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再びの葛藤②

 やはり快晴なだけあって気温が高いように感じる。肌に日差しが照りつけてくる。30℃超えているかもしれないな、と思いながらも、急ぎ足で『プレリュード』に向かった。角まで1分、角を右に曲がって1分くらいで『プレリュード』に到着する。


 しかし、急ぎ足はわずか数十歩で止まり、急ぐどころか普段よりも足取りが相当に重くなってしまった。


 約束を守ろうと行動を始めたとはいえ、まだ本当にそれを果たすべきかどうか迷いがあった。新地結菜はブラブラとゆっくりと地面を見つめて歩きながら、再び自分が本当にどうするべきかを考え出した。


 「・・今から『プレリュード』に行って、少し並んで、ケーキを予約してやればそれで約束は果たしたことになる。・・しかしだ、あいつはおそらく、いや、100%の確率で忘れているだろう。・・せっかく予約してもあいつがこれっぽっちも気づかずに取りに来なかったら・・。・・あたしは約束を果たしたことになるのか? ・・なるような、ならないような・・。


 ・・う~ん、いやっ・・。あいつが覚えていようが覚えていなかろうが、あたしは覚えていてきちんとその手続きを済ませるんだから約束を守ったことになる! ・・なるか・・?


 ・・約束は“お誕生日ケーキを買ってお祝いしてあげる”だった。“ケーキを{買って}{お祝いしてあげる}”・・だ。


 ・・ケーキを買ってあげればそれでオッケーだろ・・。・・オッケーのはずだっ! ・・うわ~っ、自分を騙すことはできないか・・。“買ってお祝いしてあげる”か・・。やっかいな言い回しをしてしまったもんだ・・。


 なんであたしは“ケーキを買ってあげる”までにしておかなかったんだ・・なんで“ケーキを買ってお祝いしてあげる”なんて言い方をしてしまったんだ・・。


 あ~・・最低でもあいつにお祝いのケーキを買って上げて、おめでとう的な連絡まではしないと確実にあたしが約束を守ったということにはならないかもしれない・・。・・バースデーソングを歌って、一緒にケーキを食べながらお祝いしてあげる、というところまでは・・やる必要はないはずだ・・はずだ・・。


 しかし連絡は・・ケーキを買ってあげて、そして、おめでとう的な連絡をするまでは約束の範囲に入っているだろうなやっぱり・・。」


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