2、度胸試し
第2話!!
少し短めです。話の長さが中々安定しません。
いい案があればどしどしどうぞ!!!
アムン達4人達は村にある放牧場へやって来た。常々、放牧場には子供だけで入ってはいけない、と村の大人たちから言いつけられていた。
しかし、4人は放牧場の周りを囲む柵の隙間を通って入った。
この村の放牧場では多くの馬や牛が飼育されている。毎年、城に馬を数頭納めているので、そのために飼育しているのである。時には村人が近くの村へ行くために使う事もある。直接乗るだけでなく、馬車を引かせたりもする。
また、牛からは毎朝乳をしぼって牛乳として飲んだり、加工してチーズにしたりする。
4人は、柵から一番近くにいた黒毛の馬のしっぽをじゃんけんで負けたら引っ張って来る事にして、じゃんけんを始めた。
一番最初に引っ張ってくる事になったのはサティであった。とても怖かったが、いつも泣いてばかりのサティは泣き虫と言われていて、悔しかった。そこで、少しでも見返してやろうと思い、やる事にした。
サティは、馬に近寄ると後ろの方へ回り、しっぽを掴んで引っ張った。蹴られるかもしれないと思ったため、彼は引っ張ったらすぐに3人がいる所へと走って戻ったが、馬は少し首を振っただけであった。
2番目のシャーリス、3番目のマラまではサティ同様、何事も無く終わった。
しかし、ここで犠牲者が出た。それも運悪くこのゲームをやろうと言い出したアムンであった。
因みに、4人にしっぽを引っ張られ続けていた馬の名をゼノと言う。ゼノは気性の荒い馬で、馬の世話をしている村人達も極力近寄ろうとしない。なぜなら、世話をしようとした村人にケガをさせているのである。すり傷、打撲などで済むなら良い方で、中には腕を骨折した者もいるのだ。
また、自分が認めた者しかその背には乗せず、それ以外の者が乗ろうとすると鐙に片足を掛けただけで暴れ始め、蹴ろうとする始末。
このため、村一番のとてもいい馬なのだが、城に納められることも無く、村でも近付こうとする者や乗ろうとする者などは誰一人もおらず、放牧場で悠々と伸び伸び過ごしていたのであった。
しかし、4人はそんな事は知らずに遊んでいた。村人達も入らないように言っていたこともあって、万が一にも子供だけで入るとは露ほどにも考えていなかったので、危険だということを伝えていなかったのだ。
そんな馬の方へじゃんけんで負けたアムンは「くっそー、俺の番かよ。ま、すぐに終わらせてやるよ」などと文句を言いながら歩いて行く。彼はゼノの背後に回り、しっぽを引っ張った。しかも、思いっきり。
今までの中で一番強く引っ張られて、これには流石にゼノも驚いた。驚いて興奮したゼノはかん高いいななきをあげて暴れ始め、それを見たアムンは腰を抜かして地面にへたりこんでしまった。
アムンはこの後どうなるのか!?
次回はゼノ視点の予定です。