1、六の村のいたずらっ子達
お待たせいたしました!
第1話です!
魔族とは、魔術に秀でた種族である。長命であり、大抵は700年から800年近く生きる。時には900年以上生きる者もいる。
この上、長命であるためか成長が遅い。成人である100才を迎える頃には人間でいう10代半ばから後半の姿にまで成長するが、それ以降は極端に遅くなる。
例えば、200才台では人間の20代半ばの姿であるし、300才台では30代の姿をしている。時には、魔族ですら「詐欺だ!」と言いたくなるような若い姿の者もいるが…。
このため、23才を過ぎたと言ってもアニスの姿は4、5才の人間の子供の背丈程しかない。また、この村にはアニスの他に4人子供がいる。その全員が男の子のため、村の女の子はアニス1人だけである。
1人目は24才のアムンと言い、夕日色の髪に、こげ茶色の瞳をしている。村にいる子供たちの中で一番の年上である。両親は彼が生まれてから数年後に周囲の村で起こった流行病で亡くなっており、唯一の家族である祖父と共に暮らしている。いたずら好きで、いたずらをして見つかっては祖父や村人達に叱られている。
次に、2人目と3人目は19才のシャーリスとマラ。シャーリスは若葉色の髪に、深緑色の瞳を持つ。4人でいると大抵は、アムンがやろうと言い出したいたずらをやめるように言うストッパー役だが、言われてもアムンは聞く耳を持たないので、いつも一緒に叱られている苦労人である。
一方、マラはくすんだ金髪に、水色の瞳をしている。元気で明るく、よく笑う子である。
最後の4人目は17才のサティ。4人の中で一番の年下である。明るめの茶髪に、とび色の瞳をしている。怖がりで泣き虫だが、周りを思いやる優しさを持っている。
ある日、4人が一緒に遊んでいるとアムンが突然、「じゃんけんをして負けたヤツは馬のしっぽを引っ張って来る遊びをしようぜ!」と言い始めた。要は、度胸試しである。
今まで彼が言い出して行ったいたずらと言えば、玄関のドアを開けたら水が降ってきてびしょ濡れになる様に仕掛けをしたり、複数の家の表札を違う家の物と取り替えたり、白いペンキの中身を白い接着剤と入れ替えたり……と言った事であった。
最後のものに至っては、村人が実際に使ってしまい、まだ乾いていない時に触ってしまって取れなくなるという事件にまで発展した。
そんな事ばかりしていたのであったので、彼以外の3人はいつものいたずらよりはまだマシかな……と思い、賛成した。
そして、事件が起こるのであった。
まだまだ始まったばかりですが、よろしくお願いしますm(_ _)m