前へ目次 次へ 13/14 第12章 好きになる“つづき” 春。 新しい年度が始まり、キャンパスの桜がまた咲いた。 湊は図書館でノートを開き、ペンを動かしていた。 隣には理央。彼女も同じように何かを書いている。 「脚本?」 「うん。新しいやつ。“練習”の続き」 「俺、また出るの?」 「うん。でも今度は、“自分役”で」 湊は笑った。 「それ、一番難しいやつじゃん」 「だからこそ、やってみたいの。 練習じゃなくて、本番として」 窓の外、花びらが舞う。 二人の手が偶然触れる。 もう、どちらも引っ込めなかった。