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レジお願いします②

 「・・あっ、すみませんでした・・。ちょっと色々ありまして、すみません・・。・・えーっと・・250円ですね・・。・・Pdyプディでお願いします」


 「あっ、はい、Pdyですね、どうぞ・・かざしてください」


 店員がレジのボタンをカチャカチャと押すと、電子マネーの読み取り端末が緑に光った。女の子が財布からカードを取り出しPdyをそこにかざすとプッヨ~ン♪ とやたら楽しげな音がした。


 隣のレジで小銭を出そうとしているなよなよした男がその音に反応し、なんだ? と女の子の会計の様子が気になっているようだ。


 女の子の会計はあっという間に終わり、牛乳の入った袋を持ち、レシートを受け取って少し店員さんに会釈すると、会計中のなよなよ男の前を通り過ぎる時に小銭を出すのに苦労している男の会計の様子を見ながらこれですよこれ・・という感じでPdyをさりげなくかざして、男に見えるようにゆっくりと財布にしまい、自動ドアを開けてチャイムを鳴らしながら颯爽と帰って行った。


 女の子に遅れて会計が終わったなよなよした男もお茶とカップ麺とパンの入った袋を手に持ち、自動ドアを開けて店の外に出た。


 コンビニの雑誌コーナー側の窓の外で一度立ち止まってレシートとお釣りを財布の中に入れているようだったが、どうやら女の子のことが気になっているらしく女の子が信号を渡ろうとしているのをメガネをかけ直しながらチラチラと見ているようだった。


 女の子の会計をした店員は、店の外に目をやり、女の子が手押し信号を押し、左右を確認して止まった車に軽く会釈しながら横断歩道を小走りで渡っていく様子を眺めていた。隣のレジで会計していたなよなよしたメガネの男も、彼女の姿が見えなくなって少しすると、歩き去って行った。


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