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第11章 それでも、言葉にしよう
冬が来た。
湊は少しずつ、自分の気持ちを言葉にする練習を始めていた。
“見てるだけ”では届かないことがあると、ようやく分かったからだ。
理央に、初めて真正面から言った。
「俺、お前のことが好きだった。今も、たぶんそうだと思う」
沈黙が落ちた。
でも、その沈黙はもう怖くなかった。
理央はゆっくりと息を吸い込んで、言った。
「私も、秋月くんが好きだった。
でも、“好きだった”ままで終わらせたくない」
言葉が凍るような夜だった。
それでも、二人の間だけは確かにあたたかかった。




