4話
すみません。風邪を引いてしまい、2日ほど更新できませんでした。
「ココが、2年の棟かぁ…」
私は、廊下を見回し呟く。
小奇麗にしてある廊下に、習字が、壁に貼り付けてある。
1年は、元々、校舎は綺麗だけど、掃除をしない人たちが多いから、廊下の隅にほこりが溜まってる感じ。
私は、2年2組を探す。
2年2組…。これを調べるのには、大変だった。
お姉ちゃんから、聞き出すのには、手間がかかりすぎた。
教えるかわりに1000円ね♪とか言われてしまった。
そんで、しょうがなく1000円を渡してしまったのだ。
1000円あったら、カラオケいけるじゃん!他にも、ジュース、お菓子買えるし…。
ぐあぁぁ。今思ったらもったいない。
でも会いたいんだ。
…。京助先輩に。
私は、2組を見つけ、走り出す。
2年生は、私にチラチラと視線を向けていたが、私は気にしなかった。
すると、後ろから、バッと腕を掴まれる。
私は、イカつい顔で振り向くと、そこにはお姉ちゃんがいた。
「もうっ!今、会いに行くとこだったのに…」
お姉ちゃんは、驚いた顔で
「何行ってるの!?ココは2年の棟!ちょっとは警戒したらどう?締められるわよ」
私は、ハハッと笑い
「んな、漫画みたいなこと…」
私は、今、ある事に気づいた。
2年生の女子は、私を嫌な顔をしながら睨みつけ、男子は、私をニヤニヤして変態的な目で見ているのだ。
びくっ…
私は、鳥肌が立った。
ちょっと、目立ちすぎた?
ていうか、女子、皆ギャルっぽいし、怖い。
お姉ちゃんは、まだ茶髪で清楚なほうだけど、金髪の人も、いっぱいいる。
うあー!逃げ出したいよ~でも先輩に会いたいし!!
すると、後ろから、ボス的な女子が、コチらに近づいてくる。
すると、その女子は、お姉ちゃんの肩を持ち、
「由美。この1年どうしたの?」
大人っぽい声だ。
私は、まさにこの人がボスだと悟った。
でも、お姉ちゃんに対して、怒ってない?お姉ちゃんと仲良いのかな。
「うちの妹なの。ごめんね?勝手に入ってきて」
お姉ちゃんは、申し訳なさそうな顔をする。
ボスはニコっと笑って、
「由美の妹なら、別にいいわ。んで、この子は、なんて名前?」
別にいい!?私はその言葉に驚いた。
お姉ちゃんってそんなに信頼されてるの?
私はお姉ちゃんに深く感謝する。もう少しで締められるとこだった。
お姉ちゃんは、ありがとうと言って、
「雪菜よ。雪菜、この人は、美佳っていうの。」
「そう。雪菜ね」
すると、美佳さんは、手をバッと上げた。
すると、後ろ、前、横から、ガタガタという足音が聞こえた。
そして、お姉ちゃんと私の前に並んだ。
そして、美佳さんは、大きな声で、
「この人は、由美の妹。雪菜よ。みんな、メルアドと挨拶をして」
すごい、人数だ。ほとんどの2年女子が並んでいる。50人程度だ。
私は、この光景が夢のように思えた。
すると、1人1人、私に深々と礼をして、メルアドの書いてある紙を渡す。
お姉ちゃんは微笑みながら、ありがとうと言う。
私は、何も言わずにただボーッとして紙をもらう。
ていうかお姉ちゃん、本当に何者!?
