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真っ白なページに綴る、僕の青春  作者: Minateru


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第十七頁 ― 初の能力評価

朝の陽射しが廊下に差し込み……

生徒たちの影がそれぞれの教室に静かに収まる……

目を大きく見開いて黒板を見つめ……

両手を軽く握りしめる……

……

「皆さんもご存知の通りですが……」葉山先生の視線が教室をぐるりと回る

「来週から総合能力評価試験が始まります。」

「これから試験の全規定を説明します。」

……

………

教室は鉛筆の音一つしない静けさ……

背筋を伸ばした背中が黒板を仰ぎ……

白い紙が次々と広げられる……

……

バサッ…

「ここに書いてある通りですが……」葉山先生が紙を指す

「本校の試験制度は他校とほとんど変わりません……」

「これまで受けてきた試験と同様の要件です。」

……

「ただ念のため確認しますが……」葉山先生の視線が教室を回る

「まだ試験規定でわからないところがある人は?」

……

「…………」誰も黒板から目を離さない

……

コト…

「よろしい。」葉山先生が軽く机に手を置く

「では本題に入りましょう。」

……

「この総合能力評価試験は……」葉山先生が教室を見回す

「毎月一回、本校で実施されます……」

「他の試験と重なる場合のみ中止です……」

……

コン…コン…

「受験科目は自然系・社会系合わせて10科目……」

「体育は他校同様のチェックのみ……」

……

ざわ…

「…………」ツメコさんの肩が少し落ちる

「…………」レンの目が細くなる

……

「そして特技科目……」葉山先生が紙を見上げる

「音楽や美術など……」

「試験内容には含まれません。」

……

「…………」アマミヤさんの手が強く握られ、視線が下に落ちる

…………

パン…パン…

「さて最後の重要事項です……」葉山先生が両手を叩く

「試験開始一週間前から……」

「登校するか自宅で過ごすかは自由です……」

「全教師は授業を行いません……」

「代わりに数名の教師が交代で駐在します。」

……

すっ…

「先生!」一つの手がそっと上がる

「何か意見?」葉山先生が首を傾げる

……

スッ…

「授業がない場合……」茶髪の男子が立ち上がる

「どうやって復習すればいいんですか?」

……

「座ってください!」葉山先生が茶髪の男子に手を振る

「今からその話をします……」

……

「はい。」茶髪の男子が軽く頷く

………

すっ…

「ここに書いてある通りですが……」葉山先生が白い本を掲げる

「これが全生徒向けの復習資料です」

「全問題例と覚えるべき知識が網羅されています。」

……

「時間を取ってしっかり読んでください!」葉山先生が軽く口元を上げる

……

ぱらぱら…ぱらぱら…

分厚い本が机の上に置かれ……

ページが次々とめくられ……

目を細めていく生徒たち……

後ろの方のページをめくるほど……

……

ギ!

「何これー!」一人の女子が椅子から立ち上がる

「入学してまだ1ヶ月なのにこんな試験させるなんて!」

……

がしがし…がしがし…

「きっと何か間違いだよ……」一人の男子が顔を伏せて髪を掻きむしる

「数字も文字も、公式だらけで……」

……

「残酷…悪魔…現世の地獄……」小さな女子が呟く……

……

ギ…

「みんな、ちょっと静かに!」茶髪の男子が立ち上がる

「きっとこれだけの量に意味があるはずだよ!」

……

パン…パン…

「みんな資料は受け取ったね……」葉山先生が周りを見回す

「では黒板に注目!」

……

カリカリ…カリカリ…

白い文字が黒板に現れ……

チョークの粉が軽く舞う……

……

目を大きく見開いて黒板を見つめる生徒たち……

無意識に口が開き……

背中が後ろに倒れていく……

……

トン.

「はい。」葉山先生が軽くチョークを置く

「これが皆さんの試験日程です!」

「しっかり覚えて、試験日を絶対に外さないように。」

……

ドン!

