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侍、美女から魔法を学ぶ

良かったら、読んでいって下さい。


アニメ好きの為の小説、"アニメ好き限定!掟破りのモテ戦略"が完結して、掲載しています。


アホで最強のヒーローの恋愛模様を書いた

"あなたは世界で一番強いヒーローになりたくないですか?(注)ただし、アホになりますが・・・"

が同時連載中です。


他の作品も良かったら、よろしくお願いします。




私は、城にある魔法修練所で、魔法の特訓をする。強い魔法使いの召喚に失敗したのだ。敵国の恐るべき魔法使いと対峙出来る魔法使いは、もはやこの国に私しかいないのだ。


しかし、私では敵とのレベルが違い過ぎる。努力では、この差は埋まらない。だからと言って、何かをやらずにはいられない。焦りだけが募っていく。


「おぉ、やっておるな、エリール殿」

虎兵衛が笑顔で、魔法修練所に入って来る。ホントに呑気な男だ。


「何しに来たのよ。私は忙しいの。邪魔しないで!」

私はイライラした感情を虎兵衛にぶつける。


「拙者にも魔法とやらを教えてくれ。興味があるのでござる」

「え、本気で言ってるの?」


私は意外な事を言われたので、驚いてしまう。それはそうなのだ。この国の男達は剣を振るう事にしか関心がなく、魔法を学ぼうと言う者が全くいなかったのだ。この侍、勉強熱心なのかもしれないと、私はちょっと嬉しくなる。


「分かったわ。いいわよ」

「宜しくお願いするでござる」


「まず、魔法と言うのは体内にあるマナと呼ばれる、魔法エネルギーが源なの」

「ほう・・・」


「このマナの力を、ルーン語の呪文を詠唱する事で魔法は発動されるの」

「へぇ・・・」


「普通のレベルの魔法使いで、初級の魔法を発動させるまでの時間は、約四秒から五秒の間くらいと言われているわ」

「はふ・・・」


「ちょっと、聞いてるの?」

「めちゃめちゃ聞いておるでござる」


私は途中から眠そうな顔をしていた虎兵衛に、再び説明をする。


「つまり、騎士や侍と言われる剣士が、魔法使いに勝てない理由は、剣が届く前に魔法で殺られるから。でも、魔法が発動する前の呪文詠唱中に、攻撃を仕掛ければ勝てると思ってるでしょ?」

「ふむ」


「甘いわね。確かに、至近距離なら剣士の方が有利ね。でも、これは戦争。戦いなのよ。相手が易々と近付けてくれる訳ないわ」

「なるほど。だから、エリール殿は剣士では魔法使いに勝てぬと言うておられるのか?」


「そうよ」

私はまた、最悪の現実を自分の言葉で再確認する。


「それは、エリール殿の常識であって、拙者の常識ではないでござるよ」

「え・・・」


「エリール殿は確かに賢い。話し方や考え方で、それは分かるでござる。しかし、柔軟性に欠けるでござる。もっと、色んな角度で物事を見てみるといいでござる。新しい世界が見えて、良い解決法が発見出来るかもしれないでござるよ」


私は初めてそんな事を人から言われ、ハッとする。この危機的状況を、変えられるアイデアがあるかもしれない。私は少しだけ元気になる。


「エリール殿、頼みがあるでござる。実際に魔法を見せて欲しいのでござる」

「いいわよ」


私は魔法の的となる人形を用意し、それを設置する。人形から少し離れた所へ移動し、隣にいる虎兵衛に再び説明する。


「人には相性の合う魔法が存在するの。私が相性がいいのは水の魔法。敵の魔法使いが、得意な魔法は炎の魔法らしいわ。じゃ、実際に見せるわね」


私は深呼吸して、集中力を高め、呪文を詠唱する。そして、右手を前に出して、腕を伸ばし、魔法を発動させる。水の塊が勢い良く、右手から飛び出し、人形に当たる。人形はドンと言う音と共に、砕け散る。


「うおお、これが魔法でござるか?スゴいでござる」

「これは、初歩の水の魔法よ。強力で複雑な魔法ほど、呪文を唱えるのが長くなるわ」


虎兵衛は初めて見た魔法に感動し、喜んでいる。私もそんなリアクションされると、満更でもない気分になる。


「今度は拙者に向けて、その魔法をかけてくれんかの?」

また、この男は理解不能な事を言い出す。


「あなた、まさか人から痛め付けられて、気持ち良くなるタイプなんじゃ・・・」

私はちょっと引き気味に聞く。


「拙者、そっちの趣味はないでござる。興味でござる」


私は分かったわと言うと、あまり乗り気ではなかったが、呪文を詠唱し、極力威力を押さえる様に魔法を放つ。


ドンと音を立て、虎兵衛に腹に直撃する。はうっと言う声を上げ、虎兵衛はその場にうずくまる。


「大丈夫なの?」

「いててて。でも、これで魔法の事が分かったでござる」

「え、スゴい。あなた、天才かも?」

「いや、拙者には使えぬと言う事が分かったでござる」

「は・・・」

「魔法で女の子を裸にして、イヤーン作戦は諦める事にしたでござる・・・」


このエロ侍めと、私はまた怒り、魔法修練所から出て行った。


















読んで頂きありがとうございました。

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