学食にてランチ②
「はい、お疲れ~、一口どうぞ、おいしいよ」
「あぁ、助かる~。・・う~んっ・・おいしいっ ・・走ってきて暑いから尚更おいしいよ・・あ~・・疲れた~・・」
二人は携帯を切った。桐野玲は暑そうにしてヘトヘトになっている新地結菜を回復させようと二口目のソフトクリームを差し出した。すると新地結菜はそれをぱくっと食べて目を丸くしておいしいっ♪ と頷いて桐野玲に微笑んだ。
「お~っ・・いい食べっぷりだね~♪ その表情がたまらない、大きく育てよ~」
「う~、これ以上育ってどうするの~? これ以上はいいよ、後は体じゃなく、中身で・・」
新地結菜は桐野玲の隣の椅子に座ってトートバッグをカウンターに置き、ふ~っと上半身をカウンターにもたれかけ、人心地ついてそう言った。
桐野玲はソフトクリームを片手に読んでいた『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団(上)』を足元に置いてあったバッグの中にしまいながらも新地結菜の方をチラチラと落ち着かない様子で楽しそうに眺めている。
「・・いいね~、ちょっと大きいけど、可愛い小鳥ちゃんに食べさせがいがあるよ~。・・ほら♪ ・・もう一口・・」
「(ぱくりっ)・・う~ん、たまらない・・おいしいな~♪」
「いや~♪ 今日はちょっと、どうしたの? ・・いいよ~♪ ・・いつもとは逆のパターンだ♪」
桐野玲はいつもはそれほどノってきてくれない新地結菜が炎天下の中、慌てて駆けつけてきた暑さのためか、自分の差し出すままにパクパクとソフトクリームを食べるのでとても嬉しそうにしている。
「・・玲? お昼はもう食べたの? ・・またお菓子だけ? ・・もう、しょうがない子だな~。今あたしが持ってきて食べさせてあげるから、待ってて・・」
新地結菜はそう言うと、席を立って、カウンターに置いたトートバッグを椅子に置き直し、昼食をゲットするべく動き出した。
「えーっ? もう終わり? いつもあたしが食べさせられてるから食べさせるの楽しかったのに・・。もうちょっとしようよ~」




