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真っ白なページに綴る、僕の青春  作者: Minateru


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第十四頁 ― リズムがずれた

街灯はまだ消えていない……

家々がまだ眠っている中……

窓の隙間から小さな光が差し込んで……

……

シャカ……シャカ……

家の真ん中で浴室の灯りが明るく灯る……

歯ブラシが規則正しく歯の間を往く……

……

バシャッ!

顔に飛び散る水滴……

……

「よしっ!」赤い髪の下で笑顔が広がる

……

トン……トン……

出口の前に立つ少女の後ろ姿……

靴が木の床を軽く叩く……

……

「行ってきます!」ツメコが笑顔で振り返る

……

ガチャ!

灯りが次々と消えていく……

人の姿はもうここにない……

………………………………………………………………………………………………………………

テク……テク……

朝霧がまだ完全に晴れていない頃……

人影のない道の真ん中……

……

「今日は何をすればいいんだっけ?」ツメコが軽く手を額に当てる

……

「宿題はないし、クラス当番もない……」ツメコが小さく唇を動かす

「あと残ってるのは、そろそろ試合のことくらいかな?」

………………

ザワザワ……ザワザワ……

周囲に人影が徐々に出現し……

整った制服に身を包み……

小さな会話があちこちで……

……

「あ……」ツメコが群衆の中で静かに見つめる

「ハルくんがいる!」

………

コツ……コツ……

ハルが人の海の中を歩いていく……

手に小さなノートをしっかり持って……

視線は道を見上げることなく……

………

「何してるんだろう?」ツメコが目を大きく見開いてハルを見る

……

こそ……こそ……

「また驚かせてみようかな?」ツメコの唇が笑みを浮かべ、そっとハルに近づく

………

トン……トン……

もう一人の人影がハルに近づいてくる……

ふわふわした金髪とともに……

手にスケッチブックを持って……

……

「ハル、……何してるの?」ミヤキが首を傾げてハルを見る

……

「別に大したことじゃないよ……」ハルが微笑む

「この前の宿題の続きだけだよ」ハルの手がノートに沿って指す

……

「私も……見ていい……?」ミヤキがそっとハルを見る

……

スッ……

「もちろんいいよ!」ハルがノートをミヤキの方に向ける

………

トン……

足取りが突然止まる

ツメコの目が大きく見開かれる

……

サッ……

「…………」ツメコの手がそっと引かれる

………

タッ……タッ……タッ……

一つの後ろ姿がハルの方へ素早く駆けていく

……

コツン!

「朝っぱらから何やってんだよハル?」レンがハルの肩を叩く

……

「お前……」ハルが振り返り、

「……挨拶の仕方それしかないのか?」ハルが軽く叩かれたところに手を当てる

……

「ほら……」レンが腰に手を当てる

「俺のせいにするなよ!」

「誰が朝からイチャイチャシーンをばらまくんだよ?」レンがミヤキの方をちらりと見る

……

もじ……もじ……

「…………」ミヤキが顔を別の方向に向け、手を組む

……

「お前な……」ハルが目を細めてレンを見る

「少しは控えてくれよ!」

「俺とアマミヤさん、そんな関係じゃないからな!」

……

「知るかよ!」レンが手を頭の後ろで組み、顔をそらす

……

「でもよ……」レンの視線が少し逸れる

「場所くらい選んでくれよな!」

……

ポン!

「そうだよ!」ツメコが軽くハルの肩に触れる

……

「ツメコさん?!」ハルが軽く首を振り返る

……

「朝から勉強勉強ばっかり……」ツメコが腰に手を当てる

「頭の中って勉強のことしかないの?」

……

はは……

「…………」ハルが小さく笑う

……

スッ……

一つの手がそっとハルのノートを引く……

……

「ハルくん……」ミヤキが目を丸くしてノートを見て、軽く指を差す

「ここ……私、わからない……」

……

「そこか?」ハルがミヤキの指の方向を見て振り返る

「そこはただ……」

………..

むーっ……

ツメコの両頰が少し膨らむ……

………………………………………………………………………………………………………………

ギィッ……

再びチャイムが鳴り響く……

椅子に長く伸びた人影たち……

ぐるぐる回るような視線とともに……

……

バタバタ……バタバタ……

「ハルくん!」ツメコがまっすぐハルの席まで走ってくる

……

「どうしたの?」ハルが視線を向ける

……

とん……とん……とんとん……

「全然わかんない!」ツメコがノートに指を乱暴に差す

……

「名詞、動詞、形容詞、副詞……」ツメコの目が大きく見開かれる

「末尾を少し変えるだけで品詞が変わっちゃうってどういうこと?」

……

「それに“ing”を付けるやつも!」ツメコがノートをハルの顔に近づける

「行動を表すときは付けるのに、付けたら別の単語になっちゃうときもあるし……」

……

ポロッ!

ノートが突然床に落ちる

「わかんないよ……」ツメコが両手を頭に当てる

「ただの文字なのにどうしてこんなに難しいの!」

……

サッ!

