二度寝はじめました
たっぷりになった泡を洗顔ネットから絞り取り、水で濡れた顔にまんべんなくつけると、おそるおそる目を開けた。
洗面台の大きな鏡には自分の半身が映っており、これはひどいな、と瞬間思った。泡まみれの顔にも関わらず、これでもかという程ぼさっとしていて疲れきっているのが見た目から分かる。
覇気がなく、目がとろんとしている。肩もだらんと疲れでいつも以上に下がっている。自分、こんなになで肩だったか・・とじっと肩のラインを見つめた。
ここ数日毎朝こんな感じだ、今日が一番ひどいような・・と女の子はぼーっと考えをめぐらせた。しかしそれも今日で終わるはずだ。
重い体を何とか動かして蛇口を捻り水を出すと、顔につけた泡を取り、両手で流れる水をすくってパシャパシャと顔を洗い流してもう一度鏡でさっきよりもしっかりと自分の顔を見つめてみる。
頭がぼーっとしている割には、思った以上に緊張した顔をしているように見える。目の下に少しクマができている。しかしそれも今日で終わるはずだ。
用意してあったタオルで顔をあてるように拭きながら洗面台を後にすると、髪を抑えていたヘアバンドを取って、PCを使用する際に座っている背もたれと肘かけのついたチェアにふ~っと一息つきながら座り込み、目を閉じて体を預けた。
窓の方をぼんやりと眺めると、外はかなりの好天らしく、カーテンの隙間から眩しい光が射し込んでいる。
歯を磨き、顔を洗ったので少しはすっきりしたが、連日のように深夜まであれこれと考え、思い悩んで良く眠れていなかったので、やはり疲れ、眠気はぬぐい去れなかった。
「・・う~ん~、まだ眠い~・・。・・もう少し寝ようかな~・・。・・これでは動けないな~・・。・・朝食も全然取る気がしない~・・。・・今日はもう少~しだけ、寝ないとダメかもしれない~・・。・・カーテンも全然開ける気が・・しない~・・」
女の子はそのままチェアに体を預け、難しい顔をしたままウトウトとしだし、手に持っていたヘアバンドをポトリと床に落とした。