私は、10分程度で、紙を全てもらい、お姉ちゃんに、1年の棟にもう、戻りなさいって言われて戻った。
私は、教室につき、椅子に座りただボーッとする。
もうすぐでチャイムが鳴る時間にも関わらず、昴が、私に近づいてくる。
「何、ボーッとしてんの?いとしのアナタに会えた?」
私は、昴の声も耳に入らず、ボーッとする。
すると、昴が口と鼻を塞ぐ。
すると、息が苦しくなり始める。
私は、意識が戻り、ハッとする。すると、私の口と鼻が塞がれ息が出来ていないことに気づく。
「んがっ!!」
私は、昴の手をバッとどける。
「く、くるしかったぁ…」
私は、息を荒くする。
「まったくよ、何ボーッとしてんのか聞いてるのに無視しやがって」
「え?ごめん。聞こえてなかった」
昴は、ハァと溜息をつき、
「で?会えたの?」
「え?」
私は、一瞬、何のことから分からなかった。が、思い出す。
「あぁぁぁぁああ!!忘れてた!!先輩に会うはずだった!!」
「はぁ?」
昴は、不思議そうな顔で、呟く。
「あぁぁぁぁぁ。昼休み行くしかないかぁ…。」
「ふーん。」
すると、チャイムが鳴る。
皆、一斉に席につき、昴も席につく。
私は、4時間、ずっとボーッとしたまま過ごした。
食事の時間になり、手を洗いに行く。
手を水でササッと洗いハンカチのあるポケットに手を突っ込む。
すると、紙が、ドサッと入っていた。
「忘れてた…」
これ、全部携帯に入れないといけないと思うと、吐き気がする。
「めんど…」
私は、紙を、違うポケットに入れ替えて、購買に行く。
私はまた、あの、秘密の場所でまったりストロベリーパンを食べる。
そして、ふと思う。
昨日、あんな話聞いてしまったのに、昴と普通に喋れた…。
しかも、昴も普通にしてたし。
あの事を思い出すと頬が真っ赤に染まった気がする。
なぜ、昴は、私の事を好きなくせに、普通でいられるのだろう。
きっと、私なら無理だ。
いや、もしかすると、昴も意識しながら話しているのかも。
そう考えると昴が可愛く思えてくる。
私は思わず、笑ってしまう。
「あはっっ。昴がねー…ふふふ」
幼馴染の、好きな人を知れたのは、少し嬉しいかもしれない。
それが、私ってのは複雑だけど。
私、昴のこと全然、知らないんだなぁ。と思う。
なぜか、『昴』についてもっと知りたくなる。
そんな事を考えながら、食べていると、後ろから、声がした。
「あれ?雪菜?」
私はその声を聞いてビクッとする。私はすぐ誰かが分かった。そっと後ろを向くと、
そこには、私の好きな人『宮田京助』がいた。
京助先輩とは、中学時代にあった。私は中3で先輩は高1だった。
お姉ちゃんが家に時々連れてきていた。連れて来てくれる度、少し話したのだ。
まあ、お姉ちゃんは、いつも、色んな人を連れてきてたから色んな人と会ったけど、唯一印象に残ったのが、先輩だった。あの笑顔が、しぐさが、言葉が、好きに思えてたまらなかった。そして、先輩をずっと思い続けた。
「せ、先輩っっ」
私は、後ずさりする。そして顔が真っ赤になっていくのが分かる。
「もしかして、ココでいつも昼食べてるの?」
京助先輩は微笑み、言う。
私は、ドキッとして、鼓動が早くなる。
私はなかなか、声が出ず、やっと勇気を出して、声が出た。
「ひゃい!!」
か、噛んだー!!!!
さらに顔が真っ赤になり、ストロベリーパンが、地面に落ちる。
「あ、パン!」
「あ、す、すみませっ」
先輩は、サッとストロベリーパンを取り、砂がついた部分をちぎる。
「これで、食べれるでしょ」
「あ、ありがとうございます…」
私は、先輩の顔を見れずに、下に俯く。
「俺も、ココで食べて良い?」
先輩と一緒にご飯!?
嬉しすぎる。私は、コクンと頷く。
先輩はフッて笑って、横に座る。
かすかに触れる腕が、とても熱く感じた。
時間が止まっているように思えた。
沈黙が続き、先輩と私は黙々とパンを食べる。
すると、先輩が、口を開く。
「今日の朝休み2年の棟に来てたでしょ?」
「え、あ、はい」
私は、照れながら答える。
「すごいよね。君のお姉さん。あの美貌で、もう、女子の中心だよ」
「え?中心?」
「あれ、知らないの?由美さん、女子のボスなんだよ。いつも率いてるね」
「えぇぇ!?お姉ちゃんが!?」
私は、思わず、手が止まる。
京助は驚いた顔をしてから、ニコッと笑う。
「君のお姉さんはすごいと思うよ。」
私は、少し、お姉ちゃんが、憎く思えた。
京助さん、褒めすぎだよ。
「あの…先輩も、お姉ちゃんの事、綺麗って思うんですか?」
「うん、思うよ。男子からもモテモテだよね」
私は、バッと先輩の方に体を向けて、
「あのっ!!もしかして、先輩、お姉ちゃんの事好きなんですか…?」
京助は、驚いて、
「えっ!?」
と声を出す。
私は、泣きそうになってしまう。
こんな顔を見せないために、私は、下に俯く。
すると、風が、雪菜の髪を揺らし、静けさを現そうとする。
先輩は、沈黙をやぶいて、
「俺は、他に好きな人がいるよ。由美さんじゃないけどね」
その言葉に、私は、顔を上げる。
お姉ちゃんじゃないって事が分かっても、やっぱり辛い。誰なんだろう…。
「好きな人って誰ですか…?」
私は、先輩の目を見つめながら、言う。
すると、先輩は、目を逸らして、顔を赤らめる。
「ごめっ。そんな見られたら恥ずかしい」
私はバッと、後ろに下がる。
「す、すみません」
私は、しまったぁー!!と心の中で叫ぶ。
「そのうち、分かると思うよ」
そういい残して、先輩は去っていった。
ちょっと、顔を赤らめたところが可愛かったかも。
このヒミツの場所に感謝をする。