「わかったよ……」ハルが軽く身を屈めて拾う

「とりあえず落ち着いて!」

……

グイッ!

「うん……」ツメコが手で目をこする

「教えて」

……

「簡単な覚え方でいいよ!」ハルが微笑む

「自分が実際にできる行動には“ing”を付けても大丈夫。」

「できないものに“ing”を付けると、行動じゃなくなるんだ。」

……

「へ?」ツメコが首を傾げる

……

「たとえばこうだよ!」ハルが空を指す

「“go”に“ing”を付けても意味は『行く』まま。」

「でも“wish”に“ing”を付けると、意味が『願う』から『祝福する』に変わる。」

……

「わかった?」ハルが微笑んで見る

「わかんない!」ツメコが目を丸くして見る

……

はぁ……

「自分が実際にできるものには“ing”を付けても意味は変わらないって覚えればいい。」ハルが頰に手を当てる

「走ったり跳んだりとか……」

「できないものには“ing”を付けると意味が変わる。」

……

くすっ……

「…………」ツメコが小さく微笑む

……

「ねえ……」ハルが目を細める

「ちゃんと聞いてる?」

「聞いてるよ!」ツメコが目を丸くしてハルを見る

……………………………………………………

ギィッ……

机に突っ伏す生徒たちの後ろ姿……

必死に目を開けようとする視線……

……

キュッ……キュッ……

黒板に文字が現れる

薄いチョークの粉が空気中を舞う……

……

コト!

「これが今日やる内容のすべてです!」センセイがチョークを置く

「では教科書を開いてください!」センセイの視線が周囲を見回す

「最初のページの化学方程式をすべて解いてください。」

……

「忘れずに……」センセイが黒板を振り返る

「価数をよく見て、方程式をバランスさせてください……」

「反応条件も忘れないように。」

………

がし……がし……

「何これ?」ツメコが頭をかく

「どうしてこんなに文字と数字ばっかりなの?」

……

「誰かできる人いないかな?」ツメコの視線が教室をぐるぐる回る

……

くしゃ……くしゃ……

顔をしかめる生徒たち……

絶えず視線をさまよう目……

そしてレン、頭を掻きむしる手を止めずに……

……

ぼーっと……

残りの生徒の机……

スマホの明かりが灯り……

ノートはまだカバンから出されていない……

………

ギー

教室に響く音

……

「…………」ツメコの目が大きく見開かれる

……

二人の人影、机を寄せ合う

二つの頭、教科書を覗き込むように近づき……

見慣れた少年の後ろ姿……

そしてすぐ横に、金色の髪……

………………………………………………………………………………………………………………

「リーン♪」

席から立ち上がる人影たち……

一部は口元に笑みを浮かべて……

一部は体を伸ばして……

……

ギィ……

そして一部は教室のドアに向かって……

……

「失礼します……」ドアの前に立つ人影

「ここはヤマザキ・ツメコさんのクラスでしょうか?」

……

「はい、私です!」ツメコが手を挙げる

「どうしたんですか?」

……

「大したことじゃないんですけど!」その女性が微笑む

「今日は練習はありません!」

「会長が風邪を引いちゃって!」

……

「はい……」ツメコが軽く頷く

「じゃあ私はこれで!」女性が手を振る

………

「さて……今から何しようかな……?」ツメコが小さく唇を動かす

……

ポン!

「そうだ!」ツメコが手を叩く

……

ゴソ……ゴソ……

「ハルを誘って一緒に昼ごはんにしよう!」ツメコが笑顔で弁当をカバンから取り出す

「ついでにいくつか聞きたいこともあるし!」

……

「ねえハ……」ツメコがハルの席を振り返る

「……ル……」

……

「さっきまでここにいたのに……?」ツメコが周囲を見回す

…………

テク……テク……

人影の少ない廊下を

……

「もう……」ツメコが歩きながら

「どこ行ったんだろう?」ツメコの視線が周囲を見回す

……

「あ!」ツメコが目を見開く

「ハルだ!」

「階段のところに来てたんだ!」

……

タッ……タッ……

「ねえハルくん!」ツメコがハルのところへ駆け寄る

「お昼一緒に……」

……

ピタッ……

「……食べない……?」ツメコが足を止める

……

ハルの横に現れた一つの後ろ姿……

金色の髪……

手にしっかりスケッチブックを抱え……

二人の視線、同じ一点を見つめて……

………………………………………………………………………………………………………………

[翌朝]

……

バン!

「ハルくん!」ツメコが机を叩き、顔を近づけてハルを見る

……

「ど、どうしたの……ツメコさん?」俺が体を引いて、顔を少ししかめる

……

「ちょっとお昼の時間、空いてる?」ツメコが目を大きく見開いて見る

……

「別に……予定があるわけじゃ……」俺が視線を逸らす

……

「じゃあ後で俺を貸して!」ツメコが顔を近づけてハルを見る

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