざわざわ…ざわざわ…

道は人で溢れかえり……

車が交互に通り過ぎ……

列をなす人々がどこまでも続く……

……

とぼ…とぼ…とぼ…とぼ…

長い道をゆっくり歩き……

目を細めて周りを見回す……

……

「なんで……」俺は手を口に当てる

「今日は……なんで学校に来なきゃいけないんだよ……?」

「どうせ……待ち合わせできる場所はいくらでもあるのに……」

……

「それに……」俺は目を細めて校舎を見る

「今日……学校に来る奴なんているわけないだろ……」

………

どさっ!

足が突然止まる

目が大きく見開かれて校舎を見つめる

カバンが地面に落ちる

……

「何……これ……?」唇が小さく動く

……

わいわい…わいわい…

校庭いっぱいに広がる人影……

あちこちで視線が交差し……

木陰に小さなグループが集まり……

声が校庭中に広がる……

……

「先輩! この問題教えてください!」一人の女子が男子に駆け寄る

「ここもお願い!」他の女子たちが次々と

……

「みんな落ち着いて!」真ん中の男子が軽く手を上げる

「順番にみんなのところ行くから。」

……

「この問題解けた?」別の男子が友達グループに振り返る

「あれか? ニュートンの定理使ってみたら?」別の男子が頭を掻く

……

「みんなマジで暇だな!」一人の男子が立ち上がって笑いながらノートを差し出す

「これ見てみろよ!」

……

「これめっちゃ早いじゃん!」男子たちが目を大きく見開く

「どうやってやったんだ?」

……

「簡単だよ、ただ……」男子が顔を伏せてノートを指す

………

「すみません!」馴染みのある声が群衆の中から響く

「この問題手伝ってください!」

……

「…………」俺の視線が一つのグループに向く

……

がやがや…がやがや…

人々が押し合う中……

……

見慣れた二つの背中が目に入る

黒髪に眼鏡をかけた少女

隣に背の高い茶髪の男子

……

二人ともノートをしっかり握り……

群衆に向かって突き進む……

真ん中に立つ人に視線を集中させて……

……

「数問だけでいいんです!」茶髪の男子が手を伸ばす

「やり方教えてください!」

……

「えっと……」先輩が顔を逸らす

「いいよ……」

「でも順番待ってね。」

……

あの!

一人の女子が二人を押しのけて割り込む

……

「この問題お願いします!」女子がノートを差し出す

……

「これか?」先輩が首を傾げて微笑む

……

カリカリカリ…

「できたよ!」先輩がノートに書き続ける

「書いてある通りにやれば大丈夫だから!」

……

「ありがとうございます!」女子がすぐに群衆から離れる

……

「次は誰かな?」先輩が別の方向を見る

……

ざわああ…ざわああ…

「こっちですよ先輩!」群衆がさらに近づく

「私も質問が……」

……

「ちょっと待って……私たちも……」眼鏡の少女が割り込む

「ずっと待ってるんですよ!」

………

「F組は分をわきまえなよ!」群衆の中から声が飛ぶ

「下等な連中がよくもまあ」

「勉強したって無駄だろ、金の無駄」

「さっさと転校しろよ!」

……………

どんっ!

