13話
「雪ちゃぁん!京助から、電話よー」
お姉ちゃんが、私の部屋に向かって、叫び、家の廊下に鳴り響く。
私は、慌てて、階段を降り、リビングに向かう。
そして、受話器を受け取り、耳にあて、
「もしもしー雪菜です」
『おー雪菜。夜遅くにごめんな』
「大丈夫だよー。で、どうしたの?」
京助は、ゴホンッと咳払いをして、
『あのさー…明日、土曜日に、どっか2人で行かね?』
「ふ、2人で!?」
『とーぜん。だめか?』
「い、いいけど…」
『おっしゃ!じゃー、どこ行く?』
「うーん…京助が決めて」
『そうだな…ちょぃと金使って、映画でも観に行く?』
「え、映画!?いいの!?今、見たいのあったの!あ、でも、恋愛系なんだけど…」
『全然いいよ』
「やったぁ。じゃあ、明日、12時に、駅で」
『おーけー』
「じゃあ、おやすみ」
『おやすみ♪』
会話を終え、私は、受話器を、置いた。
嬉しい!初めての、京助とのデート…。
でも、付き合ってないし…いちゃいちゃできないけど、嬉しいな…。
昴には、申し訳ないけど…ね。
私は、緊張とともに就寝した。
「お姉ちゃん~~~!」
私は、朝っぱらから、大声で、叫んだ。
そして、お姉ちゃんが、私の部屋に入る。
私は、即座に、お姉ちゃんにしがみつく。
「何よー」
「お願い!!かわいいワンピース貸してぇ」
「えぇ?ワンピース?」
「うんうん」
「ふーん…なるほど。勝負服か…。よし!お姉ちゃんに任せなさい!!」
由美は、雪菜を連れて、由美の部屋にいれさせ、服を着替えさせる。
「まずわねー。甘い系のワンピース!んー、コレがいいわね。」
「あ、あたしに似合う?」
「すっごい似合うわよ♪」
「そして、かっこいい系のライダージャケット!」
「ほぉ…。」
「もー超似合う!!」
「そお?」
「うんうん♪で、締めに、黒のニーハイソよ♪」
「ほぉ…。」
「いいねぇ♪これで、京助の心はバッチシよ」
「う、うん」
「頑張って!!」
「うん!」
私は、階段を駆け降り、ブーツを急いで履く。
ちょっと、気合いれすぎたかも…。
私は、そう思いながらも、家を出た。