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王女の私は、好きな人と結婚出来ない

良かったら、読んでいって下さい。


アニメ好きなら、共感してくれるかも、という小説、"アニメ好き限定!掟破りのモテ戦略"が完結して、掲載しています。


第一作目の

"あなたは世界で一番強いヒーローになりたいですか?(注)ただし、アホになりますが・・・"

も、同時連載しています。


アホで最強のヒーローの恋愛やら、友情をテーマにした作品です。


良かったら、他の作品も、よろしくお願いします。





その日は朝から、何か揉め事が起こりそうな、そんな予感に満ちていた。


「城や街を異国人がウロウロするな!目障りだ!」

我が国の騎士団の長、ギッガは、私と虎兵衛が一緒にいる所を見て、叫んだ。


「ギッガ、そんな言い方は良くない。お止めなさい」

私は、ギッガに注意する。ギッガは少しムッとした表情で、虎兵衛を睨み、私の方を向く。


「申し訳ありません、エリール様。この者が、少し調子に乗っていたので、つい。先を急ぎますので、失礼します」


と言って、ギッガは立ち去って行く。


「今の者、何者でござるか?嫌な感じでござる」

虎兵衛も少しムッとして、私に聞いてくる。


「この国の騎士団長、ギッガよ。ちなみに、この国で剣を持たせたら、一番強いわ」


私は、去って行く騎士団長をちらっと見て、虎兵衛に説明する。虎兵衛は、フーンと言って、まだ不機嫌そうな表情をしている。



最近、虎兵衛は私の手伝いをよくしてくれる。無理やり、ここへ召喚された身とはいえ、食事と寝る所を提供してくれる私に、恩義を感じてるようだ。


今朝も、私は虎兵衛に、重い荷物を運ぶのを手伝ってもらう。しばらく、戦争の準備をし、お昼近くに一緒に歩いていると、城にある中庭に差し掛かる。私はそこで、ちょっと休憩しようかと提案する。


「エリール殿は何をしている時が、一番楽しいでござるか?」

中庭のちょうどいい岩で、二人で座っていると、虎兵衛が、急に私に質問してくる。


「え、何だろ?お花を見たり、街の人達と話してる時かな?虎兵衛は何が楽しいの?・・・って聞かなくても、分かるわ。どうせ、エロい事するのが、楽しい事なんでしょ?」


「うむ。拙者、それに命を懸けておるでござる」

私は呆れて、冷たい視線を虎兵衛に送る。


「男とデートするのは、楽しくないでござるか?」

虎兵衛は私の方を見て、また聞いてくる。


私も、どういう意図で聞いてくるのか、よく分からないので虎兵衛をじっと見る。


「さぁ、あんまりした事ないから、よく分からないわ」

「そうでござるか。王女は忙しい。だから、あまりしないのでござるな。では、好きな男のタイプはどんな感じでござるか?」

「え・・・・」


私は初めて、そんな質問をされたから、少し驚く。

「優しくて、誠実な人かな?エロい人は嫌いよ」


私は、ちょっと意地悪に答える。


「なるほど、それは残念でござる」

虎兵衛は淡々と答える。全然、残念がって、いないようだ。私は、少しは面白いリアクションをしろと思ってしまう。


「でも、私は好きな人とは結婚出来ないから」

「どういう事でござるか?」


「私には、実は婚約者がいたの。相手は隣国のソバキヤの王子。いわゆる政略結婚の予定だったのね。同盟の為の。でも、破談になったの」


「どうしてで、ござるか?」


「知っての通り、別の隣国メラーンに攻められて、今、この国は危険な状態だから。だから、ソバキヤの国に援軍を要請をしたのよ。そしたら、援軍を断られ、婚約も破棄されたの。ソバキヤの王子は、強い魔法使いのいる国の王女と婚約したらしいわ」


「なるほど、戦国の世では、よくある話でござるな」


「だから、私は好きな人と結婚出来ない。王女なんて、政治の道具に過ぎないわ。どうせ、ろくでもない、何処かの王族か、貴族の人間と結婚させられるのよ」


私はうつむき、考える。私にとって、幸せって何だろうと・・・・。


「では、王女の地位を捨てて、自由になれば良いのではござらぬか?」

虎兵衛は私の方を見て、笑顔で言ってくる。


この男は本当に何も考えずに、ズバズバと言ってくる。私は、かなり頭にきて、怒鳴る。


「そんな無責任な事、出来る訳ないでしょ!何も分からない癖に、偉そうに言わないでよ!」

「確かに、そうでござるな。すまないでござる」


謝るくらいなら、言うなと、私はいら立つ。虎兵衛も、さすがに申し訳なさそうな顔をしている。


あ、でもと私はある事を思い出す。


「実は、王族の結婚に関して、例外が一つだけあるの」

「ほぅ、例外とは、何でござるか?」


虎兵衛が私に質問したその時、後ろから騎士団長ギッガが怒ったような感じで、勢い良く歩いて来る。


「もう、我慢ならぬ。貴様、俺と勝負しろ!決闘だ!」


ギッガは虎兵衛の前に立つと、そう叫ぶ。私は、その言葉に驚き、二人の顔を見ていた。













読んで頂き、ありがとうございました。

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