眼鏡の少女が群衆から弾き飛ばされる

目を大きく見開いて先輩を見る

手はまだ伸ばしたまま……

………

ぱさっ…ぱさっ…すっ…

ノートが空中を舞い……

生徒たちの間に落ちる

でも誰もノートを見上げず……

靴の跡が軽く踏み越えていく……

さっ…ぱたぱた…

俺の手がそっとノートを拾う

埃を払い落とし……

ページをめくりながら見つめる……

「待てよ……」手が止まる

「これらの問題って……」

「俺の記憶が正しければ……」

さらさら…

「たぶんこうだな……」手が軽く書き始める

……………

「大丈夫か?」茶髪の男子が少女を支える

……

「平気だよ。」眼鏡の少女が目を細めて男子を見る

「ちょっと……油断しただけ……」

「もう一回あそこ行って聞いてみようか?」眼鏡の少女が微笑む

……

「うん……」茶髪の男子が軽く頷いて群衆を見る

……

人々が先輩に向かって押し寄せる……

視線がちらりと二人に注がれる……

……

「それとも……」茶髪の男子が眼鏡の少女を見る

「ここでやめとこうか、クロミ?」

「先輩今めっちゃ忙しそうだし。」

ごそごそ…

「うん……」クロミが軽く頷いて周りを見回す

「じゃあ教室戻ろうか、斎藤。」

「え?」クロミの目が周りを回る

「どこ行った?」

「何が?」斎藤が首を傾げる

……

「私のノート……」クロミが目を丸くして斎藤を見る

「どこにもない……」

「さっきまで……持ってたのに……」クロミが自分の手を見る

「周り見てみろよ。」斎藤が体を伸ばして周囲を見る

「近くにあるかも。」

斎藤の目が大きく見開かれる

見慣れた一人の影を見つける……

手にノートを持って書き続けている……

………………………………………

たたたっ…たたたっ…

「すみません……」茶髪の男子が俺に向かって駆け寄る

「どうした?」俺は首を傾げる

……

「あのノート、友達のなんです。」茶髪の男子が目を細めて俺を見る

「返してもらえますか!」

……

「もちろん。」俺は微笑んでノートを差し出す

……

がしっ!

「…………」茶髪の男子が俺を睨み、素早くノートを奪う

……

「てっきりお前は違うと思ってた……」

「お前も他の奴らと同じか!」茶髪の男子が俺に近づく

……

「何の話だよ?」俺は後退して両手を前に出す

……

「とぼけんな!」茶髪の男子が強く手を振る

「最初から俺たちなんか眼中になかったんだろ!」

……

「俺……本当にわからない……」俺は目を細め、後ろに下がり、足が動かない

「お前……何を……」

……

「俺たちのノートまで……」茶髪の男子が唇を噛む

「お前の遊び道具みたいに扱ったのか?」

……

つん…つん…

「斎藤……ちょっと待って……」眼鏡の少女が茶髪の男子の袖を突く

……

「何だよ?」茶髪の男子が振り返る

「なんで止めるんだ?」

「あいつがお前のノート破ったんだぞ!」

「代わりのノートどこにあるんだよ?」

……

すっ…

「とりあえず見て……わかっちゃうから……」眼鏡の少女がノートを差し出す

…………

ぺら…ぺら…

二人の視線がノートに注がれる

目が大きく見開かれ、口が少し開く

手がゆっくりページをめくる……

「十神さん……」茶髪の男子が俺を見る

「これ……全部書いたの……?」

……

「うん……」俺は口を曲げて笑う

「勝手に書いてごめん……でもつい……」

「嫌だったら俺のノート使ってくれてもいいよ……」

……

「でも待てよ……」俺は首を傾げて茶髪の男子を見る

「俺……自己紹介したっけ?」

「なんで俺の名前知ってるんだ?」

……

はぁ…

「ちょっと酷いな、十神さん。」茶髪の男子が肩を落とし、目が柔らかくなる

「同じクラスにいるのに俺たちの顔覚えてないのかよ!」

……

「ごめん……」俺は軽く口を曲げる

「俺……顔覚えるの結構苦手で……」

くすくす…

「前に何度か質問したことあるのに……」眼鏡の少女が手を口に当てる

……

「ごめん……」俺の視線が周りを回る

………

「十神さん……」茶髪の男子が俺を見て軽く頭を下げる

「さっきの言葉、すみませんでした。」

……

「いいよ。」俺は軽く首を振る

「ちょっとした勘違いだよ!」

……

「十神さん……」眼鏡の少女が俺を見る

「一つ聞いていい?」

「今日どうして学校に来たの?」

……

「何人かに呼ばれて手伝いに来ただけだよ……」俺は軽く頭に手を当てる

……

「でもそれって……結構迷惑じゃない?」眼鏡の少女が首を傾げる

「自分のことも考えなきゃ。」

……

「大丈夫だよ。」俺は軽く首を振って微笑む

「俺もう全部終わってるし。」

「みんなを手伝うのも俺の復習になるから。」

……

「じゃあ……私たちも混ぜてもらってもいい?」眼鏡の少女が首を傾げる

……

「うん、別にいいよ。」俺は軽く頷く

………

とんっ!

「じゃあ何待ってんだ!」茶髪の男子が俺の肩に掴まる

「時間ないぞ!」

たたたっ…たたたっ…

木の葉が乱れ飛び……

埃が空に舞い……

俺の体が廊下を引っ張られていく……

「斎藤、ちょっと待って……」眼鏡の少女が手を伸ばす

「ほんと……いつもこうだよ……」眼鏡の少女の唇が小さく動く

……………………………………

人々が押し合う中……

声が乱れ響く……

……

ふふっ

一人の少女が軽く唇を曲げて笑う

視線がハルのグループに向けられる……

……

「今年も面白いのが何人かいるみたいね……」少女の唇が小さく動く

「でも……この男の子は今回も玉を保てるかしら?」


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