ホットミルクが必要②
疲れているし、服を着るのは面倒だったが、いくら近所とはいえ、部屋着のままコンビニに行くのは気が引けたのでクローゼットから服を出した。
Tシャツにグレーのコットンのショートパンツ姿だったが、その上に一枚、ボタンの半袖のシャツを羽おり、膝丈のやや幅のあるデニムのクロップドパンツを履いた。そして、財布と携帯を持って黒縁の伊達メガネをかけると、部屋の玄関のチェーンを外し、鍵を開けて外に飛び出した。
朝から快晴で雲一つなく、夜空にも雲は全くかかっていない。そのためか日中はひどく暑かったが夜はかなり気温が下がっているようで、外はやや肌寒いくらいの気温に感じる。
やっぱり上着を着て正解だったな、と女の子は自分の判断の正しさに少し機嫌を回復しながら自分の着てきたものの組み合わせを品定めするように見つめ、まぁこれでいいか、危うく部屋着のまま出て来てしまいそうな勢いだったが最低限の身だしなみはクリアしたなと自分の中でGOサインが出ると、部屋の鍵をかけて早歩きでコンビニへと向かった。
コンビニは歩いて2分くらいのところにあり、2車線道路を渡るとすぐだ。
深夜であることはまったく関係のない煌々と明るい店をチラチラと見つめながら横断歩道の前にたどり着くと、手押し信号のボタンを押し、2車線道路の車道の信号に目をやった。すると信号はすぐに黄色に変わり、赤に変わった。
この通りは結構交通量が多いが、手押し信号のボタンを押すとほぼ同時くらいのタイミングで信号が変わるので車の人になんか申し訳ないんだよな・・と女の子はいつも思っている。
そのため歩行者信号が青に変わると小走りで停車している車の人に頭を下げながら横断歩道を渡るのが常だった。
深夜2時過ぎといっても何台かは車が停車したので、いつもどおり車の人に少し頭を下げながら横断歩道を小走りで渡った。