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気づいたらもう正午過ぎ①

 ・・・・。


 [チャンチャンチャンカ♪ チャンチャンカチャカチャン♪(繰り返し)]


 ・・携帯が鳴っているな・・。・・アラームの音じゃなく、着信音だ・・休日の朝に一体誰だろう・・?


 女の子は重くだるい体を何とか持ち上げ、チェアからくずおれるように床にドスンと降りて、ほとんど這うようにテーブルの上に置いてある今の自分にとってはやかましいとしか言いようのない鳴り方をしている携帯にたどり着き、寝惚ねぼまなこでディスプレイを覗き込んだ。


 「桐野玲きりのれい」と表示されている。


 「・・もしも~し? ・・玲? ・・どうしたの~? ・・こんな朝に~? ・・まだ寝てたよ~? ・・どうしたの~?」


 女の子は目を瞑ったまま、辛そうに桐野玲を少し責めるようにテンションの低いかすれた声を出した。


 「・・えっ、・・朝? ・・まだ寝てたの!? もう12時だけど? 図書館でレポートやる前に学食に来るって言ってたから電話したんだけど・・まだ寝てた?


 ・・あ~っ!! も、もしかして、徹夜で!? ・・もうレポート終わったとか? いやだよー!! 何で置いていくの~!? 私を置いていかないでよ~、結菜~、終わったならちゃんと手伝ってね? ね?」


 「・・12時!? ・・うそっ!? もう12時なの!? えっ!! ・・そんなっ・・!! ・・起きたのは7時半くらいだからかれこれ・・4時間半近く二度寝していたっていうのか・・全然そんなに時間が経っているとは思えなかった・・まだ数十分も寝てないという感覚だったのに・・。


 はぁ~、やっぱり相当疲れがたまっていたみたいだな、学食に行く前に、お店が大混雑する前に、1つ気がかりな案件を片付けてしまう予定だったのに~。


 ・・ねえ、玲・・今12時って、嘘だよね? あたしの感覚的には全く信じられないんだけど・・?」


 「・・いや、間違いなく12時過ぎてるよ・・。・・して、レポートは? ・・もう徹夜で完成させちゃった・・?」


 「・・ああっ、レポートがもう終わっただなんて、何言ってるの、今回は色々と事情があってまだ何にも手付かずだよ!


 ほんとにこの1週間は夜になるとろくに眠れもせずに、ホットミルクばかり飲んで毎夜、毎夜お腹がたっぷんたっぷんで朝起きても眠いは疲れてるわ、胃はもたれてるわで、全然だめだよ・・。おっと、これはまさみにはくれぐれも言わないようにね・・」


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