Love2
今は休み時間。
さっきはビックリした。
まさかメールの相手が矢口だったなんて・・・。
「さっきはどうしたの?急に立ちあがっちゃってさ」
菜美が私の席に近づきながら言う。
「いやぁ〜・・・」
まさか“矢口とメールしてた”なんて言えないよ・・・。
言ったら冷やかされるに決まってる。
「ちょっとボーッとしてたんだ」
「なんだ〜そうゆう事かぁ」
よかった。なんとかバレずに済んだ。
私は確認のため、メールを送ろうと文を書いた。
《まさか・・・矢口?》
私はメールを送った。
でも、いつもみたいにすぐには返ってこなかった。
「ねぇねぇ!みるみる!!」
「んー?」
真由私の席に近づいて来る。
「恋してるってのはどうやったら分かるの?」
「んー・・・。気にしてたりとか、その人の近くにいるとドキドキしたりとか、顔が赤くなったりとか・・・。かな」
「え!マジで?」
「うん?」
どうしたんだろ?いつもの真由と違うような・・・。
「みるみる・・・私・・・やぐっちの事が好きみたい」
「えぇ?!」
やぐっち って・・・矢口?!
それと同時にメールが来た。
《そう!やっと分かったかぁ》
も〜!なんでこんなタイミングで送ってくんのよ〜!!
「いいんじゃない?」
「え?」
「別に好きなら好きでいーじゃん。私は何も言うことないよ」
「みるみるサンキュー★」
真由は私に抱きついてきた。
・・・私は別に矢口のこと好きじゃないんだし・・・いーよね?
そうだ!
「真由。矢口のアド教えてあげよっか?」
「え?!」
《真由にアド教えていい?》
私は返信した。
OKってこい!!
《真由って坂本?いいぜ》
「教えて!」
「OK」
私は真由に矢口のアドを教えた。
《ありがとぉ♪》
《美流が喜んでくれてうれしーぜ》
・・・え?!呼ぶすて?!
《なんで呼びすて・・・》
《いーじゃん♪美流も蓮って呼べよ》
そ・・・そんなっ。
私は顔を赤くする。
《だ・・・だめだよっ!そんな・・・私達恋人同士じゃないのに・・・》
私はメールと返信した後、胸がドキドキしていた。
《いーじゃん♪絶対呼べよ!》
そんなぁ・・・。最悪。
「みるみるー!やぐっちからメール来たー♪」
「ホント?よかったじゃん」
「うん。ほら見て見て!」
真由は自分の携帯を私に見せる。
その内容は・・・。
《やっぱ坂本か。よろしくな》
だった。
「こんな短い文章だけど嬉しー♪」
そっか・・・。そんなに好きなんだん。
・・・ってか!なんで呼びすてじゃないの?!
《なんで真由は呼びすてで呼ばないの?》
《だって俺、美流だけって決めてるし》
《そんなの決めなくていーよ!》
《いーじゃん♪》
なんか・・・。
《蓮って“いーじゃん”が口癖だよね?》
《おー!そだぜ。あ!!蓮って呼んだ。嬉しー♪》
ププッ。なんか・・・子供みたい。
最初の方は普通にメールしてたけど、なんか・・・蓮とメールするの楽しくなってきた♪
「はぁ〜・・・。やぐっち、名前で呼ばせてくれない〜」
「え〜。どんまいやね」
真由と菜美の会話が私の耳に入る。
「そういやさ美流」
菜美が私の名前を呼ぶ。
「んー?何?」
「美流がしてるさっきの奴からのメール。あれ誰だったの?」
ゲッ!ヤバい!!
ココで蓮としてるなんて言ったら大変なことになっちゃう!
「さ・・・さぁ〜。名前教えてくれないんだよね〜」
「そっかぁ。そっちもどんまいだね」
そう言って、菜美はまた真由と話し始めた。
ふう・・・。よかった。
私は軽くため息をつく。
・・・あれ?
携帯が光ってる。
蓮に送ってないのに何で?
私は携帯を開き、受信箱を見てみた。
・・・蓮だ。
私はメールを開いた。
《今日の放課後話そ》
《なんで?》
《話してーから》
どーしよう・・・。OKしたら真由に悪いよね。でも・・・。
《いーよ》
私はOKした。
なぜかは分からないけど、なんだか話したくてたまらないんだ。
真由・・・ごめんね。