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強大な魔法使いに勝つ戦略

良かったら、読んでいって下さい。


アニメ好きの為の小説、"アニメ好き限定!掟破りのモテ戦略"が完結して、掲載しています。


"あなたは世界で一番強いヒーローになりたいですか?(注)ただし、アホになりますが・・・"


が、同時連載しています。今までとは違うヒーローを読みたい方にオススメです。


良かったら、他の作品もよろしくお願いします。




私は、その嫌な知らせを、昼過ぎに街中で聞いた。


「エリール様、隣国メラーンが再び、攻めて来ました。今から、国の要人を集めて、軍議との事。至急、王城の会議の間へお越し下さい!」


兵士が息切れをしながら、私に伝える。私は、うつむき、しばらく考えた後、足を城に進める。


召喚の儀式を行ってから、何の策も無く、今を迎えてしまった。あれから考えても、私には他のアイデアが、何も浮かばなかった。


自分の無能さを痛感する。皆に、本当に申し訳ないという気持ちで、いっぱいだ。私は重い足取りで、城に向かう。


「どうしたでござる?元気がないでござるよ」

途中の街路で、虎兵衛が私に気付き、話し掛ける。


私は、押し潰されそうな感情を抑え切れず、虎兵衛に思ってる事をぶちまけてしまう。




「なるほど、エリール殿は、どうしたら良いのか分からなくなって、悩んでおったのでござるな」

「ごめんなさい。色々、聞いてもらって・・・。私は国のみんなを救いたいのに、何も思い付かなくて。ホントに悔しい・・・・」


「一人で何でも、背負い込み過ぎでござるよ。エリール殿は、責任感が強過ぎるでござる。ま、そこが良い所でもあるのでござるがな」


私は、人通りが少ない路地裏で、虎兵衛に話を聞いてもらった。誰かにこの気持ちを、分かってもらいたかった。虎兵衛に思ってる事を、全部話すと気持ちが少し楽になった。


「拙者、この国の為に戦うでござる。ここには、友が大勢出来た。エリール殿の辛そうな顔を見るのも、嫌でござる。任せるでござるよ」


虎兵衛は笑顔で、私に向かって言った。だが、私はうつむいて、考えてしまう。私は、虎兵衛にそれを望んでいない・・・・。


何故なら、もし虎兵衛が戦いに参加すれば、敵の魔法使いに殺される。私は、そう思ったからだ。


確かに、虎兵衛は強いかもしれない。でも、相手は何度も言う様に、魔法使いなのである。私には、虎兵衛が勝つビジョンが浮かんで来なかったのだ。


「あ、いけない!会議の間に行かないと・・・」

私は、呼び出されていた事を、すっかり忘れていた。


「拙者も行っても、よろしいでござるか?どんな話をしているか、聞いてみたいでござる」


虎兵衛が、軍議に興味を示すのは、正直意外だった。でも、私も虎兵衛の意見を聞いてみたかったので、一緒に会議の間へ来てもらう事にした。





会議の間に、虎兵衛と一緒に行ってみると、軍議はほぼ、終わりかけている様な、そんな雰囲気だった。


室内には、王族や貴族が派手な格好で、大きなテーブルを囲む様に座っている。端の席には、騎士団長のギッガの顔も見える。


「では、奴等を迎え撃つのは、籠城作戦という方向で、よろしいかな?」

カラフルな衣装を纏った貴族達が、笑顔でうなずいている。


「お父様、遅れてスミマセン」

私と虎兵衛は空いている席に着き、テーブルの中心の席にいる国王に挨拶をする。


騎士団長ギッガは席を立ち、遅れて来た私達の為に、議論した内容を説明し出す。


「敵国メラーンを討つに辺り、籠城にて迎え撃つか、野戦をこちらから仕掛けるか、という話をしておりました。我が国の方が、兵士も少なく、かなり分が悪いので、籠城にて敵を討つという案に、まとまり掛けておったのです」


私はうなずきながら、ギッガの話を聞き、思考を整理する。私は、横の虎兵衛を見る。アゴに手を当て、考えているみたいだ。


私は、作戦の事がよく分からないのかなと思い、詳しく説明をする。


「虎兵衛、籠城というのは、城や街に立てこもって、敵を待ち伏せする戦法よ。野戦というのはその逆。表に出て、戦う事を言うのよ。分かった?」


虎兵衛はなおも、同じ姿勢で無言で考えている。

「この策を考えたのは、誰でござるか?」

虎兵衛は席を立ち、辺りを見回す。


「私達だが、異国のバカ侍には、理解出来なかったのかな?この素晴らしい作戦が・・・」


カラフルな衣装の貴族達が、自信満々な顔をし、虎安衛を嘲笑している。


「こんな戦った事もないド素人で、ビビりのアンポンタンに、何故大事な作戦を任せるでござるか?こんなの愚策でござる」


「な・・・」

場の雰囲気が一気に凍り付く。


「拙者が、敵国の魔法使いに勝つ戦略を、示してやるでござる」

虎兵衛は、アゴに手を当て、不敵な笑みで場を支配した。










読んで頂き、ありがとうございました。

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