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この頃、毎日フラフラな朝

 ・・・。


 ♪♪♪♪~・・♪♪♪~・・・・♪♪~・・・・・・♪


 女の子はきちんと止めなければ再び鳴り始めるスマホのスヌーズ機能を回避すべく、一時しのぎに画面をタップしてアラームを止めて寝続けた。


 4回目のアラームが鳴ると、何とか死んだ魚のような目をしながら、手の届く位置に置いてある携帯をやっと掴み、鳴り続けるアラームに止めを刺すべくスヌーズ機能をスライド&タップで解除し、携帯を持ったまま、ベッドに腕を放り出した。


 普段どおり7時に起きる予定だったが、ここ数日、少しずつスヌーズ機能を解除するのが遅れてきて、今日は予定起床時刻よりもすでに30分近く過ぎている。


 ベッドに手をついてフラフラと上体を起こしたが、首をだらりと垂らしたままで、しばらくはそこからまったく動けず、胃がもたれている感じがして、不快感にお腹をさすった。


 顔を辛そうにしかめたままに何とかようやく動き出すと、携帯を握りしめベッドを這うように抜け出した。


 テーブルに携帯を置き、足元もおぼつかない感じで洗面台に向かい、液体ハミガキの大きな容器を手に持ってポンプをひと押し、口の中に注ぎ入れ、20秒間程口をすすいでから水道の蛇口を捻って水を流し、力なく歯を磨いた。


 歯を磨き終えると、洗面台の近くにぶら下げられたS字フックにかけてある白いヘアバンドを何とかぐいと引っ張るように取り、洗顔の邪魔にならないように髪を抑えた。


 別のS字フックに引っ掛けてあった洗顔ネットも同じく引っ張り取ろうとしたが、上手く取れずに、S字フックを床に落としてしまったので、ため息をつきながら、ちらりと床に視線を送り、それを拾って所定の位置に引っ掛けた。


 ふーっ、と一息ついて気を取り直して、蛇口を捻って水を出し、流れる水に手を差し出して触れてみると、水は手に弾かれパシャパシャと涼しげな音を立てる。しかし、予想通り蛇口から出てくる水は冷たいというほどの温度ではなく、やはり夏だな、と実感する水道水の温度だ。


 水で顔を簡単に洗った後、洗顔ネットを水に濡らして蛇口を捻って水を止め、それに洗顔料を垂らしていつものように泡立て始める。


 洗面台にやってきてから、S字フックを落としてしまい、床から拾い上げた時以外に、まだほとんど目を開けてはいない。毎日規則的に繰り返している作業なので、すでに体が覚えている。目の疲れが取れておらず、なるべくまだ目を開けたくはない感じだった。


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