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6、救出作戦開始!〜side シャーリス〜

 走り出したシャーリスとそれを追うゼノ。そして、手に汗握って柵の外で待つ村人達。


 ゼノに追い付かれないように全力で走るシャーリスは、もしも追い付かれれば良くても骨折、最悪は死ぬだろうという事を理解している。

 背中や首などには汗をかいており、服は汗を吸ったところの色が濃くなっている。また、顔にかいた汗が滴り落ちる。


 しかし、後ろから追うゼノも全力で走っているためにその距離は少しづつ縮まっていく。それを見ている村人達は話し合い、柵にシャーリスがたどり着く前に追い付かれてしまう。なら、もういっそのこと自分たちが柵の中に入ってシャーリスを迎えに行くべきだ、ということになった。


 待っていた村人達の内の1人の男が柵を越えて中に入る。複数人ではなく、1人にしたのは助ける前に気付かれにくくするためである。

 そして、ゼノに気付かれないように右手に回り込むようにして近付き、横からシャーリスを攫うようにして捕まえて抱え込むと、柵に向かって走り出した。


 追いかけていた子供を横から攫われるような形になったゼノは、攫って行った男を次の標的にし、追いかける。


 一方、助けられたシャーリスは走っている揺れで舌を噛まないように、それに加えて、ここまで全力疾走をして来た疲れもあり、しっかりと口を閉じている。着ている服は色が変わっていない場所が無い程になっており、顔からの汗は拭いても拭いてもなかなか止まらない。


 そして、彼を抱えて走る男は先程までのシャーリスと同じような心境に陥っていた。もしかしたら、それよりもっと深刻かもしれない。なぜなら、後ろからはゼノが追って来る音が聞こえているのに、抱えているシャーリスを落とさないようにもしないといけないからである。


 大人が走るようになってスピードが上がり、どんどん柵に近付いていく。ゼノとの距離は少しづつ縮まっては来ているが、先程までのシャーリスが走っていた時とは違って縮まるスピードが遅い。


 そうしてやっと柵までたどり着いた。


 柵にたどり着くと男は外にいる村人達に抱えていたシャーリスを渡して外に出してもらい、自分は柵を跨いで外に出る。

 外に出られたシャーリスは安心した様子ではあったが、先程まで走っていたために息は上がり、ハアハアとしており、立っていることが出来ないほど疲れているのか、降ろされた途端に地面にへたり込んでしまった。


 そして、追いかけて来ていたゼノも遅れて柵に到着した。しかし、それでも静まる様子を全く見せない。柵を越えようと前脚を上げて棹立ちになったり、激しく鳴き声をあげたりしている。


 柵の近くにいると危険なため、シャーリスを含めた村人達は離れたところへ移動する。彼らはアランじいからゼノを静めるようにと言われていたが、この様子では自分たちが危険すぎて柵に近づくことも出来ない。どうすれば良いのか分からず、お手上げ状態であった。


 どんよりとした重い空気が漂い始めた頃、1人が何かを思いついたかのようにハッとして、


「アニスに頼んでみるのはどうだろうか?」


 と言った。それを聞いた周りの者達は皆驚いたり、あっという顔であった。また、その場に漂っていたどんよりとした空気は軽くなった様であった。


「その手があったか!」

「アニスになら出来るだろう」

「しかし、子供を暴れている馬に近付かせるのはどうかと思うんだがなあ」

「でも、他に方法は無いだろうに」

「彼女がゼノを静められるとは分からんだろう」

「なら、どうするのよ」


 などと言う話が。頼もう、危険だ、静められるかは分からないなどと言っている。


「そんな事言ってないで彼女に頼めばいいじゃないか。彼女はアランじいを除いてゼノに乗ることが出来る子だ。試してみる価値はあると思うし、それに成功する確率は高いと思う。出来なかったら、その時はその時だ。」


 とアニスに頼んでみようと言い出した男が言うと、色々な意見を言っていたが徐々に、頼んでみようか、という者達が増えていった。そして、最終的にはアニスの家に誰か1人が頼みに行くという事になり、行くと言った1人がアニスの家へ向かったのであった。

またまた1ヶ月ぶりで御座います…………。

前回、「月2、3回、出来れば週1更新をしたい」などと言いながら、月1更新でした。最初から躓きました…………

こんなんですが、これからもよろしくお願いしますm(_ _)m

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