「ふざけないでください!」一人の女子が立ち上がる

……

「何か問題?」葉山先生の視線が女子に向く

……

「そんなの無理ですよ!」女子が目を細めて葉山先生を見る

「一週間の中にぎゅっと詰まってて……」

「関係ない科目が連続で……」

「宿題も山ほどあるのに……」

……

ドン…

「私たちだって心配事たくさんあるんです!」女子が胸に強く手を当てる

「一生勉強だけなんてできないですよ!」

……

…コツ…コツ…

廊下に足音が響き……

人影が出口に向かって進む……

笑顔と小さな会話とともに……

……

「なんでそんな無駄な試験に時間使わなきゃいけないの!」群衆の中から声が上がる

……

はふ…

「やりたくないなら……」葉山先生が軽く椅子に座る

「ここにサインしてください。無理強いはしません。」

「やるかやらないかは完全に自由です。」

……

コン…

「規定に書いてある通り……」葉山先生が紙を軽く叩く

……

「サインが済んだら……」葉山先生が手を組んで顎を乗せる

「すぐに帰宅して構いません……」

「試験が終わったら教室に戻ってください。」

……

タッ…タッ…

人影が次々と並び……

手が交互にサインをし……

机の上に椅子が置かれていく……

……

「予想通りか……」葉山先生の唇が小さく動く

……

「まだここに残っている皆さんは……」葉山先生の視線が周りを回る

「全力で頑張ってください!」

……

ギィ……

教室のドアがゆっくり閉まる……

葉山先生の背中が徐々に消える……

………………………………………………………………………………………………………………

朝の陽射しが教室から徐々に離れ……

目を大きく見開いた視線が白い本に注がれる……

……

カリカリ…カリカリ…

手が止まることなく動き……

……

ざわ…ざわ…がやがや…

視線が教室中を回り……

手があちこちに伸び……

声が部屋中に響く……

……

スッ…

「化学の平衡誰かわかる?」イヤホンをつけた女子が周りを見る

……

「地図の読み方わかる人いる?」ピンク髪の女子が立ち上がる

……

ぽりぽり…ぽりぽり…

「社会論述ってどう書くのが正解なんだろ……」銀髪の男子が机に顔を伏せる

……

「公式合ってるのに何で間違えるの?」別の男子が頭を抱える

……

「数字が……踊って……変わって……線が……」小さな女子が首を振る

「これ……邪教……」

……

「物理の2番終わった?」メガネの女子が茶髪の男子を見る

……

「まだ1bすら終わってないよ!」茶髪の男子が首を振る

「運動エネルギーとか位置エネルギーとか意味わかんない!」

…………

ダダダッ…

「ハルくん……」ツメコさんが俺の席に駆け寄る

「助けて!」

「この英語の部分全然わからない!」

「知らない単語ばっかり!」

タタタッ…

「ハル様……」レンが俺のところに飛び込んでくる

「この公式の列どう処理すりゃいいんだよ!」

「何やっても正解出ない!」

……

「お前並べよ!」ツメコさんがレンの肩を押す

「私の方が先だよ!」

「まだまだ!」レンが顔をしかめてツメコさんを押し返す

「公式なんて一回聞けば済むだろ!」

「俺を先に行かせろ!」

……

きゅっ…きゅっ…

「ハルくん……助けて……」アマミヤさんが俺の袖を軽く引く

「この文……わからない……」

「長すぎて……覚えられない……」

……

「ちょっと、アマミヤさん!」レンとツメコさんが同時に指を差す

「お前も並べよ!」

「…………」アマミヤさんの目が軽く震える

「普段ハルくんの近くにいるくせに……」ツメコさんが腕を組む

「今日は順番待ちなさい!」

「そうだよ!」レンが軽く頷く

「お前の問題なんて覚えるだけだろ……」

「俺の方がよっぽど大事だ。」

「公式当てはめるだけじゃん、何が大げさなの!」ツメコさんがレンを睨む

「私は文章の意味すらわからないのに!」

「あの……」アマミヤさんが軽く手を挙げる

「でも私……たくさん覚えられなくて……」

……

ぐい…

「俺の方が大事!」レンがツメコさんを押す

ぐい…

「私のほうが大事!」ツメコさんがレンを押し返す

「あの……」アマミヤさんが軽く手を挙げる

「じゃあ私の……は……」

「口出すなよ!」レンとツメコさんが同時にアマミヤさんを見る

………

「ハル、お前言えよ。」レンが俺を見る

「俺の問題の方が大事だろ?」

「夢見てんじゃねーよ!」ツメコさんが俺に顔を近づける

「ハルくん、私のほうが大事だよね?」

「ハルくん?」アマミヤさんが首を傾げて俺を見る

……

サラサラ…サラサラ…

俺の手が止まらず動き……

視線は本にまっすぐ……

……

ゆさ…ゆさ…

「ハルくん!」アマミヤさんが俺を揺さぶる

「起きてよ!」

「え?」俺は頭を上げて周りを見る

「アマミヤさん?」

「どうした?」

つんつん…

「ハルくん……」ツメコさんが軽く俺の肩を突く

「何か用?」俺は首を傾げる

「さっきから気づいてなかったの?」ツメコさんが口を曲げて笑う

「ごめんみんな!」俺は頭に手を当てて軽く笑う

「集中しすぎて気づかなかった!」

「宿題ほんと難しいよな!」

……

ちょい…

「ハルさ……」レンが俺の本を軽く指す

「お前……ページ飛ばしてない?」

「もちろん飛ばしてないよ!」俺は軽く首を振る

「つまり……お前……」レンが後退して手を引く

……

「うん……」俺は軽く頷く

「……あと少しで……」

「全部終わる……」

ぱっ!

「机こっちに寄せて一緒にやろう!」ツメコさんが俺の口を塞ぐ

「ハルくん……怖い……怪物……」アマミヤさんが後退して目を細める


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