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真っ白なページに綴る、僕の青春  作者: Minateru


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第十六頁――問われずとも、揺るがず

ザワ……ザワ……ザワザワ……

白い道着を着た人々が教室いっぱいに広がっている……

一人ひとりが青いグローブを手に着け……

腰に巻かれたベルト……

……

バシッ……バシッ……

部屋全体を包む音……

拳が相手に向かって飛ぶ……

高い蹴りがグローブに向かって繰り出される……

……

あちこちから声が響く……

「蹴りもっと高く!」

「力足りてないよ!」

「もっと速く!」

「もう一回!」

……

ポタッ……

額を伝う汗の滴……

相手のグローブを大きく見開いた目で睨む……

……

「ハルくん……」ツメコさんが目を丸くして俺を見る

「どうしたの?」俺はツメコさんを見上げる

……

「本当に……大丈夫?」ツメコさんが視線を周囲に泳がせる

「昨日……私たち……もう試したのに……」

……

ポン!

「大丈夫だよ!」俺は胸に手を当ててツメコさんに微笑む

「昨日は昨日のこと。」

「今日はまた別の話だよ。」

……

「でも……」ツメコさんが軽く頭を下げ、視線を何度も泳がせる

「そんなことしたら……よくないよ……」

……

「ハルくんにとっても……私にとっても……」ツメコさんが小さく唇を動かす

……

ペシ!

「もう言っただろ!」俺はツメコさんの手を握る

「俺の心配なんてしなくていいんだよ!」

……

「でも……」ツメコさんが目を大きく見開いて俺を見て、肩を引く

……

「…………」俺は目を丸くしてツメコさんを見る

……

「わかったよ!」ツメコさんが目を閉じて、天井を見上げる

「やるだけやればいいんだろ!」

…………

ッ……

「先に言っておくね……」ツメコさんが両腕を構えて俺を見る

「何かあったらすぐに止めるから!」

……

「わかってるよ。」俺は軽く頷く

……

キュッ……

俺の両手がグローブを強く握る……

視線はツメコさんに向け……

両足を木の床に広げる……

……

ボフッ!

ツメコさんの両手が強く握られ……

まっすぐ俺に向けられた視線……

最初の蹴りが飛んでくる……

青いグローブにまっすぐ当たる……

……

ドンッ!

次の蹴りが反対側から飛んでくる……

俺の歯を強く噛み締める……

両手をかろうじて上げ……

……

ドンッ……ドンッ……

拳が次々と俺に向かって飛んでくる……

グローブが徐々に下がる……

体が縮こまる……

目を開ける勇気が出ない……

……

ズッ……ズッ……

足が徐々に後退する……

ゆっくりと後ろへ……

………

へなっ……

腕が床に軽く触れる……

額を伝う汗の滴……

体が徐々に低くなる……

……

はぁ……はぁ……

胸から漏れる息……

視線はまだツメコさんを必死に見上げる……

………

ひそひそ……ひそひそ……

練習室のあちこちから小さな声が響く……

視線が俺たちの方へちらちらと……

……

「あの子またやってるよ?」

「恥ずかしくないの? あんなにボロボロにしちゃって!」

……

「ほんと頑固な子だよね!」

「昨日あんな目に遭わせたのに今日もまだ無理やり……」

……

「あの男の子可哀想!」

……

「運が悪いよ、あんな子に絡まれて……」

……

ククッ……

「だからF組なんだって!」笑い声が響く

………

タタッ……

「ハルくん……」ツメコさんが俺に近づく

「大丈夫?」

「きつくない?」

……

はぁ……はぁ……

「俺……大丈夫……」俺は必死に頭を上げてツメコさんを見る

……

「やっぱり……」ツメコさんの目が軽く伏せられる

「もう無理しないで……ここで休んでて……」

……

「やっぱり……ダメか……」ツメコさんの唇が小さく動く

「ハルくんも……みんなと……同じだ……」

……

「来なきゃ……よかったのに……」ツメコさんの視線が周囲を回る

……

ゴンッ!

「何言ってんだよ……」俺は強く床を叩く

……

「俺は……ただ……」ツメコさんの視線が別の方向へ

「俺は……ハルくんが……」

……

ぐっ……

「まだ……終わってないだろ……」俺は体を起こして立ち上がる

「これっぽっちで……何だよ……」

……

「でも……ハルくん……」ツメコさんがまっすぐ俺を見る

「昨日……きついって言ったよね……」

……

ぬぐっ……

「俺も言っただろ……」俺は額の汗を拭う

「昨日は昨日……今日は今日だよ……」

……

「そういう問題じゃない!」ツメコさんが両手を強く振る

「わかんないの?」

……

「このまま続けたら……」ツメコさんの視線が周囲を回る

「……ハルくんまで……巻き込まれちゃうよ……」

……

コツン……

「どこ見てんだよ?」俺はツメコさんの額を軽く触る

「…………」ツメコさんの目が俺を強く見つめる

……

「練習相手は……ここにいるだろ……」俺は目を丸くしてツメコさんを見る

……

「それに……」俺はツメコさんに微笑む

「まだ……続けられるだろ……?」

……

にこっ……

「ハルくんが望んだんだからね……」ツメコさんの唇が小さく動いて、明るい笑みを浮かべる

……

ザッ!

「覚悟しなよ!」ツメコさんが強く床を踏む

「もう止まらないから!」

……

ギュッ……

「俺も……休む気なんてないよ!」俺はグローブを強く握ってツメコさんをまっすぐ見る

「全部持ってこい……全力で!」

……

ドン!バン!ガン!

練習室中に響く音……

汗の滴が空間に浮かぶ……

二人の視線は互いから離れない……

……

フッ……

あちこちから小さな声が漏れる……

……

「ほんと変な二人だね!」

「だから一緒にいられるんだよ!」

「やっぱりあの子に絡まれたら、まともな奴じゃないって……」

……

視線が徐々に離れていく……

練習する二人の姿から遠ざかる……

………

はぁ……はぁ……

二人の腕が徐々に下がる……

肩が少しずつ緩む……

視線はまだ互いを見上げようとする……

……

はぁ……はぁ……

「まだ……続ける気?」ツメコさんが目を細めて俺を見る

……

さっと……

「もちろん……」俺は軽く顎を拭う

「ツメコさんが休まないなら……俺も……」

……

「なんで……そんなに頑固なの……」ツメコさんが必死に両手を上げる

「これしたって……ハルくんに得なんてないよ……」

……

「俺はただ……」俺は小さく唇を動かしてツメコさんを見る

「ツメコさんが……一人でサンドバッグ殴るの……やめてほしいだけ……」

……

「ハルくん……それ……」ツメコさんの頰が軽く赤らむ

……

バタッ!

「放っておいてよ!」ツメコさんが手を床に叩きつける

「ハルくんに関係ないでしょ!」

……

「そんな……わけないだろ……」俺は必死に頭を上げてツメコさんを見る

「ツメコさんが……頼んだんだろ……」

「一人で練習して……勉強落ちて……どうするんだよ……」

……

「どうしたって……いいじゃん!」ツメコさんが顔を逸らす

「どうせ何も変わらないんだから!」

……

「…………」俺は目を細めてツメコさんを見る

「本当に……そう思う?」

………

「…………」ツメコさんの目が俺を丸く見つめる

「全部ハルくんのせいだからね!」ツメコさんの唇が小さく動く

……

スタッ……

ツメコさんの体が低く構える……

両手が曲がって構え……

視線がまっすぐ俺に向く……

……

「ハルくんが望んだんだからね!」ツメコさんが微笑む

「全部受け止めてみなよ!」

……

ギュッ!

「うん……」俺は両手を強く握る

「全部持ってこい!」

………………………………………………………………………………………………………………

「リーン♪」

校舎中にチャイムが響き渡る……

夕陽が空間全体を包み込む……

……

ワイワイ……ガヤガヤ……

人々が門の方へ向かう……

一人ひとりの顔に輝く笑顔……

小さな会話があちこちで……

……

「なあハル」レンが俺を振り返る

「どうした?」俺はレンを見る

……

「昨日もこの話したけどさ……」レンの視線が少しツメコさんの方へ

……

へへ……へへ……

ツメコさんの目が細められ……

唇が何度も笑みを浮かべ……

両手が軽く俺の肩に置かれる……

……

「結局何したんだよ?」レンが手を口に当てて俺の耳元に近づく

……

「何もしてないよ!」俺は軽く頰に手を当てる

「ただ練習相手してただけだよ……」

……

へへ……

「ハルくん……全部受け取ってね……私の攻撃を……」ツメコさんの唇が小さく動く

……

「俺は……」レンの視線がゆっくり逸れる

「理解……追いつかない……」レンの顔が少し青ざめる

……

きゅっ……

「ハルくん……」アマミヤさんが俺の袖を軽く引く

「どうしたの、アマミヤさん?」俺は振り返る

……

「怖いよ……いろんな意味で……」アマミヤさんの唇が小さく動く

………………………………………………………………………………………………………………

[翌朝]

行き交う人々の間を

陽射しが道の隅々を照らし始める……

……

ざわざわ……ざわざわ……

人々が集まり……

黒板に視線を集中させる

白い紙の間を視線が何度も往復する……

………

「これ……」俺は黒板を見上げる

「試験のスケジュール?」

「ちょっと早すぎない?」

……

ストン!

ツメコさんの手がぽとりと落ちる

目が大きく見開かれて黒板を見つめる

……

ぶるっ……

アマミヤさんが軽く目を泳がせ……

手が小さく震える……

……

「おい!」レンが軽く手を振って俺たちの方へ

「何だよみんなここに集まって」

……

「レン!」俺は振り返って軽く微笑む

「大したことじゃないよ!」

「ただ……」俺は軽く黒板を指す

……

ドサッ!

レンのカバンが床に落ちる……

唇の笑みが消える……

……

「マジか!!!」レンが空を仰ぐ

「もう来ちゃったのかよ!」

「この総合能力判定試験!!!」


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